被写体との関係性がこんなにフラットなドキュメンタリーはそうそうない。
だから溢れる、命の動き。
それは撮ることを始めた理由、水俣病をもただひとつの動きにしてしまった。
ベルイマンによる愛と結婚に関するアカデミックな記録。
捕まえたり逃がしたりして、人生を溶かしていくしかない。ほんのりとした希望の香りはした。
それにしてもズームがいい味だしてる。ホン・サンスはこれに影>>続きを読む
レンガキャッチ、永遠に観てられる。
個々のギャグのレベルが短編の中でずば抜けている作品な気がする。
「Ars longa, vita brevis.」
何から書けば良いだろう。
ピアノと坂本龍一と光。それらだけを被写体にあらゆる構図の映像がひしめく。
特筆すべきは、ピアノと眼鏡の鏡的役割だ。
その鏡>>続きを読む
「男の目で持って、女を演じてきた」
男性のまなざしによる女性がより美しくあるように、シュミット&ベルタのまなざしによる日本が、奇跡的ともいえる美しさで現実と虚構を行き来する。
そのとき、日本の美は大き>>続きを読む
「後悔するためではなく、自らの「再生」を始めるために」
はじまりはキートンだった。それから分断と触れ合いが、過去と現在が公平に織り重なり、ただただ生を祝福していく。
それにしても、表情のクローズアップ>>続きを読む
4回目のゴダール・チャレンジ。
本を読みすぎて、こんな「イメージの本」を作ってしまうなんて。
ものごとに理由を求める。でも理由なんかない。あるのは無数の偶然だけ。
この映画を評価する理由もない。あるのは無数の偶然から。
あらゆる偶然みたいなものから、この映画を評価したい。
歌と踊りのおもちゃ箱。
「人生は祭だ」のごとく、「映画は祭だ」と言ってしまいたくなる。
このレビューはネタバレを含みます
待ち侘びた公開の日を迎え、映画館に駆け込む。
若い人もちらほら居て、うれしい気持ちになる。
冒頭の薄暗い空を背景に、黒々とした木々たちが過ぎ去っていくショットから、何かが始まる気がした。
美しい自然>>続きを読む
初ホン・サンス。
予想以上に面白かった。掴みどころのない会話劇に、反復と差異。
ハマりました。
緑をバックに、赤と青が映える。
大切な人をしっかりと抱きしめる、そんな映画で、映画にも抱きしめられた気持ち。
ここまで簡素に平和への解決を描けるのか。
そして可愛らしい。
「薔薇は薔薇になろうと望んでいる」
喜劇と悲劇の絵の具を混ぜ合わせ続けた者だけしか達することのできない色がある。
その色がこの映画だ。
この作品群をまとめて観られるのはうれしい。
科学的な発明だけでなく、美しさにもアプローチできるのがすごい。
「早く10歳になりたい」
作為と無作為、
大人らしさと子どもらしさの
境目で生のエネルギーがみなぎる。
めっちゃ愛しい映画。