とにかく石原さとみの演技が凄まじかった。吉田恵輔監督の最近の映画はどれもヘビー級だけど、本作が1番ヘビー級だと感じた。こんなに辛い経験はしたくない。
凄まじかった。噂通りの衝撃的なラストにびっくりしたが、色々と考えてみると、それほど唐突な展開でもないように思えてくる。自然や世界ってそんなものだろうという感じ。悪は存在しないというタイトルに痺れる。>>続きを読む
情報量が多くて、尺が長くて、映像も音楽も過剰で、重いテーマを突きつけられて、観終わってぐったりした。映画を観てあんなにも疲れたのは久しぶりだ。
クリストファー・ノーランはそこまで好きな映画作家で>>続きを読む
知り合いが監督した映画なのだが、お世辞抜きでとても良かった。「毒親」という言葉だけでは片付けられない母親の多面性を、一青窈が豊かに演じていたし、主役の女の子も良かった。
低予算の日本映画にありが>>続きを読む
ヨーロッパ企画の影響なのか、日本映画のタイムリープものは演劇やコントっぽい映画が多い気がする。しかし、前作『人数の街』で蓮實重彦から推薦コメントをもらった荒木監督は、本作でも映画的なショットを積み重>>続きを読む
大阪にあるエキスポシティの巨大なIMAXで観た。音に関しては前作ほどのインパクトはなかったが、圧巻の映像体験だった。
本作は最高のオールスター映画でもある。ティモシー・シャラメのカリスマ独裁者の>>続きを読む
とても面白かった。色々な物事に対して批評をしまくっている映画だと思った。考察よりも批評が好きなので、好みのタイプの作品だった。
本作の主人公が男性だったら、印象は異なるだろう。『バービー』のよう>>続きを読む
面白かったし、クオリティも高いとは思うが、あんまり好みではなかった。『ジョーカー』の主人公と同じような精神障害のこじらせ中年男性を、『ジョーカー』とは全く異なるコミカルな演技で全裸で体現したホアキン>>続きを読む
本作に流れている時間の厚みに圧倒された。30代前半である自分の経験や知識で、登場人物の心情がある程度想像できる映画も多いのだが、本作には叶わないと思った。もっと歳を重ねてからまた観たい。
物語に>>続きを読む
蓮實重彦がコメントを寄せるほどの映画とは思えなかったけど、『イカゲーム』を先取りしているような点もあり、面白かった。理屈っぽい設定の物語だが、後半で理屈を超えるアクションがあって良かった。やっぱり石橋>>続きを読む
デヴィッド・リンチの映画みたいにシュールで不条理な物語だが、大自然を捉えたショットを静かに積み重ねて語るという、変な映画で面白かった。ツッコミどころは多いが、ショットの力で黙らせようとする堂々とした風>>続きを読む
映画館で観られて嬉しかったが、静かに鑑賞することが苦痛でもあったので、応援上映に行けば良かった。『アメリカン・ユートピア』でデヴィッド・バーンを知った世代なのだが、本作を観て、若い頃のバーンのパフォー>>続きを読む
『哀れなるものたち』が最高だったので、ヨルゴス・ランティモスとエマ・ストーンが組んだ前作を配信で改めて観た。劇場で観た時よりも楽しめたし、露悪的で面白い映画だが、『哀れなるものたち』と違って、どうにも>>続きを読む
オールタイムベスト級に大好きな三宅唱監督の前作『ケイコ 目を澄ませて』に比べると、本作には少し疑問点も感じるけど、とても良かった。
藤沢さんが山添君の髪を切るシーンが素晴らしかった。会話やちょっ>>続きを読む
ビクトル・エリセの新作が公開されるタイミングで、初めて映画館で観た。なるほどの素晴らしさ。物語の背後にあるものを読み解くことはできなかったけど、ショットの数々を観ているだけで眼福だった。
アナ・>>続きを読む
早くも今年のベストが決まってしまったかもしれない。豪華スターが出ている娯楽映画でありながら、めちゃくちゃアート性が高く、物語の構造やキャラクターの設定は分かりやすいのに、多様な解釈ができる余地が残さ>>続きを読む
原作は未読だが、かなり楽しめた。アイヌを迫害した日本の負の歴史を基に、北海道を舞台にスケールの大きな活劇が展開される。原作を尊重した実写化に成功したのだろうと思われる。
キャラクター造形や台詞は>>続きを読む
ウディ・アレンも80代半ばを過ぎると、こんなに微妙で締まりのない映画を撮ってしまうんだなぁと思った。クリント・イーストウッドが90代で撮った『クライ・マッチョ』を観た時の落胆に近い。
しょうもな>>続きを読む
カウリスマキの映画を初めて観たのだが、とても良かった。労働者の日常生活のやるせなさに寄り添ってくれるようで、『PERFECT DAYS』に感じた違和感や不満を、代わりに回収して満足させてくれた。>>続きを読む
Netflixは『ドント・ルック・アップ』、『ホワイト・ノイズ』、そして本作と、終末を描いた新作映画を毎年配信しているが、本作が最も現実に起こりそうな状況が描かれていて怖かった。
映画に分かりや>>続きを読む
好きな点と好きじゃない点が多い映画だった。役所広司の所作や表情と東京の風景を組み合わせるだけで、味わい深い映画が成立することを証明したのだから、THE TOKYO TOILETも大したものである。>>続きを読む
評判の高さが納得できる、めちゃくちゃ良い映画だった。ドラえもんの映画を観て、八鍬新之助は優れたアニメ映画監督だと認識していたけど、ドラえもん以外でここまでの作品を作るとは思わなかった。
黒柳徹子>>続きを読む
正月には寅さんシリーズが観たくなる。本作はシリーズの中でも名作と言われることに頷ける。リリーさんというマドンナは唯一無二だし、男が女を幸せにするという考え方への批判はフェミニズム的で、このシリーズの>>続きを読む
鬼太郎のアニメや漫画にあまり触れたことがなかったのだが、とても面白かった。今年観た映画で最も胸糞悪い悪役だった。
日本は太平洋戦争の加害者だという視点や、戦後の経済成長主義は軍国主義が形を変えた>>続きを読む
『パディントン』シリーズの監督なので、美術や撮影、編集のレベルが高く、画面を観ているだけで楽しかったが、予想していたほど楽しめる映画ではなかった。
子どもやファミリー向けの映画らしい悪役の演技や>>続きを読む
とても面白かった。タイムリープものの映画は色々あるけど、この規模の予算で、これ以上の作品を作ることは難しいだろう。
まずは設定が優れている。登場人物たちがタイムリープをなかなか信じない点は、リア>>続きを読む
北野武が『首』で戦国武将の英雄性を剥ぎ取ったように、リドリー・スコットはマリー・アントワネットの首を斬るシーンから始まる本作で、ナポレオンの英雄性を剥ぎ取っていた。
ナポレオンが他の男と楽しそう>>続きを読む
ビートたけしは豊臣秀吉を演じようとしておらず、たけしのままだったし、大森南朋や浅野忠信とのやり取りはバラエティ番組のコントみたいだった。しかし、これは監督の北野武が、役者として衰えてきたビートたけし>>続きを読む
原作を読んで深く心に刺さったのだが、マイノリティーや欲望の描き方には疑問もある。水フェチの人間が全員異性に恋愛感情を持たないのは極端だし、小児性愛者は犯罪者として描かれるが、犯罪を犯さない小児性愛者>>続きを読む
MCUに対する興味や関心がすっかり薄くなってしまい、最近はテレビシリーズを観ていないので、ストーリーやキャラクターの関係などがよく分からなかった。
主要な3人の位置が素早くどんどん入れ替わるとい>>続きを読む
久しぶりに酷い日本映画を観た。坂元裕二らしい会話や人物描写は多々あるが、とても『怪物』や『花束みたいな恋をした』と同じ脚本家が書いたとは思えない。
宮崎あおいが相変わらず可愛かったことや、吉沢亮>>続きを読む