プラナリアさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

武闘拳 猛虎激殺!(1976年製作の映画)

3.4

時は昭和!天守閣を根城とした悪のカラテ帝国が武闘空手興行を支配していた!!!

映画は主にバトルパートと、それ以外は稽古パートで構成されているので、暴力の絶対量が大変なことになってる。終盤はさすがにお
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ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.9

男女が入れ替わり!人が死ぬ!という炒飯カツカレーみたいな作品。脚本はガバいけど、視聴者がのぞむシチュエーションの為のガバなので許容範囲だ。入れ替わりとは究極の相互理解、正反対の在り方を知った2人はやが>>続きを読む

そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

4.2

実録青春モノかと思いきや、あまりに好き放題やっていたのでたまげた。舞台は埼玉県狭山市。埼玉といえば海もなければ山もそんなにない、雄大な関東平野広がる無個性の領地であり、犯行グループ4名が諦観を抱くのに>>続きを読む

かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート(2006年製作の映画)

3.8

すごいカンフーが舞い、和解と成長を経て、カンフーはさらに進化する。年齢を超えた若々しさと年齢相応の重厚さを携え、役を完璧に反映したドニーさんの凄さったら。ただ、あまりにドニーさんが強すぎてラスボス戦の>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

4.5

それは、限界暗黒未来社会であり、ギャングものであり、ヒーローオリジンであり、自己の連続性に対する問答であり......私の好きなものが全て詰まっていた。あらゆるSFコンテンツの血統表を遡ると大体コレに>>続きを読む

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)

3.0

文句なら幾らでも言えるんですよ。脚本はサプライズ火事に頼りすぎで、キャラの好感度も低い。主題歌が劇中延々リピートされるのも、携帯着信音みたいな辟易感をもたらしてしまう。クライマックスもそれまでの物語の>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.4

不況と閉塞極まる出版社に殴り込むは大泉洋。面白さこそを至上とする男はあの手この手で担当雑誌を盛り上げ、会社を、作家を、世間を大いに引っ掻き回す......だがそれだけではなかった!

おそらく本作で最
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.5

賞金稼ぎと横領犯。一晩限りの護送だったはずが逃避行になり、旅になり、それもやがて終わりを迎える

ムタフカズ(2016年製作の映画)

3.8

ここは暴力と退廃の街、そこにしみったれた日常から抜け出したがる青年。そんな彼がこれまでの人生全てを破壊して余りあるだけの力を得てしまったら......みたいな異能譚なんだろうけど、ちょっと脇の主張が激>>続きを読む

トリプルX:再起動(2017年製作の映画)

4.3

楽しい。何が楽しいって格キャラの登場シーン。すごい奴らがすごいことをすると最高な気分になれる。ストーリーはぼんやりしており、ドニー・イェンとかは結局何がしたかったのか意味不明だが、そういう欠点すらあま>>続きを読む

マッド・ナース(2013年製作の映画)

3.5

いい線は行ってたはず。殺人ナースがベラベラ独白を話したりするせいで怪人としての格が損なわれているのは惜しいけど、古めかしいビジュアルはハマっているし、新人ナースのPCにリベンジポルノ写真を送りつけるシ>>続きを読む

RANMARU 神の舌を持つ男(2016年製作の映画)

1.9

ステロタイプなゲストを大量投入すれば面白いだろうという感性。スカムYoutuber並みの風刺リテラシーの低さ。過激な演出で笑いを取るのに頼りすぎで、感情に起伏が起きずフラットになる。編集はやりすぎな癖>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

これはちょっと「細けえ事はいいんだよ!ガハハ!」するには火力不足かな。アクション面では前半の脱走パートが楽しいものの、それ以外の場面は緊張感に欠け、クライマックスすらも例外ではない。それに銭形から魅力>>続きを読む

たちあがる女(2018年製作の映画)

3.9

アイスランドに謎の過激派環境活動家"山女"が出現!SDGsの精霊たちが奏でる劇伴に合わせ、次々と環境保護(デストロイ)を繰り返し産業に打撃を与える!だがそんな彼女も海の外から養子を迎え入れようとしてい>>続きを読む

AI崩壊(2020年製作の映画)

3.3

シンガポールを文明未開国呼ばわりした時点で作品への好感度が地の底に落ちましたが、最終的には結構持ち直せたなと思います。

初動こそ遅いが、AIの暴走が始まってからが本領発揮。美術や考証面での援護が少な
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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

4.7

青春SFのマスターピースであり、ディズニーミュージカルの見事な換骨奪胎。リアル系近未来SFの世界にスーパー系ポンコツロボが襲来し、歌の力でその領地を侵食していく。

大筋はドストレートだが、それを補強
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チャッピー(2015年製作の映画)

4.1

終盤になると生命の定義や自意識というテーマに主眼が行くが、全体を通しては子育て(毒親)映画だったと思う。

生みの親と育ての親、チャッピーは彼らの都合で産み落とされ、各々の利益になるよう善にも悪にも教
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アタック・オブ・ザ・キラートマト(1978年製作の映画)

4.6

怪獣特撮、非常事態シミュレーション、ポリティカルサスペンスといったみんな大好きな要素を煮しめて、最高のコメディに仕上がっている。狭すぎる会議室に図書館男など、Z級だと突き放すにはあまりにもクリティカル>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

4.4

硬派SFの皮を被ったハイパーキャラドリブン。魂の通った登場人物達がおりなす夢と確執の巨大感情バトルが繰り広げられ、そして涼しい、最高。

ミステリとしては単純すぎるが、それを問題としない作り。本質なの
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稀人(まれびと)(2004年製作の映画)

4.0

クトゥルフ映画。カメラマンの男は好奇心から異郷に迷い込み、1人の少女を「飼う」こととなる。撮影地は基本は質素だが、それだけに一瞬写る凶器山脈の情景が大変なインパクト、あれが世界観の構築に一役買っている>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.5

とにかくずっと面白い、ド王道でひねりは少ないものの、あらゆる要素が最後まで高止まりで一才飽きがこない地力の高さが光る。全人物がバチバチにキャラ立ちしているが、なかでも中盤ある人物のハンドアウトが開示さ>>続きを読む

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.7

将太のホテルマン。物語の基本構造やらプロット密度が濃すぎて誰が何の容疑者なのかさっぱり分からない事やら前作とまるで変わらない味わいだが、真犯人のキャラ性がとても魅力的だっだように思う

そこにいた男(2020年製作の映画)

3.5

道徳観の欠如したカップルの行き着く先が破滅だったという話。あらすじやキャラクターはテンプレの範疇にとどまるが、恋人関係の質感と十文字斬りのシーンが良い。取調べコンビのメイクが悪い意味で浮いてた気がする

岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.4

障害を負う兄妹の貧困、そこからゆるやかに、後戻りできない場所へと下ってゆく。目を背けたくなるような日常と、瞬間に訪れる美しさ、凄まじい。

スクールズ・アウト(2018年製作の映画)

3.8

ひ、評価に困る!しかし面白い!!

「真実に目覚めた」優等生たちが新任教師を振り回す社会派ホラー。ギョッとするような驚かしではなく、違和感やままならなさでじわじわと、精神的に追い詰めていくような恐怖演
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トランス・ワールド(2011年製作の映画)

4.0

なによりギミックが非常に良くて、しかしそれだけじゃあないんだぞというパワーもある。情報の出し方とか、それによる空気感の変化とか、設定の再利用とか、とてもうまい。なるべく前情報抜きで楽しんでほしい一作で>>続きを読む

マッドストーン(1974年製作の映画)

3.9

70年代オーストラリア、暴走族と刑事。な、なんだか大変なモノを観てしまったぞ......という気分にさせられる。

ハッキリ言うと全体的に冗長で、編集も荒々しく、特に序盤はひたすら頭が混乱する。しかし
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

4.7

こ、こいつはすごいぞ!ポスターのイメージに騙されないで!ソリッドな質感の導入から始まったと思いきや、作品は唐突にその表情を変える。

風刺要素の強い作品であるが、本質はあくまでバトルエンタメだ。闘争、
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.7

これは、スゲー良かったけど......スゲー困る、心がふたつある〜

有名なオナラ脱出シーンはあくまでも前提条件の提示でしかなく、そのオナラ男(死体)の成長と友情、そして2人の関係から見えてくる社会性
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.7

ワーナーブラザーズ(血文字)
♪討死ダービー払戻確定のテーマ
ガン監督「逝かれたメンバーを紹介するぜ!!!」


おおむねゴア尽くし、スマッシュ暴力ーズ。しかし同時にこれは、脚本が滅茶苦茶上手いのでし
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

4.8

あの制作チームがまたやった!これは家族の物語でもロボットとの戦争モノでもあり、どちらか片方だけを抜き出しても芯が通ったモノに仕上がっている。じつに贅沢な物語体験だ。そしてなにより麻薬的な魅力と目新しさ>>続きを読む

12モンキーズ(1995年製作の映画)

3.5

『ラ・ジュテ』が元ネタなんだけど、あちらとはまるで違う味わいになっているだろう。90年代のアメリカはフランスと違ってイベントエネミーが自生してるし、発狂ブラピも出る。

装飾物過多な気がして乗れなかっ
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第9地区(2009年製作の映画)

3.9

クソ野郎が大一番で人肌脱ぐお話......に見えて、そう単純に割り切れない話にも思える。主人公を些か邪悪にしすぎている気もするが、きっとそういう人間が異者と和解するのを表したかったのだろう。

しかし
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.9

一見するとウォーゲームの三番煎じに見えるが、これはアイドル潭、バーチャル版美女と野獣、学園ラブコメ、ミステリなど、様々な要素が渾然一体になっており、サマーウォーズとはまるで違う味わいとなっているだろう>>続きを読む

プラットフォーム(2019年製作の映画)

4.2

全てに分配するには些か足りない富を、どうあがいても分けられる訳ないシステム下で奪い合う地獄

シチュエーションだけで飯が3杯食えるが、主人公に重い感情を向けるジジイ、子供を探しに殺戮を広げる母など、ア
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