このレビューはネタバレを含みます
「哀れなる"もの"たち」とあえてひらがなにしたのは名訳だと思った。フォントも大好き。
これを男性が言っていても説得力に欠けるかもしれないけど、終始根底に「自分のことを自分で決められないのはおかしくな>>続きを読む
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作中の現実と虚構が入り組んだ構造ですぐに引き込まれていった。パーフェクトブルーの記憶が若干蘇るが、そっち方面にはいかないような雰囲気で少し安堵した。カットの切り替えがやっぱり気持ちよくて、散りばめられ>>続きを読む
オムニバス形式で進んでいくお話が、ある一点をもって繋がる瞬間が(事象として)気持ちいい原作だったのだけど、尺の都合上削らなくてはいけない視点があってもなお、そのカタルシスを損いすぎないように作り上げら>>続きを読む
ストップモーションって、ただ1コマずつ細かく動かすだけのことだと思っていたけど、対象物を動かす過程すら画におさめることや、その過程で生じる実際の音と質感も捉えるというのが衝撃的だった。なんなんだこれは>>続きを読む
気になってはいたが見てなかった系。あらすじ等も一切見ずに映画館に向かったら、人生最大レベルの恐怖体験をすることになった。
自分が生まれた頃にできた作品というのは一応知っていたので、当時の作画・背景の>>続きを読む
5年ぶりに観た。劇場で観たのは4回目。
久々に観たのもあって、序盤に散りばめられた伏線だけで記憶の中のラストシーンを頭の中に作り上げてしまい、5分と経たないうちに顔がグシャグシャになっていた。
5年>>続きを読む
このまま何もできないまま死んでいくのかな。死ぬことだけは決まっていて逃れることができない。何かを成さないといけないわけではない。あるかわからない期待に応えなくてはいけないわけではない。どう生きてもいい>>続きを読む
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初見時は「何を見せられているのか」とひたすら困惑した。一度通した後の2度目は、狂気的な愛を拾うことができて、ときにゾッとするような描写に感動した。
何回観ても「面白い」と思える映画。会話中心、かつ画をあまり動かさないスタイルにどハマりした。完全に自然な状態ということがありえないように、日常の芝居性を暴こうとしているように感じる映画。
部落出身であることを理由に結婚を断られたりした当事者たちの言葉の生々しさもさることながら、関西のとある武士の家系に生まれた女性の言葉が印象的だった。自分や子どもが部落出身者と結婚することになったら、間>>続きを読む
映画という媒体でしか表現し得ないことを形にしている映画を観ると、小説でしかできないこと、漫画にしかできないことを探求せざるを得なくなる。
多くを語ることはない。製作者と鑑賞者の間でいかに言外のコミュニ>>続きを読む
明らかに「無意識の領域」から持ってきている作品だなと思う。真に芸術だと呼べるものだと思う。
数年前に祖母を亡くしたが、次は私だという死の足音は、私の母親に聞こえたのだろうか。そして、もし父か母のどちらかが亡くなったら、わたしにもそれは聞こえるのだろうか。
そういうわけではないのだろうが、ポリアモリー的な視点を交えて見ると、たとえパートナーに浮気(世間からしたらそう見えるような行為)をされたところで、動じることはないと思う。他人に興味がないとかそういうこ>>続きを読む
「こんなに僕を好きになれるのが羨ましかった」(うろ覚え)という台詞。自分が相手を想う気持ちと、相手が自分を想う気持ちが全く同じということは本来ありえず、みんながみんな「自分と同じように相手も好きである>>続きを読む
10年経った後に観ても変わらずに刺さることは問題だ。この作品がいつか色褪せてしまうことは喜ばしいことだ。一方で、そのステージから外れることも提示しており、それこそが「上映のみ」の空族の魅力だと思う。
途中で劇伴がないことに気がついた。耳の聞こえない相手に対して、ゆっくりと話す演技が滑稽だった。皮肉っているのかなと思った。
シスヘテロ男性だし、そんなに弱肉強食の世界に飛び込んだ経験も、一人の人間として見られなかった経験もないので、その深い絶望感というものはわかりえない。想像しろといっても想像できるようなものではない。
し>>続きを読む
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人と関わること。内面を見ようとしない。彼女の眼差しが欲しかった。彼女の身につけた、彼女の持っているものしか見えていなかった。私を大事にしてくれてるから好意を持っているということは、私が彼女を見ていない>>続きを読む
ユングの思想をもっと深く掘っていったらエヴエヴをもっと楽しめると思う。超絶面白かった。ジョブ・トゥパキはおそらく原型であり、あのベーグルは海外版ビジュアルでもある曼荼羅のもう一つの面。全てがつながるよ>>続きを読む
人を殺せる覚悟はない。彼女は踏み出した。俺は踏み出さなかった。
俳優のパンツの丈感がよかった。
物語は重要ではない。
自分の内なる声に従う。
俳優が安心できる環境を作り、それをデジタルカメラで記録する。
ぎこちなさと熱量のギャップ。
ぎこちない演技。
演技と演技でない状態の狭間。
役者の顔を表出>>続きを読む