このレビューはネタバレを含みます
学校を終え帰路に着いた少女をカメラが追従する冒頭部、少女が投げたボールの動きに呼応してカメラも上にパンする。その後、カメラはボールの動きを追わず、少女の目線の遥か上にある指名手配の張り紙を捉え、ズーム>>続きを読む
『ラーメン発見伝』って漫画のとあるエピソードで、登場人物のハゲが「客はラーメンではなく情報を食ってる」みたいな意の台詞を言うシーンがあるんだけど、この映画もそんな感じだった。言葉ではなく権威や経歴をあ>>続きを読む
無敵の2人組の悪行をアヴァンで描いてから、その2人組に巻き込まれる人々が車両に集結するまでに、その人物たちの人となりや関係性がひと通り説明し尽くしててすげー丁寧な映画だなと思った。映画的なトラブルが発>>続きを読む
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↓好きなシーンだけ
妹を家から追い出すシークエンス、火を炊いたドラム缶を蹴り飛ばして周りの草木が燃え盛ったタイミングで馬が脱走して庭を逃げ回ってるのがさすがに意味不明な絵面すぎて笑う。
家に訪ねてきた>>続きを読む
エドワード・ヤンのオタクであることが隠しきれてない。ビルの屋上に佇む人物がふと用事を思い出したかのようなノリで宙に身を投げる一連のシークエンスには、後の『回路』に繋がる要素を感じた。
車に乗った2人がなんてことない雑談を交わしながら、車窓から見える風景を垂れ流し続けるシークエンスで急に映画がキアロスタミ然とし始めるのがすごい。後半の会話劇はベルイマン的な緊張が走るも、どこまでが演技>>続きを読む
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主人公が追い詰められていく過程で、自棄に陥り周囲の人間に対して攻撃的な振る舞いを取ってしまう場面がいくつかあったが、ファニーが殺されたことに対する言及を相手側の家族に一切しなかったこと、クララを非難す>>続きを読む
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哀川翔とダンカンが公園のベンチに腰を掛けながら談笑する場面、ダンカンが空き缶をゴミ箱に向かい投擲するも、中には入らず虚しく地面にぶつかる音が響くショットが2回ある。また、気分転換に社員たちで釣りへと赴>>続きを読む
2年ぶり鑑賞。えげつないくらいアドレナリンが噴き出る劇薬映画。アダム・サンドラーの役柄が似てるせいで『パンチドランク・ラブ』とダブる。
濱口竜介監督のお気に入り映画に選出されてたから見た。やたらと陰毛が映される。展開がスローで、岩井俊二の『ヴァンパイア』を思い出したりしたけど、結局のところどういう映画なのかは掴めませんでした。
この映画の『裏窓』の部分を煮詰めたのが『ミッドナイトクロス』あるいは『ボディ・ダブル』ってワケ。
兄貴が部屋を暴れ回るシーンでいきなりストップモーション感が全開になるのがシュールすぎる
ラスト付近の長回し、トラックがフレームアウトするタイミングが完璧すぎて気持ちいい。
冒頭、家族で集合した画角を捉えたカメラのシャッターが切られた後にフィルムが反転されて現像される明らかな『長屋紳士録』リスペクト演出がオタクみたいでいい。ストーリーは節子三部作あたりの緩やかな家庭の解散>>続きを読む
EUREKA→サッド ヴァケイション→Helplessと変な順番で見てしまったけど、北九州三部作の中では本作が一番好きだった。この毛量の浅野忠信が本当にかっこいい。ゆみちゃんの存在が大きいけど、北野武>>続きを読む
村田沙耶香のコンビニ人間を読んだときと同じ感覚だなあ。客観性を獲得できないせいで周りとの齟齬に無自覚的なのが見ていて本当に苦しい。
『おばけなんてないさ』を歌いながら強めの足取りで廊下を歩くあみこの足>>続きを読む
マーカスくんと母親が抱き合うフルショットの次のショットのアングルが、まるで監視カメラで撮影したみたいに不自然な高さと位置になってて、こういうさりげなさがすげえ粋な演出だなあとなった。ジャンルが全く違う>>続きを読む
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第1話、女も男も全員キモいし、会話もずっとキモい。が、喫茶店での三者電撃邂逅からのホン・サンスばりの急旋回ズーム、その後の展開がめちゃくちゃいい。
第2話、教授が女生徒に自身が執筆した小説のテクスト>>続きを読む
結婚式を挙げる/挙げないの気まずい禅問答がどことなく今泉力哉っぽいなあと思っていたら、脚本とは全く関係のない「美術予備校生徒役」のクレジットに今泉力哉の名前があってガチでおったまげ。本当にどういうこと>>続きを読む
マジで意味わかんなかったけどこの時期の染谷将太の色気は神がかったものがあると思います。ショットの陰影がバキバキかつ不穏すぎて濱口竜介というよりは黒沢清の映画を見ている感覚。
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間宮運送の門の前で押し問答を繰り広げる部外者/内部の人間の双方の境界線を綯い交ぜにするかの如く、シャボン玉が上方で弾けて両者を水の粒が覆うラストカットが、寄る辺のない人間に社会との接点を提供する間宮運>>続きを読む
『アイズ・ワイド・シャット』『ザ・ハント』に連なる金持ちの裏側スリラー。実存主義的な側面をもっと掘り下げてほしかったと思ってしまったのは、そのくらい設定が面白かったってことなんだろうな。
ドニ・ラヴァンがボウイの『Modern Love』をバックに左から右へと疾走する場面で軽率にテンションがブチ上がってしまったのだが、俺はどうも映画の中で流れるボウイの楽曲に甘すぎるみたい。
変な場所でドカ笑いをかますおじさんがいて映画館の中で1人ストレスを抱えていた。Rが高校へ向かって駆け出して刑務官もあとに続くシーンがフォレスト・ガンプみたいだった。
オダギリジョー以外の登場人物ほぼ全員にノンデリのきらいがあってイライラがすごかったけど、特に「すいません、酔ってます」を免罪符に好き放題言いまくる二階堂ふみをぶん殴りたくなった。
Based on T>>続きを読む
PTAの『ハードエイト』はこれが元ネタ?
ギャンブルによる熱狂と、それが冷めた瞬間の喪失的な悲しみのどちらもが克明に再現されてて、基本的には冷ややかなトーンで登場人物を眺める作りの映画なのに、没入感が>>続きを読む
影だけで人物の存在を示したり、同じ空間に居合わせながらも一方の姿を捉えなかったりと、人物の実存をぼかしたショットが多く、そのどれもがホラー然とした緊張感を放っていて、とにかくどん詰まり感がえげつない。>>続きを読む