みつきさんの映画レビュー・感想・評価

みつき

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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

『パーフェクト・デイズ』を先に観たので、最初は主人公トラヴィスが平山に見えてしまって困った。ずっと車を運転しているし。でも、トラヴィスの過去がわかってくるにつれ、周囲を全員不幸にしてしまっているとんで>>続きを読む

ベルリン・天使の詩 4K レストア版(1987年製作の映画)

5.0

午前十時の映画祭で鑑賞。天使の視点である上空からのベルリンの眺めが素晴らしい。街中には、今は破壊された落書きまみれの壁が立ち塞がっている。一九四五年当時の焼け野原のベルリンに乳幼児の死体が寝かされてい>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

5.0

移民労働者であるシュテファンがベルギー国内で営む生活はけして恵まれたものでないことが冒頭で暗示される。その一方で、仕事仲間や移民仲間、姉たちから彼は愛されており、彼も彼らを愛している。母国に帰るほうに>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

2.5

これまで数多くの並行世界ものの舞台となってきた十九世紀末ロンドン。この映画もその伝統を踏まえつつ、素晴らしい過去の積み重ねには敬意を、忌まわしい過去の積み重ねには怒りを表明する。物語の終盤、ゴッドに対>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

5.0

舞台はフランコ体制下のスペイン北部。主人公の少女は、振り子で水脈を掘り当てることのできる謎めいた父と、その父を静かに見守る母、明るい家政婦の四人で暮らしている。南部から父方の祖母と、父の乳母がやってき>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

名前を名乗ることについての映画。過去の記憶とともにかつての名前も失った父にたいしてアナが「私はアナ」と名乗るとき、それはエリセの過去作『ミチバチのささやき』の最後で少女だったアナが我々に向かって告げた>>続きを読む

ミツバチと私(2023年製作の映画)

5.0

主人公の性自認は、揺らぐ時期をとうに過ぎていて、はっきりと自分は女の子である、と確信している(揺らぐ時期などなかったのかもしれない)。でも、母親も、父親も、祖母も兄弟たちも、彼女のことを男の子扱いし続>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.0

原題 (When You Finish Saving the World) のほうが、映画の内容にあっている気がする。配信で自作の曲を歌い投げ銭を稼ぐことこそなによりも尊いと思っている息子と、母子生活>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

 毎日同じようなことの繰り返しのようでいて、周囲の人たちとの関係は少しずつ変化していく。それで傷ついたり、後戻りできなくなったり、悲しんだりすることもあるけれど、束の間のふれあいで、少しだけ愉快になっ>>続きを読む

点と線(1958年製作の映画)

3.0

 原作の良さが活かされてないなーと感じる。駅の時計はやたらと大映しになるんだけれど、時刻表もたびたび参照されるんだけれど、結局ダイヤのアリバイに直接的には結びつかない。公開当時の各所の駅の様子が観れる>>続きを読む

カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)

4.0

 いまの時代に医療従事者の一人として観ると、胸が詰まるシーンがとても多い。リチャード・ハリスの演じるチェンバレン医師が発する言葉のいくつかが突き刺さった。日々の臨床がとても辛いこの数年だけれども、また>>続きを読む

ボルサリーノ(1970年製作の映画)

3.5

 ジャン=ポール・ベルモンドもアラン・ドロンも格好いい。ひたすら暴力の嵐ではあるのだけれども、どこか上品なので、陰惨な気分にならないで劇場を出ることができた。終わる直前の二人の会話がとても素敵。全編で>>続きを読む