そふぁさんの映画レビュー・感想・評価

そふぁ

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パプリカ(2006年製作の映画)

4.0

アニメの特性を最大まで生かした表現力と、奇妙だがクセになる世界観に圧倒された。過去映画の引用でさえ、オリジナリティが感じられる。潜在意識や自己同一性に目を向けることの意義について、考えさせられた。

フェイク(1997年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

映像、音楽、脚本など全体的にバランスが良いうえに、マフィア映画としての緊張感を保ちながら最後まで楽しめる。少しずつマフィア側に変貌するジョーに対し、一貫して人間くささがあるレフティーに魅了された。

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.2

TV番組における報道の実態や、倫理を欠いた人間の暴走など、ただただ自分に刺さる要素が多かった。行き過ぎた正義感には疑問を感じつつも、職業への姿勢はどこか共感できてしまう。業界人にぜひ観てほしい作品。

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.1

日々の生活の幸せや、親しい人間関係について深く考えさせられる。倫理的に大きな問題を孕みつつも、どこか悪くないと思える過ごし方に、少なからず共感できた。若者たちの行く末も非常に気になる。

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

誇張されたフィクションの中に現代社会への警鐘も入っており、政治や大衆、人間性について考えさせられた。『博士の異常な愛情』や『アルマゲドン』など過去作に対するオマージュもあり、メタ視点でも楽しめる。俳優>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.1

無駄なシーンが一切なく、殺し屋の動きに集中しながら最後まで没頭できる。映像美に加え、BGMやSEでの緩急の付け方も非常に巧い。登場人物の内面描写なども削ぎ落とされており、フィンチャー監督の実験的な作品>>続きを読む

ザ・ディスカバリー(2017年製作の映画)

4.0

科学と哲学の中間を彷徨いながらも、映画として存分に楽しめる。唯一無二の世界観や定まりきらない死生観に加え、登場人物も魅力的だった。それゆえ、根幹のメッセージまでもう少し深く理解したいとも思った。

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

4.0

これまで目を向けていなかった鑑定士という職業に魅了された。どこか不気味な登場人物と世界観が、音楽と合わさって美しく仕上がっている。
展開にも驚きつつ、芸術や人間との関わり方について考えさせられた。

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ホラー、ミステリー、ヒューマンドラマのバランスを絶妙に保ちつつ、人種というテーマも乗っかり完全に魅せられた。前半は不気味な怖さ、後半で理解したあとも別種の恐怖を体感し続けられる。伏線も巧み。

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.0

強烈な画と溢れる若さからの疾走感が強く印象に残った。過去の映画や音楽を元にした描写も違和感なく受け取れる。永く続かない青年時代の儚さや脆さが伝わった。イギリス訛りの英語も妙にクセになる。

ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

喜劇から悲劇への転換や、タイトルに込められたメッセージなど、戦争の悲惨さについて考えさせられる。しかし物語のバランスや詳細な描写は、もう少し生々しい戦争に寄せても良かったのではないかと思う。

アンテベラム(2020年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

歴史を知っているほど騙される、構成と演出の巧さにはただ脱帽した。フィクションとは言い切れない生々しさと、米国が持つ忌々しさも肌で感じられる名作。人種や現代社会側の掘り下げをより長い尺で観たかった。

ラ・カリファ(1970年製作の映画)

4.0

直接的に訴えてくるカメラワークとモリコーネの音楽の相性が良く、目が離せないシーンが多い。また、経営者と労働者階級という立場に人間や恋愛の関係を乗せるのが斬新に映り、全体を通して魅了された。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.4

自分にとってのコンテンツの評価軸そのものをひっくり返すような衝撃だった。人種に限らず、細かな言語の使い分けも徹底されている中で、結局世の中は人種に縛られていると痛感した。原作小説も読んでみたい。

フォロウィング(1998年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

脚本や時間軸のひねりに加えて、映像や音楽での緩急の付け方で、既にノーランらしいスタイルが確立していることを実感した。結果的に観る側が物語を追う(follow)側になっているのも巧く創られている。

ガタカ(1997年製作の映画)

4.2

自己同一性や遺伝子操作を扱いながら、サスペンスや恋愛の要素にも魅了されて全く飽きない。フィクションだが現代と地続きの世界には恐怖すら覚える。一方、尺を長くして細部を掘り下げてほしいとも思った。

アポロ13(1995年製作の映画)

4.0

極限状態での緊迫感や宇宙の美しさ、残酷さがはっきりと感じ取れる。魅力的な映像だけでなく、家族愛や仲間などヒューマンドラマとしても存分に楽しめた。模範的なエンターテインメントと言えるだろう。

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

4.1

ただの綱渡りなのだが、洗練された映像により一人称の視点で最後まで楽しめる。危険を冒して正気を失いながらもひとつの夢に向かって熱中する姿には、ただただ心を打たれた。これぞ映画館で観たい一本。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

米国側の無神経さには日本人として心が痛む。好奇心の暴走には恐怖しながら、映画としてのカタルシスもある。米国視点の反戦という域に止まるものの、この作品がアカデミー賞を受賞したことには大義があると考えた。>>続きを読む

大日本人(2007年製作の映画)

4.0

監督が影響を受けた特撮に止まらず、彼自身の思想や人生観を受け取れた。その上で、独特な世界観を土台にしながら、コントの感覚で笑える箇所が多くて楽しめる。一方でやはり映画としては、荒い撮り方に思えた。

エマニエル夫人(1974年製作の映画)

4.2

開放的な描写や性別を問わない愛など、柔軟な性のあり方を提示させられた。タイのエスニックな雰囲気や魅惑的な音楽も相まって、ただ恍惚としながら目を奪われる。自己表現と性について、深く考えさせられた。

プレステージ(2006年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

まさにマジックの如く視線誘導が駆使されており、最後に圧倒させられる。現実と非現実の混ざり具合も気持ちよく、監督に感心したと同時に、時系列の複雑さはもう少し和らげても良いのではないかと感じた。

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

9割が会話劇で構成されているにも拘らず、洗練された脚本や個性的な登場人物が面白くて魅入ってしまう。陪審という制度の必要性について,
深く考えさせられた。最後まで実の事件を描写しない点が興味深かった。

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

人間の生々しくて底知れない承認欲求にただ恐怖した。緊張感と動的かつ魅力的なストーリー展開により、全く飽きずに作品に浸れる。題名は心の所在が不明という捉え方もできると考えた。人間不信になりかねない。

エルヴィス(2022年製作の映画)

4.2

彼をあまり知らなくても魅力が伝わり、制作陣の強いリスペクトが感じられた。人種や内政を正面から描写した箇所に好感が持てる。全体を通して、米国の誇るべき部分と恥ずべき部分が鮮明かつ猛烈に受け取れた。

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

4.3

盛者必衰を無慈悲に描ききる美しさに加え、これまでになかった華麗な魅力をも感じた。御伽話のような画や音楽のテイストが妙にクセになる。
人生において、ハングリーかつ謙虚な姿勢が欠けてはならないと学んだ。

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.2

人生の進むべき道や自己同一性について、自分自身と照らし合わせながら深く考えるきっかけとなった。カウンセリングや大学生活の描写にさえ魅力を感じる。環境が変わるタイミングなどで何度も観直したい。

96時間 リベンジ(2012年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

緩急の付け方と生々しい色彩で常に緊迫感を味わえる。衝撃は前作に劣るものの、信じて託すという側面での家族愛が見られたため、主人公の成長が感じられて良かった。相変わらずライフハックの面でも興味深い。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

ジェンダーや自由意思といった問題を前衛かつ残酷に扱いながら、これまでの伝統的な映画体験として楽しめる。音楽や映像などに唯一無二の中毒性が感じられ、こってりした世界観にいつまでも浸っていられた。

観察者(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

リアルな質感の性的描写だけでなく、伏線回収や裏切りなど物語の展開でも充分魅了させられた。登場人物に感情移入できない箇所もありながら、それさえ観察者として楽しめる。別の視点から再度観たい。

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

今回も巧みなミスリードによる裏切りが見事で、再度見返したくなる。鮮やかなリゾート地の描写や劇中の音楽には魅了されたものの、全体の独創性では前作に劣ると思った。"グラスオニオン"というテーマは秀逸。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

倒叙ものに見せかけて謎を残すなど、進行の裏切りが非常に華麗で複数の面から楽しめる。小道具のような細部に至るまで魅力的。その上で、人間の善と悪が入り乱れる様や、緊迫感あふれる描写もあって素晴らしい。

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.0

人間が持つ葛藤や狂気、歪んだ価値観などが残酷に描写されており、メタ的な部分からも反戦のメッセージが伝わった。技巧に富んだ光彩や音響効果により、終始緊張感を保って作品に没頭できる。

ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.2

作品自体の設定やキャラの掘り下げは甘く思えたものの、ディズニーを愛してきた人へのファンディスクとしては完璧だった。今後も皆の「願い」を請け負うディズニー社からの決意表明と言えるメッセージを受け取れた。

交渉人(1998年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

警察やマスコミのような権力を持つ組織の腐敗が容赦なく描写されており、何を信じるべきか考えさせられる。伏線回収、裏切り、カタルシスなど物語の進め方も素晴らしく、アクションも丁寧で魅力的な作品だった。

マレーナ(2000年製作の映画)

4.1

少年から青年への成長や、過ぎ去った女性について自分に重なるシーンが多く、様々な感情を抱えながら楽しめる。ムラ社会の残酷さが戦争と肩を並べて描かれている点が印象的だった。音楽も重厚で美しい。

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