【映画感想】『シティーハンター』はようやく爆誕した日本製ヒーロー映画
Netflixで話題になっている本作は、なんと週間グローバルTOP10(非英語映画)でも初登場1位を獲得したらしい。その背景には>>続きを読む
『悪は存在しない』の「悪は存在しない」を考えてみた。
さすが濱口竜介監督だなあ、という言葉に尽きる。映画全体が、美しく静かな背景と、脆く緊張感のある前景(≒人間たち)で構成されていて、どのカットにも>>続きを読む
あまりに美しい傑作。正直途中まではSFアクションというこの種のジャンル映画では史上最高なんじゃないかとまで思っていたほど。まさに映像がもつ絶対的なオーラ。この映画には崇拝し信仰したくなるほどの”映像美>>続きを読む
ビクトル・エリセという眠れる獅子がごとき伝説の存在が、31年ぶりに手がけた長編。個人的には好きな“苦しい”映画だったけれど、たしかに過去の作品に活写された静かな雄叫びには及ばず、拡声された囁きのような>>続きを読む
カンヌ国際映画祭にて最高賞パルム・ドールを獲得した本作は、サスペンス(ミステリー)の様式を借りて、家族、夫婦、あるいはあらゆる人間関係における”真実”と”事実”の断絶を描ききる傑作でした。「カンヌ好き>>続きを読む
ヤクザと中学生がカラオケで歌う。十中八九”出オチ”とも思われるこの設定が何重にも反響して、最後には見事な感動が押し寄せるから、あら不思議。細かい部分でくすくすと笑わせるコミカルな作風と、思春期の微妙な>>続きを読む
大人気漫画『ゴールデンカムイ』の実写映画化。原作未読でも結構楽しめる作品でしたが、おそらくプロローグくらいの内容なので若干の物足りなさはあり…。ただ、とにかくクマが強い!豪華な映像に「実写化への気迫」>>続きを読む
なんかすごく申し訳ないんだけど、ロシアのスパイ世界を映画化するのに、どうしてみんな英語で話すんだろうって思った。
英語で「ロシアによる世界支配」を語られても、あまりに説得力がないというか...。それ>>続きを読む
ジェームズ・キャメロンの真骨頂とも言うべき「海」だ。
美しい波が幾重にもたゆたう、縹渺たる大海原。
劇中のセリフ。
「どうして、我々(ナヴィ)は青いんだ?」
その意味が、映像として痛感される作品だった>>続きを読む
「怪物だーれだ」
もう、まずもってこのキャッチコピーがすごい。
怪しくも子供らしく、
おどろおどろしくもいとけない。
この作品に通底している二面性(あるいは多面性)の象徴のようだ。
僕がこの作品で>>続きを読む
あまりに残酷な「祈り」の姿。
この映画、最も特筆すべきは、
「たった一つのあまりに狭い舞台で展開される会話劇」
であることに違いない。
恐ろしいことに、2時間近い作品で、アパートの一室以外の描写が>>続きを読む
「フック船長」の物語
この作品、なんと言っても、
そしてどう考えても、主人公はフック船長である。
(だからこそ、タイトルの目眩しが効いている)
まず第一に、ジュード・ローだけ圧倒的に演技がうますぎ>>続きを読む
なぜだろう。
「どらえもん」や「しんちゃん」は観に行くけれど、
「コナン」や「ワンピース」を観に行く気にはならない。
久しぶりに哲学を持った「ドラえもん映画」だった。
一人でいる恐怖、友情とはなにか>>続きを読む
え?え...?
あまりにも酷いので、
いつの間にかウタワールドに誘われたのかと錯覚しました。
こういう作品を見ると、
いかに新海誠が抑制的で、
RADWIMPSにこだわりがあり、
東宝に最低限の嗅覚>>続きを読む
これって本当に難しい問題だと思うのです。
とてつもない映画であることは間違いがないし、3DCGをこれほどまでに武器にできた映画はきっと今までなかったのではないか。
それほど革新的な作品だったように思う>>続きを読む
祝!アカデミー歌曲賞!
旧来のボリウッドで神話的に受け継がれてきた「ダンスシーン」。
踊りによって物語ることを責務とすら感じているように思われた作品群は、インド特有の“熱さ”を帯びていた。
しかし>>続きを読む
【ドキュメンタリーをこえて】
素晴らしい傑作でした。
ほとんどドキュメンタリーのようなテイストとテーマの本作は、しかし同時に徹底的に劇映画としてのスタイルを守り、その演出でのみ可能となるような普遍性や>>続きを読む
どうやって、こんな凄い映像を撮影したのだろうか。
この作品はとにもかくにもこの一言に尽きますねぇ。
もちろん主人公たちの偉業自体が異次元なのだけど、あまりに貴重で人類史的な価値を持ちつつ現代的な映像>>続きを読む
まず、モンスターの描写がとてもセンセーショナルでありながら、実在の生物をモデルとしているからこそのリアルさもあり、それだけで見るに値した。
僕が子供の頃、「フューチャー・イズ・ワイルド」というイギリ>>続きを読む
最後の最後、文字通り最後のメッセージをカップルが残すシーンで、「あぁ見たことある!」って気がつきました笑。それくらい印象の薄い映画でした。
いい点はいくつかあって、POVの手法に忠実で、とりわけ意味>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
えー!結局最後は暴力なんかい!笑
もし万が一、自分の非力を正すのではなく、他人の力で解決することを促し、さらには世界唯一の名画を焼いてしまう探偵がいるのだとしたら、それは紛れもなく史上最低の頭脳だと>>続きを読む
年始はだいたいいつも「今年は毎日映画を観る」などの目標を立てるのだけれど、達成された試しなし...。今年はいつまで続くだろうか。
2023年一本目は、今年アニメ映画と関わることが多くなりそうな予感も>>続きを読む
味わいがすごい。
正直、映画としての出来は全くわからないのだけれど、この作品に封じ込められた“時代”への哀愁というか、ここに記録された過去と目前にある現在との距離というか、その断絶が示唆する“夢”ある>>続きを読む
超個人的な感想ですが。
仕事で自分の手がけていた作品が、外野のツッコミにより目指すべき姿を見失っていく時に再見しました。
「これこそがクリエイティブだ」と痛感しました。
最高でした。
なにが、とか>>続きを読む
なるほど!
とにかく痛烈なのでした笑
新型コロナという怪異、
あるいは新型コロナへの社会的反射という不気味な妖への、
簡素な無関心に基づく他者的な批判。
そんなシナプスの働き方が、セックスやポルノと>>続きを読む
めちゃめちゃ傑作じゃないですか...?
いとも簡単に作品の思惑にハマり、号泣してしまいました。。。
シンプルすぎる紋切り型のストーリー、
しつこいまでにお涙頂戴の演出と台詞、
でも、なぜだろう。
作>>続きを読む
Au revoir, Jean-Luc Godard
ゴダールが亡くなった。
僕はあまりゴダールの作品が好きではないのだけれど、その作品を体験するたびに、我が身を擦過していく“摩擦係数”のようなゴダ>>続きを読む
文句なし!大傑作!何度も手を叩くほどの大興奮!これぞ未来へ紡ぐドキュメンタリーだ!
細かい部分はよく知らないし、正直それでいい気がしてしまう。僕はこの作品にとても背中を押されたし、明日も頑張って「な>>続きを読む
この映画に描かれている「望郷」あるいは「故郷への想い」を、少なくとも僕は共有できず、それがただひたすらに悲しいという感想が先行してしまう。僕には、彼らが想うほどの執着を、故郷に、あるいは日本という国に>>続きを読む
やぁ、すごい。これはなかなか、大事件な映画ですよ。演出が物語を作り、世界観を構築し、そこで先走る脚本が、あるいはキャラクターが、今度は演出へと帰着する。そんな印象を受ける映画だった。
まずもって冒頭>>続きを読む
僕は、現役の映画監督で「次作を心待ちにする監督」として、PTAはベスト10に入ると確信している。彼はその想像力を、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のように原初的な信条から、「ザ・マスター」のような社会>>続きを読む
迫力はすごいんですけどね!「緊張感」ということの演出に特化している点はかなり評価できるんじゃないでしょうか。沼に沈み込むクレア、変な研究施設に登るためのケージ付きの梯子、そして最後の三つ巴の画面的な強>>続きを読む
アルツハイマーを患った老夫婦の話。多感だった青年期の記憶を、高齢となった現在と対比的に描くことで、二人の人生の多重性を感じさせようとするととともに、原作の筆者である夫の感情(あるいは心の奥底)をわかり>>続きを読む
この作品にはアンビバレンスな感情を抱く。一つには、構図への絶対的な信。「秋津荘」という空間を見事なまでにいかした吉田喜重の美的センスには脱帽するほかないし、そこで貫かれている禁欲的なまでに閑雅な画面構>>続きを読む
すごい、三時間があっという間。圧倒的なキャラクター造形、オムニバス的で緩急のある物語、「ここぞ」という時の長回し、テンポを作る俊敏なカメラワーク、そしてもちろん役者たちの骨髄まで染み付いている演技の魂>>続きを読む
さすがコッポラだなぁ。こんなに普通の物語を、確かな存在感を醸す純子たる傑作へと昇華させる。そこには演出的なトリックが隠されているわけでもなく、ただシンプルに「描く」という行為への実直で飽くなき好奇心が>>続きを読む