背骨さんの映画レビュー・感想・評価

背骨

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からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.8

西方と高木さんの物語を今泉流に結実させる見事な大団円。「恋愛映画の旗手」と呼ばれ、一部では拗らせた恋愛を描く監督とも言われた今泉力哉がこのような結末を描くのかと興味深い

とはいえ、中盤二人が生徒との
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サユリ(2024年製作の映画)

3.4

試写。押切蓮介原作・白石晃士監督による中古住宅に越してきた家族が次々と陰惨なタヒを遂げていくホラー

サユリによる惨憺たる事件現場から一気にババアが超絶無双する白石晃士劇場へと転調していく後半はファン
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スリープ(2022年製作の映画)

3.4

試写。これは怖い。深夜に異常行動をとるようになる夫。やがてその症状は悪化していき、妻は病んでいく…

穏やかな日常が壊されていく恐怖。やがて明らかにされる真相にはただ普通に生活しているだけなのに恐ろし
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ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024年製作の映画)

3.0

微妙。ジャンポケのクラシック年の激闘を中心に描いているが、絶賛ばかりの世評が嘘のようにノレなかった

ライバルとの戦いや自分との戦いも悪く言えば凡庸だし、唐突なラストライブにもキョトン。アニメを見てい
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バッドボーイズ2バッド(2003年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃマイケル・ベイ。前回より予算がマシマシになったのがモロバレなド派手な銃撃戦&爆破&カーアクション。悪ノリギャグやカメラワークもノリノリで最後まで景気のいいアクションが見たければコレしかない>>続きを読む

アンダー・ユア・ベッド(2023年製作の映画)

2.7

高良健吾主演の傑作『アンダー・ユア・ベッド』の韓国版リメイク。ハッキリ言って改悪と蛇足ばかりが目立つ駄作

特にオリジナルの美点だった女性側からの視点の切り替えをそんな風にしてしまってはダメだろ。リメ
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バッドボーイズ RIDE OR DIE(2024年製作の映画)

3.8

映画.com試写会。笑えてアツくて超ド派手。今度のバッドボーイズは元上官の嫌疑を晴らすための戦い

信じられるのは極少数の仲間だけの中でより生涯の悪友を感じさせつつ、それでもバカを忘れないのがうれしい
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.6

試写。テニス映画の皮を被った正三角関係恋愛映画。ルカ・グァダニーノ流クィア映画的味付けもあり、二人を翻弄するような翻弄されるような不安定なゼンデイヤは今まで見た中では一番よかった
音楽やカメラも前面に
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.2

ハッキリ言って今年最強の面白さ。大きく膨らんだ期待を軽々と超えてきた『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション後章』

前章の謎解きと怒涛の伏線回収でストーリー展開しながら、その奥にあるのは、も
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.8

2時間半ほぼアクションだけで描く欲望と復讐の物語。それはフュリオサの前日譚でありながら人類の歴史そのものでもある。
アニャフュリオサは究極にカッコよく神々しいの極み。彼女の代表作になるのは間違いないで
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HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

4.0

環境破壊に人生を狂わされた活動家たちによる石油パイプライン爆破計画。彼らは革命家かテロリストか…

ノンフィクション書籍を原作とした社会派クライムサスペンス
彼らの「誰も傷付けず、環境を汚染することな
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家出レスラー(2024年製作の映画)

3.6

良い!なんや知らんけど泣かされた。夢も希望もない引き篭もり少女が女子プロレス団体のアイコンになるまでの物語

映画として出来が良いとかではないんだけど、少しづつ人生で大切なものを手にしていく主人公にア
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.1

校内で起きた盗難事件をキッカケに広まっていく疑心暗鬼、不協和音、悪意の連鎖…
学校という名の社会の縮図を描いたストレスフルなリアリスティックスリラー

誰も敵に見えてくるドラマと対比的なキレ味鋭いラス
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ドライブアウェイ・ドールズ(2023年製作の映画)

3.2

ナンダコリャ笑。イーサン・コーエン単独監督作品は、お下劣ガールズロードムービー
カンヌやアカデミー賞で名を轟かせた彼の作品としてハードル上げて観て下さい。きっと骨折するほどズッコケます!

トラペジウム(2024年製作の映画)

3.6

一部の前評判からどんな暗黒アイドル物語を見せられるのかと思いきや、王道で上質な成長譚だった
前半の主人公の行動だけを切り取って悪評を広めるなんて事をするより、最後のセリフにこそ注目すべき。あれは「挑戦
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殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)

3.6

連続殺人鬼と捜査官の対決を描いたサイコミステリー
取り調べシーンと犯行シーンが交互に描かれる構成で、ツイストの効いたストーリーと共に飽きさせない
実際の連続殺人鬼たちをモデルにしているらしい人物造形や
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

4.0

恋という不可思議で無限の力を秘めた感情を概念的に可視化する事に成功した超絶怪作

『アズミハルコ〜』以来の松居大悟の才気を肌で感じられて大満足
好きすぎて、ピュアすぎて機能不全を起こしてしまう見上愛は
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.4

同じ顔をした二人の男に恋をした女の物語
「人は何に恋をし、それは愛に変わるのか… 」誰にでもある不可思議な感情を圧倒的強度と綺麗事抜きの心理描写で描いた恋愛心層ホラー

濱口竜介は麦と朝子だけをホラー
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バジーノイズ(2023年製作の映画)

3.6

音楽映画ではあるけど、嫉妬やエゴ、独占欲などバンドあるあるな負の感情や関係も描かれていて、友情のドラマとしても見応えアリ

二人を繋ぐ気持ちが恋愛というより、「この世界を生き抜くために励まし合う同志」
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リバウンド(2023年製作の映画)

4.2

まるでリアルスラムダンクな韓国高校バスケで起きた奇跡。
最強山王工業戦を思わせる決勝戦は止めどなく涙が溢れてしかたなかった。
寄せ集めアウトローたちが見せた崖っぷちの青春とそして人生は続くなミラクルな
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.8

今年初泣き。
自分の人生を変えてくれた人との再会の旅を描いた藤井道人監督作品。
映画の中の旅のゴールはすぐにわかるのだけど、人生という旅はどこに辿り着くかより誰かと過ごした時間の中にある事を教えてくれ
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告白 コンフェッション(2024年製作の映画)

3.4

過去の殺人を告白してしまった男と聞いてしまった男。山小屋の中で繰り広げられる狂気の密室劇

限られたスペースでギミックと演出を駆使しながら見せる魅せる。設定オチにならない工夫が凝らされた一作。ホルモン
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正義の行方(2024年製作の映画)

4.0

最期まで無実を訴えながらも刑確定から僅か二年で死刑執行された「飯塚事件」を追ったドキュメンタリー

こういう言い方は不謹慎かもしれないが、其々の正義と真実が交錯し合う後半の面白さは抜群で、真実を自らの
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辰巳(2023年製作の映画)

4.1

噂通り凄えぇ!
裏社会でしか生きられない奴らの金と命の奪い合いを描いた作品だが、こんなにもリアルで生々しくヒリヒリする映画、なかなか出会えない
役者が良い、セリフが良い、ロケーションが良い… 魂はディ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

肩に力が入っていないように見える中にも張り詰めた空気を漂わせ、観る者の心をザワつかせるザ・濱口監督な作品。傑作などという評価は的外れな気もするし、なんなら今さら失礼なんじゃないかとすら思ってしまうほど>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.6

小難しい事抜きにハッピーな気分を味わいたいならこの映画。
訳あって相性最悪な二人がそれぞれの思惑のために付き合ってるフリをするラブコメだが… その展開はまさに王道。G・パウエル、トップガンの時以上に飛
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.4

日本の戦隊モノへの愛がハンパないSFスプラッターバトル
かぶりもの連中より主人公の女の子のキャラが良すぎ。てか、この子逸材やろ。正直好みのタイプの映画じゃないけど、彼女のおかげで最後まで観られた感じ。
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毒娘(2024年製作の映画)

3.8

これは面白い。
血塗れホラーなルックでありながら、家族という関係に潜む闇を破壊しにくる映画であり、アイデンティティを取り戻す映画でもある
ちーちゃんはホラーアイコンでありダークヒーロー。まずは見てほし
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

ラスト一発で全てを物語ってしまう演出が見事すぎる。あれが見られただけで満足
あり得たかもしれないもうひとつの未来に想いを馳せながらも自らの選択に後悔はしない二人… というところだけは『ラ・ラ・ランド』
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.4

モラル崩壊スリラー。その島はクローンが身代わりに罰を受ける島… 金さえあれば犯罪のスパイラルは止まらない
罰を受けているのは肉体か精神か。自分とは何者なのか…
ミア・ゴス最狂。間違いなく主役は彼女でし
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.6

神様にお願いしたから友だちが出来たと思っていたのに、その神様に裏切られてしまった…
無垢な少年の目に映る信仰の世界と残酷な現世の理不尽な関係。これはまるで子供版『沈黙サイレンス』であり『シークレット・
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

『君の名は。』から遠回りしながら辿り着いたド直球なポスト震災映画。
エンタメとして描くという事への非難から逃げてない作品で、絶対に風化させない、明るい未来を届けたいという想いも感じる。
災害三部作の中
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蛇の道(1998年製作の映画)

4.2

スナッフビデオのために娘を惨殺された男の復讐劇。
不穏さと狂気に満ちた廃墟と乾いた銃声が黒沢清的ニヒリズムに溢れていて、久々に観たが「オレの好きな黒沢清とはコレ」を凝縮したような作品だった。
セルフリ
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ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

3.8

面白かったー!
また韓流お得意の記憶喪失モノかよーなどと思わせつつも、チョン・ソミンの振り幅大きいツンデレが抜群のキレ味とキュートさで永遠に見ていられるし、工夫次第でここまで面白く出来るの好例。
ほぼ
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異人たち(2023年製作の映画)

3.6

見事な新解釈リメイク。
異人たちを外界のものとして描いた大林宣彦版以上に東洋的で、『私達はみな異人である』というタイトル通り、その内も外もなく全てが等価となった世界は誰もが孤独でありながら、同時に一人
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マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.2

自分の中に眠る怪物性に気づいてしまった男の偏愛劇。
スロウリーな展開と意外性のないストーリーに大傑作『マジカルガール』を期待すると肩透かしを食らうが、許されざる者たちのラブロマンスとして見ると面白いか
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