歌うしらみがおりましたさんの映画レビュー・感想・評価

歌うしらみがおりました

歌うしらみがおりました

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.0

一種のフェイクドキュメンタリー。
全編ワンカットであることに意味が付与されてるからさしてストレスにはならなかった。
この手の映画にありがちな"繋ぎのところをただ役者の背中を追っているだけのカメラ"に陥
>>続きを読む

かくも長き不在(1960年製作の映画)

3.0

口でも説明しなけりゃ影像で物語でもなく、ただぼんやりずっとしんみりしてる最初の30分くらいはシンプルにつまらなかった。長回しやロングショットもモンタージュの中でさして機能してるとは思えず。

思い出せ
>>続きを読む

リラの門(1957年製作の映画)

4.5

マリアがジュジュにピエロへの想いを打ち明けるシーンが素晴らしい。雨が降っているから屋根のあるところへ行き、バルビエに会いに行くと伝えて外に出ると、一瞬で雨が止んでいる。もうジュジュにコートを被せてもら>>続きを読む

巴里祭(1932年製作の映画)

3.5

画面を上っていく紙風船(?)、窓から垂らされるクリスマスみたいな飾り、この縦の線を横切るように交わされる男女の視線。素敵。

ルネ・クレールは、重要なカットを窓越しに捉える。

巴里の屋根の下(1930年製作の映画)

4.0

視線の映画であり足映画。並んで歩くふたりの足元の美しさよ。鞄に靴をつめる女と、女にプレゼントする靴を揃える男。しかしそのプレゼントは踏まれ、花瓶は足元に落ちる。

ラストのサイコロゲームで、二人をそれ
>>続きを読む

バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

3.0

後に野宿の焚き火、そして市長の家の放火未遂へと変移していく看板に点けた炎の、もう後戻りできない爽快さは見事だったし、バイクに乗るのか乗らないのかの件の決定的な断絶を示す動的な切り返しには感動したのだが>>続きを読む

夜の来訪者(1954年製作の映画)

1.5

いやぁ、これはキツかったな。切り返しの後ろに刑事を座らせることで不穏さを出したり頑張ってたけど、言葉で展開していく物語を映画にするのは相当気を遣わないとやっぱり面白くない。

ローマ法王の休日(2011年製作の映画)

3.5

アイドルである前に一人の女の子なのよ的な映画。
縦〜斜め、そしてシンメトリーの構図、群衆を捉えた俯瞰ショットがうまいこといってる。
読み上げられる名前が心地良いリズムとなって時間・空間を横断していく法
>>続きを読む

好奇心(1971年製作の映画)

3.0

お話の下品さに映像がついてこれていないように思う。ド頭の募金を募って回るシーンはワクワクさせてくれたけど。あと終わり方も気持ち良かった。あとはホテルで隣の部屋に母親と不倫相手がやってきたのを寝たふりし>>続きを読む

レディ・ガイ(2016年製作の映画)

3.5

ミシェル・ロドリゲスの男装が一定の層に熱狂的な支持を得そう。

シェイクスピアのイラストがポンポンポンと3つ出てきたと思ったら医者連中がシェイクスピアの名前を出し、エドガー・アラン・ポーの名前を出した
>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

2.0

気合の入りまくった渾身の傑作。だけど私はきらい。

チャップリンの有名な「人生はナンタラ」を思い出すような、撮り方がされていると思った。
行方不明となった娘をいかなる手段を使ってでも探し出そうと奮闘す
>>続きを読む

ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

2.5

ご多分に漏れず『泣く女』と間違えて鑑賞。
画面左側の部屋は暖色の、右側は寒色の配色でその間をPTSD気味(誤用かもしれん)なオッサンにウロウロさせるレイアウトとかは美しいなと思わせるのも含めて、なんだ
>>続きを読む

オクトパス(2000年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

太っちょCIAのヨチヨチした走り方が可愛くて私の推しに決定!と思ったらすぐ死んだ。
主人公CIAがキャスパーを初めて殴る場面で、瞳がキラッと光ったから、ヲトコとして覚醒したぜ!ってことなのかなと思った
>>続きを読む

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

3.0

ストップモーションとスローモーションと飛び降り少女のいかにもな淡い色味はダサかったけど、冒頭の乱闘追いかけっこと山頂(?)にあるスケールがデカすぎる墓地は良かった。

ヒート(1995年製作の映画)

4.5

若い頃のヴァル・キルマーってちょっとハーランドに似てない?

エンド・オブ・デイズ(1999年製作の映画)

3.5

車!ヘリ!飛び降りチェイス!
地下鉄で話しかけてきたキモオジに触れたら人形みたいになって割れるのけっこうビビった。クリスマスの飾りも同じように割れるのステキ。

ガブリエル・バーンが突き出された十字架
>>続きを読む

茄子 スーツケースの渡り鳥(2009年製作の映画)

3.5

ぺぺが木に衝突した時に雨がドサっと落ちてくる描写が良い。

茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)

4.0

これは傑作。たった46分の自転車レースで一人の男の人生を見せきる腕力と繊細さ。非常に上品な作品。ゴール手前のデッドヒート。

68キル(2017年製作の映画)

3.0

駐車された車2台を真横から撮ったカットと、兄貴のメコっていう感じの殺し方が好き。

王手(1991年製作の映画)

3.5

もうほとんど覚えてないのだけれど、傑作だったと思う。
赤井英和がボコられるのを遠景で撮ってるのが良かった気がする。

モンキーフィスト/猿拳(1979年製作の映画)

3.5

コミカルな人間の動きにまるでサイレント映画を観ているような愉しさがあった。
本作もバストショットくらいのカンフーアクションが非常に格好いい。今まで気にしてなかったけど、これがカンフー映画のお作法みたい
>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

めちゃめちゃ面白かった。全然知らない映画だったので、個人的にはかなりの掘り出し物。
わかりやすすぎる人物配置の住民投票、自転車に乗る若者とフィットネスバイクに乗る若者の対比、団地のエレベーターに乗って
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

綾野剛、堤真一の域に達していないか。コメディ演技がずっとキュート。
どことなく金の国の桃沢くんに雰囲気が似ている齋藤潤もキャワワ。
この二人のカップリングがたまらない。「カス」と評されたやべきょうすけ
>>続きを読む

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.0

『ブレックファスト・クラブ』みたいな理由で集められたふたりと水泳部ふたりによる『ブレックファスト・クラブ』とは微妙に異なる命題が議論されるワンシチュエーションドラマ。

水のないプールが舞台という空間
>>続きを読む

新・片腕必殺剣(1971年製作の映画)

3.5

めちゃめちゃ面白かったけど、ピント送り会話にちょっとゲンナリ。極稀に編集が性急すぎるアクションシーンも見受けられた。
でも四肢を縛られて吊るされたまま腹を斬られる二刀流の壮絶な最期は見応えがあるし、好
>>続きを読む

続・片腕必殺剣(1969年製作の映画)

3.5

1作目より好き。
宙吊りになって殺された男がくるくる回ると滴り落ちる血も円を描くってのが好き。
大量の屍の上を歩いていく俯瞰ショットをちゃんと挿し込むのも偉い。

片腕必殺剣(1967年製作の映画)

3.5

酒場の乱闘で、人物の動きに合わせてカメラが荒々しく傾くのめちゃめちゃカッコよかった。
あとバストショットくらいのカンフーアクションが非常に格好いい。きっとカメラ位置が巧いのだろう。

空とぶギロチン(1975年製作の映画)

2.5

血滴子が頭をスポンと覆って、そのままポロンと切断する武器なので、生首ゴロンをあまり堪能できないのは残念だった。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

木々を見上げるショット、割った薪を山小屋まで運んでいき薪を積んでから煙草に火を点ける長回し。これはケッサクを撮りにきてますな〜笑と開始5分でイヤな客になってしまったけど、ちゃんと傑作なんだから大したも>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

3.5

まさかホークスを感じられると思わなかった。
夜中移動の倦怠感が良い。その倦怠感を引きずったままなだれ込むドーナツ屋の諍い、からの親友二人の路上の喧嘩。クリスマスの明かりと等しく主人公を照らす救急車のサ
>>続きを読む

ルージュ(1987年製作の映画)

2.0

私が保守的なだけかもしれないけど、カメラ位置とかカットを割るタイミングとかが終始気持ち悪かった。ときめきの瞬間も全然メリハリがない。ときめき捜索隊としては非常に悲しいことです。
ラストカットはダサすぎ
>>続きを読む

スティーブン・キング/死の収穫(1992年製作の映画)

3.5

トラックに撥ねられた婆ァがガラスをバリンと割って建物の中まで飛んでくる勢いの良さが最高。
芝刈り機で突っ込んでくるオッサンの特攻隊感に泣ける。
フロントガラスを突き破って顔面に突き刺さるのは『グリーン
>>続きを読む

五毒拳(1978年製作の映画)

3.5

腰から上だけ切り取った格闘がとても見応えがあって良かった。たぶんカメラの置きどころが良いんだと思う。
アイアンメイデン(万針衣というらしい)や鉄板を背中に押し付けたり、濡らした紙を顔に重ねたり、拷問・
>>続きを読む

まるごし刑事(1993年製作の映画)

2.5

アキラ100%の代表作『丸腰刑事』のヒントが隠されているかもしれないと思い鑑賞。当然の如くそんなことはなかったのだが、しげるが役者としていい顔してて良かった。
ただ、例えばしげると相方がヤクザの事務所
>>続きを読む

ブルースチール(1990年製作の映画)

2.0

スローモーションがダサい。芯のない切り返しが恥ずかしい。

(1997年製作の映画)

4.0

冒頭、白シャツ白パン白スニーカーという一番汚れたくない格好で水死体役の依頼を受けるリー・カンションがもうリー・カンションで笑う。(結局着替えていたが。)

バイクで転倒する前からリー・カンションがちょ
>>続きを読む