マさんの映画レビュー・感想・評価

マ

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

4.4

一般人、日常に最も近い位置にあるのが革命/テロ。なので犯行の中心になれない(してもらえない?)女性の視点から、ピンク・フロイドとクラシックを往復しつつ捉える。「人生が無意味であることに反抗する」為の行>>続きを読む

THE DEPTHS(2010年製作の映画)

4.1

クィアを神聖化して扱おうとする人々と、別にそうでもない当事者。

PASSION(2008年製作の映画)

4.4

ルールに従う人が"負け"る微妙な露悪に痺れる。でも勝った側があんまり勝ってるようには映らない。

死霊魂(2018年製作の映画)

5.0

人生で初めて?鑑賞中に吐き気を感じてスクリーンから目を背けた。けど背けた視線の先に映るものは画面と変わらない、心が持たない。紛らわす為にfilmarksを触ってる。ドキュメンタリーをどこまで内面化?す>>続きを読む

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

4.3

触れてしまったらそこまでだけど、触れなければ無限に可能性がある?ならその「触れない接触」のひとつが(超抽象化?された)コミュニケーションや(水の)音?目には見えないけどそこら中に広がる。トラップとして>>続きを読む

アカマタの歌 海南小記序説/西表島・古見(1973年製作の映画)

4.2

カメラを持った1番の部外者が島の中の元部外者を撮る。結局島に流れ着いた人々の経緯にあるのは戦時中/戦後日本の抱える醜悪な部分。

島の人間関係も 儀式も 多分この記録ひとつで簡単にバランスが崩れる、や
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無言歌(2010年製作の映画)

4.7

「ワン・ビンによる当時の再現映像」と言えばそれまでだけど、結果劇映画の限界に到達している。収容所で起きた事は文字通り想像を"絶"し、劇/映画/映像/創作/表現としてソレに及ぶことは不可能。それでも画面>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

所詮部外者達による精算のし合い、を徹底的に叩き潰す... 人間はメタファーじゃないから。ギリギリまで同一化して向き合おうとする人も、別にソレは自然そのものではないし起きた事は起きた事として認めるしかな>>続きを読む

回転(1961年製作の映画)

4.1

大人のしょうもないイチャつきに(地獄まで)付き合わされる子供達

青春(2023年製作の映画)

4.6

無限に続く低賃金労働の中で青春を見つけても、年月が過ぎる(出てくる人々が20代後半へと向かう)につれて ジワジワ"青春"は侵蝕されて行く。いくらそのまま見つめても、やっぱり楽しげな部分も何処か憂鬱な雰>>続きを読む

天使の復讐(1981年製作の映画)

4.2

映画においてもオジサンの考えた(超)単純で極端な「フェミニズム」が、必ずしも絶対的に正義でも無いことは プロミシング・ヤング・ウーマンの徹底した意識と作り込みからよく分かってるんだけど(最初の加害者が>>続きを読む

ガールフレンド(1978年製作の映画)

4.2

一般的に人生のゴールとされてる基準に納得が持てない、けど自分の行く先に自信がある訳でもない のはよく分かるし、最早気にする必要ある?どうにもならないと割り切らなきゃ辛すぎる。

オスロ、8月31日(2011年製作の映画)

4.0

全てが異様に鮮明に聞こえる(想像で作られた幻聴も含め)か、全てがボヤけてるかどちらか

鉄西区(2003年製作の映画)

4.7

「貧すれば鈍する」と言うけど、その「鈍」にこそ人間の(汚い部分も含めた)良い部分が詰まっていると確信してるような視点。でも、全然「貧」の地獄は映り続ける。

労働という時間的にも、物理的にも巨大過ぎる
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スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火(1989年製作の映画)

4.4

同じ過ちを何度も繰り返そうとするならもうこっちがやれる事はひとつしかない。

"黙ったまんまじゃ殺される、国が人の住めない土地に変えたんだ
無能なてめぇら好きにさせていた、昨日のてめぇじゃ単なるヘイタ
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蛇の道(1998年製作の映画)

4.5

生徒の書いた数式を「それじゃ世界が逆行しちゃうじゃん、神じゃないんだからそんなこと出来ないよ」と叱る哀川翔はあからさまにこの映画内だと神に近い。

超人的な立ち振る舞いで常に周りを出し抜き続けるけど、
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苦い銭(2016年製作の映画)

4.4

「働いて食べて寝るだけ」と語られる労働の中で、生きてる意味とか人生の楽しい部分は人と人との摩擦でしか起きない?でもまーそんなもんか... 空虚に鳴り響くポップソングで、映画が妙に彩られる。超しつこく絡>>続きを読む

ジュリアン(1999年製作の映画)

4.3

ハーモニー・コリンって徹底的にフィクションよりも現実が前に飛び出てるのに、(ドグマという制約を超えて?ドグマだからこそ?)ビデオを通して現実を破壊するような映像を撮る。人間の醜悪さも含めて愛せるんだ!>>続きを読む

ティン・トイ(1988年製作の映画)

-

赤ちゃんは基本可愛い... と言いたいとこだけど、実際は気持ち悪い面も 怖い面もめちゃくちゃある。というのが発達真っ最中だった3D技術の不気味さと上手くハマって表現されてる。
ただどんなに不気味でも
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.1

白人を狙ったテロで殺される人々は、植民地主義の構造に乗っかって搾取をしているけれど 必ずしもテロを行う側をその手で虐殺した人 という訳でもない(全然そういうこともあるし 「直接」殺している側とも言える>>続きを読む

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)

4.5

外で生きる変態vs社会の中で搾取者として生きる変態(モドキ) 後者の振る舞いは、クズほど自然と内面化してる"変態"性、女装した部下を"クローゼット"に押し込み 功利主義的な行為を優先、性器を(元が小さ>>続きを読む

明日に処刑を…(1972年製作の映画)

4.4

この時点で白人の罪を徹底的な暴力とショッキングな描写で表現してるマーティン・スコセッシ。牧歌的な雰囲気で描かれるのは共産主義 社会主義者や黒人をリンチし 射殺する警官、ジョージ・ワシントンと重ねられな>>続きを読む

誰がキャプテン・アレックスを殺したか(2010年製作の映画)

4.2

スラム街からウガンダ首都カンパラ都心部を焼け野原に、「ワカリウッド」が80〜90年代アクション名作のパロディを楽しく混じえて送るのは 普通に殴り合い 投げ飛ばし合い 泥水へ容赦なく飛び込んでいく人々。>>続きを読む

ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994年製作の映画)

4.4

殺人者 と殺人者に惚れ込む馬鹿 は同時にクリエイター本人達で、皮肉の様で皮肉になってないor皮肉じゃないようで実は皮肉? 現実(白黒)に大量のファンタジー(カラー=カラフルな情報のゲボ)を注ぎ込んだ結>>続きを読む

酔いどれ天使(1948年製作の映画)

4.2

戦後日本の暴力(病気)をヒューマニズムひとつで治療しようとする黒澤明

クレイジー・ワールド(2019年製作の映画)

4.1

海外に注目を浴びてからの作品だからか どこか外側からの視線を冷笑する様な話、だけど周りから受けた愛へのアンサーや勢いはピカイチ。ガンアクションや身体の張り方は凄まじいし、残酷描写や暴力はエグ味が強い >>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.7

窓に付いた水滴や繋いだ手 割れるグラスから(化学が殺人の為に発展している以上)直接世界の崩壊を視覚的に感じ続ける 怖過ぎるオッペンハイマー視点を映し続ける前半 から後半、実験のシーン以降から明確に 特>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.4

ゆっくりしっとり優しく(主に非移民?「アメリカ人」以外のアイデンティティを持たないアメリカ人に)突き刺す移民のリアルと、人生は理想では成り立たない という事実。対岸から見つめるだけじゃ分からない 24>>続きを読む

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

4.5

映画がドキュメンタリー以外の方法で枠を超える方法、本当に暴力をやる。植民地支配は殺人で、ソレに対する抵抗も...ならそれらをただただ映した時、とてつもない圧力の暴力が永遠と流れる以外にあんま道が無い。

フューネラル(1996年製作の映画)

4.4

一見 ビックリするくらい地味な画や話運びの中で、徐々に現れてくるギャング(男)達の地獄。自分達の葬式。映画を引っ張るのは唐突に暴走するクリス・ペンと暴力だけ。基本全員ボソボソ喋り 演技の細かい所は自由>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.5

ここ数年で「日本は完璧な法治国家だから😅」と語る人をよく見るようになったけど、アメリカも含め 死刑制度のある国において司法が絶対的に完璧であると盲信する事(というか個人的には死刑そのものから否定したい>>続きを読む

ゼロ・モティベーション(2014年製作の映画)

-

結局戦争なんて男だけが男達で抱え込んでるモノであり、そこから弾き出される女性にとっては 国のしてる事なんてあまり関係が無い。関係がない故に、民族浄化 パレスチナの人々を殺戮する事の正当化を簡単に受け入>>続きを読む

アルプス(2011年製作の映画)

4.2

自分の人生を自分で生きる という一番めんどくさいコトをどこかの誰かに任せる作業 としての演技と映画鑑賞。もしくは 死による悲しみや苦しみをかき消せると信じ 前を向かずにどんどん後ろに後退していく作業と>>続きを読む

ZOO(1985年製作の映画)

4.2

死の悲しみとか苦しみから逃れるための作業って 所詮紛らわす為の作業だし、本人たちが自分にソレを行っても 少なくとも映画(🐌)がその達成を許すことは無い。

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.2

"異常な環境の変化"によって生き延び方を変えざるを得なかった人(貝)々と、ソレを リアルではなく神の視点から記録しようとする、カメラを持つ側の人間に向けた 「普遍的な孤独のストーリー」という形での批判>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.5

徹底的な作り物の中にしか自分の本当の苦しみを表現することができない作り手達。でも、ソレを明確に表現したシーンは(フレンチ・ディスパッチにおけるジェフリー・ライトの様に)カットしてしまう。明確に苦しみを>>続きを読む

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