ビリーさんの映画レビュー・感想・評価

ビリー

ビリー

パワー・オブ・ワン(1992年製作の映画)

4.0

こんな映画を知らなかったなんて不覚。展開は荒いけれどアパルトヘイトという重たい人種問題、その根底にあるイギリス人に対するアフリカーナという白人同士の差別も扱っており、社会派映画としても観応えは十分だっ>>続きを読む

共喰い(2013年製作の映画)

3.8

芥川賞作品なのでいつかは観たいと思っていたが、原作も読まないままやっと鑑賞。
多分原作はもっとえぐい感じなのではないかと想像するが、思ったほど醜悪さはなかった。
文学作品は内面的な描写が難しのだろうな
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

3.8

ディカプリオの悪役ぶりが秀逸!
タランティーノ作品らしく最後はかなりのドンパチ。だれが監督だったかすぐにわかる。

J・エドガー(2011年製作の映画)

3.5

アメリカではフーヴァー寄りだと言う事で評価が低かったような気がするが、確かに、史実での執拗な権力保持にまつわる諜報活動が、弱い男フーヴァーの保身ための必然のような描き方になっていて、そんなにナイーブで>>続きを読む

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.2

偏見と自我の塊のようなロン。
自身がHIVに感染し、徐々に同じく余命宣告を受けて苦しむ人々と気持ちが一体化し、やがて偏見は無くなり、むしろマイノリティや効果の薄い新薬に苦しむ患者に私財をなげうっても加
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.2

面白かった!このシリーズは外れなしだなと思う。
それだけトム・クルーズ始めスタッフの面々は力入れてるんだろうな。
しかし、続編に繋がるとは壮大な。
次回作は初期の頃のようなコンピューター(今回はAIか
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ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

3.8

主人公が高齢だからなのか、淡々と静かに物語が進んでいく。
倒れた兄に会いに行く。ただそれだけのストーリー。
旅の挫折を何度となく味わっても、自分の力で行くことに固執する。
そこにはどんな思いがあるの
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

4.3

ストーリー自体は犬神家のオマージュっぽく、ハラハラ・ドキドキするも推理小説よろしく、先の読める展開とテンポの良さで、まぁ普通の映画かなと。
しかし、やはりここは田村作品。
巧みな言葉選びとウンチクが炸
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

スピルバーグが人種問題に重きを置く理由が分かりました。
感受性豊かで、周囲に恵まれ順風満帆に過ごした少年時代。
対象的に差別の的にされ不遇な時期を過ごす青年期。このコントラストが内面に与えたもの、そし
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.2

エルヴィスの時代背景や思想、取巻きの金銭感覚と商品と化したエルヴィスへの常軌を逸した人権感覚の崩壊。知らなかったことだらけ。
それだけでも驚きだったけれど、エルヴィスの音楽に対する情熱や時代に抗ってで
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.2

これはなかなか素敵な映画ですね。
ロバート・デ・ニーロだし、まぁいつでも観れるか、などと思いつつ今頃観ましたが(笑)
今の時代にはそぐわないことも多い内容ですが、ロバート・デ・ニーロ演じるベンの繊細な
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.5

なぜこの映画を観たいリストに入れたのか?
多分賞を取っていたり、ストーリーや設定を文章で書かれたら、そそられるものがあったのかも知れない。
しかし、分かりにくい…後から思えば様々な事を皮肉ったり揶揄し
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SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)

4.0

懐かしい曲が満載。バブルの絶頂期だったか。
バブルでなくても幼馴染とのバカをやって楽しく過ごした日々はきっと誰しもあるのでは。
大人になるとそれぞれの生き方が待っている。成功する者、そうでない者、幸せ
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

なんの映画だったか…サイレントからトーキーに変わる頃の映画があったような…
その時代は分からないけれど、当時の映画業界では悲喜交交だったのがよく分かる。
映画と時代、映画史の1ページは人類の進歩の歴史
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.9

凄まじい映画。ビジュアル的に食わず嫌いだったが、主人公は、グロテスクな外見とは違ってインテリで本当は物静かな男。
死に直面しては読んでいた「白鯨」についてのエッセイ。死にそうなら救急車だというのに、な
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

終始何となく不穏な空気が流れる。父親と娘は互いに愛し合っているが、やはり気まずい空気感になることだってある。それは、思春期を迎えた子供と深い闇を隠し持っている父親だからなおさら。
しかし、親子の絆は
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

なんちゅう映画だ!ハチャメチャ過ぎて意味が分からん。最後までよく分からん。
でも、テンポの良さと繰り返すアクションの中で徐々に設定が理解出来るようになっている。
そして、ハチャメチャSFカンフー映画な
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.6

「野火」を観たので塚本晋也監督の原点とも言える「鉄男」を鑑賞。
当時は観たかったがなんだか怖いなという印象で後回しにしたままだった。
内容は観ても良くわからないまま、どうなっちゃうんだ!?という好奇心
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.0

最初から最後までなんだか凄い映画だ。
冒頭のシーンでは、異様なノリのコミカルさにこのノリはついていけんなと思い、何故これを観たかったのかレビューを改めて確認したくらいだったが、戦争に突入して様子は一変
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傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

3.9

今どきのアニメはこんなにもオシャレに凝った作りが出来るのか⁉

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.8

純粋な愛に生きたかったのか、満たされない思いと、最高のパフォーマンスを引き出さねばというプレッシャーからドラッグにハマる地獄。
弱い人間の魅力というか…逃げているのか、立ち向かおうとしているのか、頼れ
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野火(2014年製作の映画)

4.0

日本の戦争映画は精神的束縛を描いているものが多い。これは一億円玉砕の思想によるところなのだと思うが、この野火はまさにそうした地獄を見事に表している。
病気で居場所をなくした戦士が彷徨い、どこに行っても
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

4.3

食わず嫌いだったけれど、観て良かった。
レディー・ガガがこんなにも愛らしく、恋人に夢中な女性を演じているのが、より一層物語を引き立たせてくれている。
アリーよりもジャックの心境や人生に焦点が置かれた本
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二十日鼠と人間(1992年製作の映画)

4.2

スタインベック…人間の世の中には不条理が必ずある。人としてやってはいけない、許されないこと。しかし起こるべくして起こってしまった悲劇。
誰も悪くないのか、勧善懲悪も美徳も無く、ただただ必
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ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

4.0

とっても素敵な映画。
戦争の悲惨さとその残り香。彼らにはまだ戦争は終わっていない。ある一人の女性の帰りを待つまでは…。
本と感性、豚肉にポテトパイとジン。そこから生まれる人と人の繋がり。人生を豊かにす
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砂の器(1974年製作の映画)

4.7

平穏な生活を手にした瞬間、それを手放し逃げてしまう。なぜ?と思われるかも知れないが、人は極度のストレスや緊張状態が続くと、急にそれが解消されても不安や強迫観念が抜けず、その安全さえも居心地が悪くなり逃>>続きを読む

日日是好日(2018年製作の映画)

4.2

静かな映画。
お茶の侘(不足の中に充足を見出だそうとする意識)と寂(静けさや寂しさの中に見出だす美)が典子の人生と武田のおばさんとの「お茶」を通じて見事に表現されている。
何でもない日常や生活の中にあ
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イビルアイ(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

試写会鑑賞!
いや~怖かった。ホラー?スリラー?
古臭いストーリーだったけど、それがまた怖さを引き立てていた。
あのお母さんはずっと若かったけど…そういうことか。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

やっぱりナチスなのね。とはいえ少し趣向は違い、現代でもはびこる亡霊とでも言うかイデオロギーの残骸なのか? しかし、あっけらかんと勧善懲悪として表現してしまうところがインディー・ジョーンズの良さ。
最後
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UDON(2006年製作の映画)

4.0

うどん好きなのでかなり贔屓目(笑)
うどんブームにまつわる話も実際の話をかなり再現しているし、内容的にもそれなりに楽しめたかな。
なにより、これ観てるとほんとにうどん食べたくなる(笑)

アダム:ゲイタから来た少年(2014年製作の映画)

4.0

アルビノがこれほどまでに差別されている社会があるとは知りませんでした。しかも、無知による原始的な迷信のせいで手足を奪われ、果ては命を奪われる。それも親に首謀され売られる子たちまで…
ここで紹介されたア
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