湖迦さんの映画レビュー・感想・評価

湖迦

湖迦

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バニシングIN60”(1974年製作の映画)

4.0

監督・脚本・主演・スタントを1人の人物が行うというこれ以上にないカーアクション映画としてのカリスマ性、40分に渡るカーチェイスは凄まじい。バニシング・ポイントほどの形式美は感じられないものの、命果てる>>続きを読む

ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年製作の映画)

4.2

トゥルーロマンスと併せて久しぶりに観たけど、こちらは映像テクニックやコラージュの実験場のような作品で観ていて飽きない。

TOKYO!(2008年製作の映画)

3.8

東京で暴れ散らかすドニラヴァンが最近観たゴジラシリーズのどのゴジラよりも怖い

話の話(1979年製作の映画)

4.5

GYAO!でやってるノルシュテイン傑作選のラスト。日本のアニメもディズニーアニメも好きだけど、これはもう表現力が卓越していてもはや芸術の域。ノルシュテイン作品を一通り観て、アニメーションに対する見方が>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

5.0

実写の水に切り紙のハリネズミがプカプカと浮かぶ可愛らしくもどこか神秘的なシーンがすごくよかった。僅か10分の作品だが、ハリネズミの旅の道中に現れる霧に隠れた不思議な生き物達は、陰鬱でおぼろげで観ている>>続きを読む

アオサギとツル(1974年製作の映画)

4.6

11分という短さにこれほど美しく濃い恋模様を描いたものを観たことがない。打ち上げ花火の光に照らされたアオサギとツルの顔は見惚れる程にロマンチックで、手描きのアニメーションにこだわるノルシュテインの思惑>>続きを読む

キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.8

本作のお話はロシア人なら誰でも知っている昔話らしい。この作品は未見だったのでキツネとウサギと聞いてまずズートピアを思い浮かべた。動物達の可愛さは確かなものだけど、情け容赦なしのラストはおそロシアとしか>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

4.7

二郎系ラーメン全部乗せのような映画でお腹いっぱい。
人間ドラマのパートがしつこいという意見も多くあるけど、そんなことなくね?って思えるほど迫力満点の怪獣同士のバトルシーンが多かったし、2010年代のゴ
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ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.5

検閲と戦ったタルコフスキーとは違ってノルシュテインがこれほどのプロパガンダ色の強い映画を作っていたとは、これはこれで見応えがあった。

俺たちニュースキャスター(2004年製作の映画)

3.7

いかにもなアメリカンコメディで割と好き。アンカーマンを志そうとする女性を古参のキャスター4人「俺たち」が小学生レベルのセクハラで追い出そうというなんとも酷い内容だけど、70年代頃のアメリカの地方局では>>続きを読む

ジョン・カーペンターの 要塞警察(1976年製作の映画)

4.8

ジョンカーペンターにハズレなし。
西部劇の大傑作『リオ・ブラボー』の現代版リメイクと謳っているけど、異端で悪趣味でこれはどっからどうみてもカーペンター。個性的なキャラクターとサイレンサーが奏でる死のメ
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そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

3.6

思春期のモヤモヤを具現化させたようなショートフィルム。この手の映画は岩井俊二等のよくある日本の青春映画感は否めないけど、公式でタダで観せてくれているし、カットが短くテンポもよくて飽きないし、田舎の中学>>続きを読む

25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.3

初めて観たノルシュテイン作品。ピカソのゲルニカが動き出したようなタッチと配色が印象に残った。

かくも長き不在(1960年製作の映画)

4.5

儚過ぎる一本。タモリが一番好きな映画とどこかで聞いて鑑賞した。
戦争の悲惨さ、ナチが残した傷痕を残虐シーンを一つも入れないで表しているところが本当にすごい。周りもアルベール本人も自分が誰だかわからない
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ファントム・ミュージアム(2003年製作の映画)

3.3

母体の解剖模型、人骨、ミイラと他のクエイ作品と比べて直に来る強烈さが印象的。

イン・アブセンティア(2000年製作の映画)

4.0

光と影のコントラストが神秘的。今度は鉛筆削りと鉛筆の折れた芯、古時計を使った緊迫の20分間。なによりも背景に流れる音楽が聴いてて精神不安定になりそうなほど物恐ろしい。こんな音楽、どんな頭してたら作れる>>続きを読む

アナモルフォーシス(1991年製作の映画)

3.7

クエイ作品なので今回はどんな複雑なものを見せてくれるのかと思ったら、丁寧にナレーションまで付けた16世紀頃の歪像画について解説するドキュメンタリーだった。絵画の写し方や視覚表現が本当に上手くこの作品自>>続きを読む

(1990年製作の映画)

3.5

クエイ作品の中で一番奥行きがあるというかスケールがデカい。緑と赤の配色ってどうしても中川信夫の地獄を連想してしまう

スティル・ナハト4 お前がいなければ間違えようがない(1993年製作の映画)

4.1

His Name Is Aliveの音楽がめちゃくちゃいいのと、鍵穴から覗く死神、少女の股から滴る血がとんでもなく怖い

スティル・ナハト3 ウィーンの森の物語(1992年製作の映画)

3.2

クエイ兄弟といえば金属と埃の無機質なイメージだったけど今度は松ぼっくり?色々と謎でしかない

スティル・ナハト2 私たちはまだ結婚しているのか?(1992年製作の映画)

4.0

このショートフィルムのお陰で His Name Is Alive という素敵な宅録バンドの存在を知れたので観てよかった

スティル・ナハト 寸劇(1988年製作の映画)

3.5

今まで観た中で最も短い映画だったけど、磁石と鉄をここまで気持ち悪く映せるのはクエイ兄弟しかいないと思う

失われた解剖模型のリハーサル(1987年製作の映画)

4.3

今まで観たクエイ兄弟作品の中で一番狂ってる。プルプル震えるイボの気持ち悪さと肉々しさ

ストリート・オブ・クロコダイル(1986年製作の映画)

4.0

この退廃感がすごくいい。人工の夜景に増した幽幽たる世界観。

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.3

警察では防犯、消防では予防が最も大切なように、軍隊では隊員の命を未然に守る爆発物処理も重要な蔭の立役者。
緊迫感溢れる演出の数々に鑑賞中は多少の疲労感を覚えながらもその娯楽的要素と、爆弾処理に取り憑か
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地獄の英雄(1951年製作の映画)

4.8

マスコミと大衆とアメリカンドリームを大胆に皮肉った傑作。
ビリー・ワイルダーから大衆に向けられた苦言を絵にしたような作品なので、観ている自分も冷やかされているわけだけど、本作のマスコミに踊らされる大衆
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.5

ゾンビ映画の元祖ながら、ただのホラー映画ではないところがすごい。
量産されている血肉踊るようなアメリカ製パニックゾンビ映画とは違い、ロメロのゾンビ映画はヌーベルバーグっぽくて一味違う。68年というとん
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大いなる幻影(1937年製作の映画)

4.4

ソフトな戦争映画。
労働者階級、インテリのユダヤ人資産家、フランス・ドイツ両国の貴族といった多種多様な人々を、それぞれの美点を率直に心から敬意を払って描いているところがすごくいい。
戦争映画といえばプ
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旋風の中に馬を進めろ(1965年製作の映画)

4.0

オナニー西部劇。青年のジャックニコルソンを観られるし、それを差し置いても他の西部劇とは異なる肌触りがとても面白い。異色なので正統派な西部劇を楽しみたいという人にはおすすめしない。自警団による救いようの>>続きを読む

ファンタズム(1979年製作の映画)

4.4

ガキの頃のトラウマ映画再鑑賞。
背の高い葬儀屋の奇行を目撃したマイク少年と兄のジョディが見舞われる、次元を超越した怪奇現象の数々と兄弟を待ち構える悪夢の顛末を幻想的タッチで描写した怪奇譚。今観てもトー
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悪魔とダニエル・ジョンストン(2005年製作の映画)

4.0

愛すべきイノセンス野郎:ダニエル・ジョンストンの誕生〜現在まで。
ジョンストンの作風よろしくこの映画もローファイな作りに仕上がっていていいね。
主演は母ちゃんじゃねえかってくらい母ちゃんのインタビュー
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大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)

3.7

キングコングのゴリラと半魚人を入れ替えたような内容だったけど、この手のファンタジーものを観て毎回思うのはクリーチャーのストライクゾーンの広さ。こんな顔して、しかも魚のくせに人間の女に弱いという。そして>>続きを読む

サッドヒルを掘り返せ(2017年製作の映画)

5.0

泣いた。
気鋭の若手映画監督による『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』を愛する全ての人へ捧げたドキュメンタリー。

ドル箱三部作を観て面白いと感じた人は必見。なぜなら、故人セルジオ・レオーネが「スパゲッ
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BIUTIFUL ビューティフル(2010年製作の映画)

5.0

美しい〜やっぱイニャリトゥ好きだ。
バルデムの偏奇な風貌も演技も最高。
重く心憂い作品ではあるけど黒澤明の『生きる』のような、普遍的なテーマを葛藤と希望を交えて描く作りがすごくいい。そしていかにして生
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ギルガメッシュ/小さなほうき(1985年製作の映画)

3.4

始め『ギルガメッシュ叙事詩を大幅に偽装して縮小した、フナー・ラウスの局長のちょっとした歌、またはこの名付け難い小さなほうき』というバカ長いタイトルが映し出される。
理解出来ずギルガメッシュ叙事詩を調べ
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ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋(1984年製作の映画)

4.1

コミカルなドールの動きやカラフルな色使いが人工の夜景とはまた違った世界観が楽しめる。
どこをとっても絵になるなあ。

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