こんこんさんの映画レビュー・感想・評価

こんこん

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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.8

観てる間中、アソコがずっとキューって縮こまっていた。特に高所恐怖症ではないつもりだったが、流石にこれは怖い。精神衛生上よろしくないっす。

たーだ!高い所が怖いというのはある種の防衛本能みたいなものだ
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.8

結局の所、出演者も含めて製作者に原作に対するリスペクトや愛があるかどうかが一番大事なんだと思う。

孤狼の血の時も感じたけど、鈴木亮平って憑依型の役者なんだと改めて認識した。声なんか所々神谷明が乗り移
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

これこそ劇場で観るべき映画。
Part1から続く映像美は圧巻。生物を思わせる美しく不気味な道具や乗り物は健在。ホーミーのような腹に響く劇伴も世界観を支える。
ストーリーはさほど独創的なものではないけれ
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.6

なんと言ってもアイナ・ジ・エンドの歌声。これに尽きる。
やや緩慢に感じるストーリーも、時折挟まれる彼女の歌声が流れると締まって見えるのが不思議だ。
岩井監督の紡ぐ映像美にもマッチして、贅沢なPVのよう
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夜を走る(2021年製作の映画)

3.5

閉塞感から混沌へ。何この変な映画!
前半の陰鬱とした男達の日常から、ある事件をきっかけに非日常が生まれ、更には日常と非日常の境界線が曖昧になっていく…。

個人的には前半のクライムサスペンス的な展開が
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彼女はひとり(2018年製作の映画)

4.0

中川監督が大学院の卒業時に制作した作品という事だが、完成度の高さに衝撃を受けた。

よくある青春のもどかしさを描いた物語かと思ったら、謎めいた主人公を中心に、徐々に真実が明らかになっていく不穏な演出が
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(2023年製作の映画)

4.0

首ってそんな簡単に斬れちゃうんだ…。誰も彼もが首チョンパ。
ややコメディタッチな戦国版アウトレイジの趣き。
大まかな史実とキャラクターさえ知っておけば、芸達者な役者が揃っているから安心して楽しめる。
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市子(2023年製作の映画)

3.9

 嫡出推定制度とか戸籍制度とか、所詮人間が便利や社会の安定のために作った制度なのだから、当然欠陥はある。しかしそんな法制度のせいで、まともな人生を送ることが許されないというのならば、あまりに理不尽。>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.5

 チェン・ユーシュンのオリジナル版から男女を入れ替えたことで、主人公のストーカー的な気持ち悪さが少し和らいだ感じがする。

 ただ、話が転がり始めるまでの流れがかったるく、謎の京都推しが若干うざい。京
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

2.5

ジョージ・A・ロメロの未発表作品という事以外にあまり価値を見出す事ができない作品。言いたい事は何となく分かるのだが、内容が圧倒的に面白くない…。

Winny(2023年製作の映画)

3.6

ナイフを開発した人間は、そのナイフを使って殺人を犯した場合、罪に問われるのか?

開発したモノは全然違うが、「オッペンハイマー」とも繋がる部分があると思う。

非常に難しい問題。有罪になると新しい物を
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怪物(2023年製作の映画)

4.5

この作品が怪物そのもの…。

群盲象を触るがごとく、一つの事件を複数の視点から描き、少しずつ真実に近づいていく。いわゆる羅生門パターンなのだけれど、浮かび上がった真実が余りに予想外過ぎて…。

とにか
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.5

男子校だったし、何なら高校の卒業式当日は受験で東京遠征してたから欠席してるし、この映画の登場人物とはなんの共通項もないのだが、それでも青春っていいなあと思わせてくれる。
それぞれの人生の未来に幸あれ!
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

今回もまた、心地良き緩急。緩も急も魅力的。

ジョン・ウーばりのガンアクションから、ジャッキー・チェンと総格系をハイブリッドしたようなガチガチの肉弾戦。かと思えばユルユルの会話劇。
ストーリーは薄くと
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.3

うーむ。怖がらせようとしているシーンがほぼミン役の演技力頼りなので、演出に工夫がなく、途中でだれてしまう。
ストーリーはほぼ無く、終盤まで延々とミンが取り憑かれて奇行に走る様子を見せられる。
何とも期
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.3

森達也監督初の劇映画。彼のドキュメンタリーや著作物は何作か拝見したが、他の人がなかなか取り上げないテーマに自身の感情を乗せて訴えかける作風は素晴らしく、フィクションを撮らせても良い作品が撮れるのではな>>続きを読む

アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)

3.3

作者の意図がよく分からない映画だった。感動ものなのか、コメディなのか、どちらにしても今一歩何か物足りなさを感じる。
主人公のキャラクター造形にもあまり必然性を感じない。
阿部サダヲは好きな俳優だが、今
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.6

私があみ子くらいの頃、発達障害なんて言葉はまださほど一般的に認知されていなかったかと思う。

今思えばそんな子は周りに時々いたような気がするし、「ちょっと風変わりな子」くらいの感覚で接していたような気
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

2.5

何をウダウダやっている…。これが本当にハロウィンシリーズの最終作なら残念至極。こんなのを観たかった訳じゃない。ロッキー5の時のような「コレジャナイ感」が漂う。

マイケルは終盤まで何もしないし、これま
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

3.6

ただただ、パリの下町に生きる人々の暮らしをスケッチした映像が続くのだが、それぞれが魅力的で不思議なくらい観ていられる。中盤から合間合間に登場する古典的なマジシャンも味があって引き込まれる。

個人的な
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ピンク・パンサー4(1978年製作の映画)

2.5

う〜む。3で止めとけば良かったのにという位、ギャグにキレがない。これがピーター・セラーズ主演の最終作となったわけだが、もうこの頃は大分体調が悪かったのだろうか。

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

なるほど…タイトルの意味が最後に分かる。

クズ男にも色々なタイプがあるんだなと思う一方で、そうさせるきっかけを女性が作っちゃってる部分もあるよなあとも思ったり…。

個人的に一番クズ男なのは、風俗嬢
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ピンク・パンサー3(1976年製作の映画)

3.7

最早ミステリー要素は消え失せ、完全にドタバタコメディに振り切ってしまった。でもそこがいい。
ピーター・セラーズのズッコケは更にキレが良くなり、職人芸の域に達している。前半、一室に関係者を集めて尋問する
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暗闇でドッキリ(1964年製作の映画)

3.6

タイトルにピンクパンサーとはつかないけど、実質はこれがシリーズの2作目になるのかな。相変わらずのピーター・セラーズのオトボケ演技がメインで、ストーリーはまあオマケ。
今作はやや野暮ったいギャグも多いが
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彼方に(2023年製作の映画)

3.5

予備知識無しで鑑賞。冒頭の衝撃と救いようのない喪失感。ラストに希望は見えたのだろうか?

ミナリ(2020年製作の映画)

4.0

ドラマの「北の国から」が大好きだった。電気も水道も通っていない土地に都会から移住してきた一家の苦闘にのめり込むように観ていた。

この作品も似たシチュエーションで応援したくなるのだが、自然との闘いとい
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

 ヤン・シュバンクマイエルのストップモーションアニメような、独特の気色悪さとはまた違い、登場人物のセリフやストーリーにユーモアが感じられ、監督独自の世界観を確立している。
これをほぼ一人で7年かけて制
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カランコエの花(2016年製作の映画)

3.4

令和版「教育映画」。生徒達、みんな演技頑張ってる。

生徒の方が教師よりよっぽど大人だなと思った。

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.7

前半の見世物小屋での日々は、ギレルモ・デル・トロらしくダークファンタジーと現実の狭間を行ったり来たりする独特の世界観で楽しめたのだが、そこを飛び出してからはなんだか普通のミステリーに落ち着いてしまった>>続きを読む

ピンクの豹(1963年製作の映画)

3.8

ストーリーそのものより、ピーターセーラーズ扮するクルーゾー警部の真似したくなるほどの見事なズッコケ演技を楽しむ作品。

シリーズ6作(暗闇でドッキリもいれると7作)まで作られるほどの人気作となったが、
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.7

まるで舞台の二人芝居のような会話劇がリアル。
離婚の大変さ(労力も金も)と同時に、後戻りできなくなって分かる結婚生活の幸せさみたいなのも描かれており、似たような境遇の人にとっては相当心に刺さるのではな
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子猫をお願い(2001年製作の映画)

3.8

 今まで観てきた韓国映画らしくないというと失礼かも知れないが、邦画と言われても違和感ないくらい、あまり感情的な表現を前面には押し出さないけれど、それでいてエモさ(今あまり使わなくなったが)を感じさせる>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

 まさにジェットコースタームービーの面目躍如。これぞインディ・ジョーンズ。久々に子供の頃に魔宮の伝説を観て興奮したのを思い出した。
 所々に前作のオマージュ的なシーンが挟み込まれているのも良い。

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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.2

台湾版のゾンビ(というより狂人化するのでロメロのクレイジーズに近い)。
しかしもうこの手の作品は亜流が無数に作られているので、よっぽど独創的なアイデアを絡めて見せてくれないと、既視感だらけの映像になっ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.3

やっぱりMCUの中ではこのシリーズが一番面白い。ストーリーもそうだが、それぞれの個性的なキャラクター同士のやり取りを観ているだけで楽しい。特に今回はロケットの知られざる悲しい過去がフューチャーされてい>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族 (モノクロVer.)(2019年製作の映画)

4.0

イ・ソンギュン追悼の意を込め、白黒バージョン。特にカラー版から印象が変わった所はないが、改めて観直すと序(主人公一家が金持ちに上手く入り込むまで)、破(前の家政婦が現れ、謎の地下室の存在が明らかになる>>続きを読む