sssさんの映画レビュー・感想・評価

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阿賀に生きる(1992年製作の映画)

4.9

被写体との関係性がこんなにフラットなドキュメンタリーはそうそうない。
だから溢れる、命の動き。
それは撮ることを始めた理由、水俣病をもただひとつの動きにしてしまった。

ある結婚の風景(1974年製作の映画)

4.8

ベルイマンによる愛と結婚に関するアカデミックな記録。
捕まえたり逃がしたりして、人生を溶かしていくしかない。ほんのりとした希望の香りはした。
それにしてもズームがいい味だしてる。ホン・サンスはこれに影
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チャップリンの給料日(1922年製作の映画)

4.6

レンガキャッチ、永遠に観てられる。
個々のギャグのレベルが短編の中でずば抜けている作品な気がする。

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

4.8

「Ars longa, vita brevis.」
何から書けば良いだろう。
ピアノと坂本龍一と光。それらだけを被写体にあらゆる構図の映像がひしめく。
特筆すべきは、ピアノと眼鏡の鏡的役割だ。
その鏡
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書かれた顔(1995年製作の映画)

5.0

「男の目で持って、女を演じてきた」
男性のまなざしによる女性がより美しくあるように、シュミット&ベルタのまなざしによる日本が、奇跡的ともいえる美しさで現実と虚構を行き来する。
そのとき、日本の美は大き
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Playback(2012年製作の映画)

4.8

「後悔するためではなく、自らの「再生」を始めるために」
はじまりはキートンだった。それから分断と触れ合いが、過去と現在が公平に織り重なり、ただただ生を祝福していく。
それにしても、表情のクローズアップ
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イメージの本(2018年製作の映画)

4.2

4回目のゴダール・チャレンジ。
本を読みすぎて、こんな「イメージの本」を作ってしまうなんて。

次の朝は他人(2011年製作の映画)

4.8

ものごとに理由を求める。でも理由なんかない。あるのは無数の偶然だけ。
この映画を評価する理由もない。あるのは無数の偶然から。
あらゆる偶然みたいなものから、この映画を評価したい。

ザッツ・エンタテインメント(1974年製作の映画)

4.4

歌と踊りのおもちゃ箱。
「人生は祭だ」のごとく、「映画は祭だ」と言ってしまいたくなる。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

待ち侘びた公開の日を迎え、映画館に駆け込む。
若い人もちらほら居て、うれしい気持ちになる。

冒頭の薄暗い空を背景に、黒々とした木々たちが過ぎ去っていくショットから、何かが始まる気がした。
美しい自然
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教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

4.7

初ホン・サンス。
予想以上に面白かった。掴みどころのない会話劇に、反復と差異。
ハマりました。

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.9

緑をバックに、赤と青が映える。
大切な人をしっかりと抱きしめる、そんな映画で、映画にも抱きしめられた気持ち。

バンド・ワゴン(1953年製作の映画)

4.8

音楽のボリュームが高まり、
ダンスが映画を支配する。
言葉はいらない。

Two Solutions for One Problem(英題)(1975年製作の映画)

4.6

ここまで簡素に平和への解決を描けるのか。
そして可愛らしい。

ライムライト(1952年製作の映画)

4.9

「薔薇は薔薇になろうと望んでいる」
喜劇と悲劇の絵の具を混ぜ合わせ続けた者だけしか達することのできない色がある。
その色がこの映画だ。

リュミエール!(2016年製作の映画)

4.6

この作品群をまとめて観られるのはうれしい。
科学的な発明だけでなく、美しさにもアプローチできるのがすごい。

宝島(2018年製作の映画)

4.6

「早く10歳になりたい」
作為と無作為、
大人らしさと子どもらしさの
境目で生のエネルギーがみなぎる。
めっちゃ愛しい映画。