オールドさんの映画レビュー・感想・評価

オールド

オールド

日本暗殺秘録(1969年製作の映画)

4.3

尺と心血が凸凹した不恰好なオムニバスだが、凸する瞬間の気魄たるや凄まじい。なかでも千葉真一の唱題は忘れない。

腹で為す暗殺に、頭でこさえた思想が敵うだろうか。

激動の昭和史 軍閥(1970年製作の映画)

3.5

軍部、政界、新聞社というエリート層から見た2.26~原爆投下。『軍閥』と題するほど軍閥のマニアックな話ではない(それが見たかった)。戦争シーンがジオラマと模型感丸出しだけど、エリートの戦争観を皮肉る演>>続きを読む

DEATH NOTE リライト2 Lを継ぐ者(2008年製作の映画)

3.8

ニヤァ。ドヤァ。粉ぁ!
神懸かる月の鬼畜顔芸。

完全じゃないから…‥っていうニアの結論がテーマへの答えだし、好き。

国家が破産する日(2018年製作の映画)

4.0

【韓国通貨危機の概況】
朝鮮戦争後、韓国は民間の外貨建て債券(以後、外債)に頼った輸出志向経済で成長した。「漢江の奇跡」だ。
しかし97年の前には、①他の成長国との輸出品価格競争、②アメリカの強いドル
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DEATH NOTE リライト 幻視する神 ディレクターズカット版(2008年製作の映画)

4.0

粗筋にしてもかけ足なので総集編と言うにはちょっと違う。セリフ回し、劇伴、作画演出…‥マッドハウスの制作力をハイライトで堪能するロングPVと言うべきか。『HUNTER×HUNTER』といい、見てるだけ、>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.8

 途中あまりに抽象論で「これこそ空間も時間もあったもんじゃねー。会話してるように見えて、実際は成り立ってる風に装ってるだけじゃん」と匙を投げ掛けたところに現れた彼。三島を殴れるから云々と壇上に上がった>>続きを読む

三里塚に生きる(2014年製作の映画)

-

"場"というものについて考え、その重たさにこめかみがギューッと締め付けられてしまった。
これは極めて私事、かつ映画本編に直結せずレビューの体裁を保っていなくて大変申し訳ないが、生産者と消費者を直で繋ぐ
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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

3.9

口論自体がパワーゲームである面白味。故に、とんでもなく瑣末な事が大真面目に争われる可笑しさ。革命語で罵り詰める"赤いアウトレイジ"。
でも赤軍派が山籠りして以降はもうとにかく総括総括総括総括。さすがに
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ジャッジ・ドレッド(2012年製作の映画)

3.7

金ピカ処刑爵士なスタローン版から一転、機能性第一の重装特殊部隊な出で立ち。メガシティのリアリズム、というか不潔具合もだいぶ違う。コミックヒーロー映画に歴史あり。
レナ・ヘディ演じる悪役の"ママ"のかっ
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.6

別荘の早朝の澄み切った空気感のなか、機械と女性、2つが綯交ぜのコンプレックスと対話せねばならぬ閉塞感。

失楽園系は好きなのに本作はどうも…。この手の話は、失楽園する者にいくばくか心寄せるもので、だか
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パージ(2013年製作の映画)

3.7

Have a safe watch!

いいウチに住んでる、だけどキナ臭い需要で儲けた小賢しいブルジョア感がイーサン・ホークばっちり(笑)

PMC ザ・バンカー(2018年製作の映画)

3.9

2時間ずっと極限状況×状況変化×状況判断しまくり映画。労働環境が世界で最も危険な派遣社員と言えるPMC(民間軍事会社)コントラクターの"地下"脱出劇でもある。
"医療保険もままならぬ不法移民が米軍傭兵
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JSA(2000年製作の映画)

4.5

タイトル'JOINT SECURITY AREA'に込められた2つの意味。いやもう、センスの塊と言うほかない。虚構と虚構が保障する"安全"に真実が侵攻する。

プルーフ・オブ・ライフ(2000年製作の映画)

3.5

K&R保険(kidnapは誘拐、ransomは身代金)を題材にした少々マニアックな映画。

K&R保険とは、危険地域で活動する富裕層、多国籍企業、NGOなどが身代金誘拐に備えて加入する特殊な保険で、事
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名探偵コナン ベイカー街の亡霊(2002年製作の映画)

4.0

繭と継承。
貴族制が寡頭制になるのも、民衆制(あえて衆)が衆愚制になるのも、主権者の公共心にかかっている。
親子は大事、でも世襲はダメという日本人の言論の矛盾を突きつつ、むしろなにかと断絶、破壊、リセ
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ライフ(2017年製作の映画)

3.3

脳であり筋肉 vs 脳まで筋肉 in 脳足りんの脚本
火星生命体が賢いんじゃない。人類の叡知の最先端が集うはずの国際宇宙ステーションにバカばかりが揃ってしまっただけだ!

ジェイク・ギレンホールってた
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ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.6

2024.4.29 ★3.6
ランボーの自己表現術たる暴力の御し難さは前作で説明済み。だから本作は間違いなく蛇足、としばらく思ったのだけど、これまでのように誰かにお願いされることもなく、私の、私による
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ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)

5.0

2024.4.28 ★5
John Rambo's long roadにして人類の長いゝ道のりを90分に約した傑作。

昨日は『ブラックホーク・ダウン』、今朝は『ボーダーライン』、今晩は本作。啓蒙精神
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ランボー3/怒りのアフガン(1988年製作の映画)

3.5

大佐とランボーの戦争プレイSM。
ソ連製兵器がジャラジャラ出てくる見本市映画でもある。

ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)

3.9

一人の軍隊、だが軍人には半人前。
テクノロジー絡みがキャメロンのスクリーンプレイといった感じ。

"片目が開く"シーンを奥さんに見せてトラウマにしてやった(笑)

ランボー(1982年製作の映画)

4.2

田舎町の平和が実体としての戦争に埋め合わされるアクション映画。

ダイ・ハード3(1995年製作の映画)

4.0

いかにもユーロピアンな顔立ちとフェロモ~ンな美声のジェレミー・アイアンズが状況コントロール型の悪役を演じ("電話越しでもかっこいい悪役ランキング"なんてものがあれば堂々の1位でしょう)、劇伴が軍楽調オ>>続きを読む

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

4.0

朝起きて、マラソン見に行って、手足を吹っ飛ばされる。

記録と創作を交え、ボストンマラソン爆破テロ事件と犯人逮捕劇を振り返る映画。
日常と地獄のエンカウントを見せつけるプロだ、ピーター・バーグ監督は。
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寄生獣 完結編(2015年製作の映画)

3.4

原作のコンセプトを受け継ぐ場面はやはり良く、遣る瀬も途方もなくなったあの時の読了感が甦った。
前作同様の若干の表現過多は慣れもあって看過したんだけど…‥最後の最後は要らねぇぇぇぇぇだろぉオオオオオイ!
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寄生獣(2014年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

染谷はヤベェ奴感が顔に出ているので、"変貌"しても違和感がなかった。原作のシンイチは里美が言ってたように、他人の空似の全くの別人だったから。動物が変わってしまった感覚。染谷の雰囲気も嫌いじゃないけど、>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.9

彼我ゆえの自我、そのやわいとこを小突いてくる。

パペットが生きているようにしか見えないぶん、主人公の虚しさが際立つ。
人のふんどしで相撲を取りたくなるくらい自分に迷ったら、他人をチラ見しろ、でも見入
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AK-47 最強の銃 誕生の秘密(2020年製作の映画)

3.3

実戦初投入のハンガリー動乱以降、紛争皆勤賞と言っても大袈裟ではない自動小銃AK-47。史上最も人間を殺傷したとされ、あだ名は「小さな大量破壊兵器」。その開発者ミハイル・カラシニコフの物語。主演はユーリ>>続きを読む

死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.8

こんなグロテスクなお化け屋敷もあるもんか❗
途中から人間と死霊、どっちが主人公か分からんぞ(笑)

『Dr.ストレンジMoM』のセルフオマージュ答え合わせがチラホラあったり、『エンド・オブ・デイズ』の
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.8

喉仏でしゃべるカンバーバッチ。
『スタートレック イントゥ・ザ・ダークネス』といい、取調べを受ける側なのにイニシアチブ握っちゃう役が似合うね、この人。

暗号解読計算機の開発に偏執する孤独な天才が、
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

レビューを書くにあたり、勝手に窮屈な思いをしていた。先週の水曜日に観て、ずっとモヤモヤ。ノーラン作品だから高尚な事を書かなくてはいけないとか、原爆の話だから単純な娯楽評価ではいけないとか。実際に高尚で>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.0

鳴り物入りの映像革新で「新時代」を売り出す技術主義者キャメロンと違い、地味~に地味~に映像革新を落とし込み、静か~に映像業界に新しい地平を拓いてあげる技能派ゼメキス。
己独りが主役気取りで革命に逸る技
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.8

精巧に再現された1969年と、演技派たちの豪華な小ネタにニマニマ。クライマックスはひと(人非人)を選んだ大爆笑。
シャロン・テート事件は題材じゃなくて材料だった。

グリマーマン(1996年製作の映画)

3.5

ロールパンナちゃん風セガールが2つの💙❤️をグリマーします。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

3.8

『タイタニック』のオルタナ&カウンターバース的続編にして、『シャッターアイランド』の拡大解釈的プリクエルにして、『アメリカンビューティー』の亜種。

結婚、というか人生の営みで大事なのは、理想に燃える
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.9

「供給はそれ自らの需要を生み出す」という主人公レイ・クロックのセールストークで本作は始まる。
これはまんまセイの法則だ。自由市場に委ねれば需給は常に一致するという市場原理幻想。レイは最初こそ自分の口八
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