もとこさんの映画レビュー・感想・評価

もとこ

もとこ

映画(148)
ドラマ(0)
アニメ(0)

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.5

華美で気品高く装っていてもこの上なく醜悪

したたかで美しい女をみるのはこんなにも楽しい

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.8

生きてるだけで疲れる
なんでこんなに疲れるんだろう
疲れるのになんで生きるのか
ラストの寧子の言葉で解き放たれる

揺れるスカートは青
彼女を照らす光は赤

味噌汁の味噌買い忘れても
「いいよ味噌なし
>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.6

画面からこれでもかというほどマスキュリニティー
狂気の洪水におぼれた
作品全体に漂うデカダンな美を際立たすブラピの圧倒的存在

自分の名前を見つけるということは、自分を見つけるということ

ラストのピ
>>続きを読む

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.9

どの地方都市にもある、あの広い道路の、両脇にひしめくファミレス・ファストフード・量販店の、車じゃないとどこにもいけない感じの、募る閉塞感を抱えつついつまでも過去に囚われている感じの
なんだろね、あれ
>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.0

爪も髪も伸びてるから時間はたっているはずなのに、彼との関係は安定の距離感で微動だにせず、というか会うたびに胸ぐさりすぎて感覚は麻痺
なんでとなりにいるのにこんな孤独感味わなくちゃいけないのよ…

20
>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

ジュエリーボックスで久々にみつけた指輪を手にとったら、それをよく身につけていたときの思い出もふわりとよみがえり、嬉々とつけてみたけど今のわたしの髪の色にも服の趣味にもどこか浮いていて、すごく好きなんだ>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

4.0

なんとも窮屈な画面だ
卑しい男と女の会話、息がつまる
そこにぽつんと放たれる光みたいなアルムの存在が、不均衡なんだけど調和を生んでこの作品をユニークにしている

最後にそっと何気なく渡されるシーンが、
>>続きを読む

21世紀の女の子(2018年製作の映画)

4.4

“人は女に生まれるのではない、女になるのだ”と言ったのはボーヴォワール
1949年のことだった

時代は21世紀
山戸結希の『離ればなれの花々へ』
これはボーヴォワールへのわたしたちのステイトメントだ
>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

4.5

なるほどナーな絶妙さ
小技が効いてるスマートなコース料理をいただいたみたいな余韻
仰々しくなく、丁寧でウィットに富んでいて、そして最後のデザートまで嫌味がなく完璧だった
デザートに添えられたDr.シャ
>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.0

燃えるような夕陽
それに照らされる閉塞感で窒息しそうな彼ら
美しい対比だった

勢いよく炎をあげるさまは全能感を感じてしまうほどのエネルギーに満ちている
対して彼らはまるで、熱を持たない動物かのようだ
>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.8

ハローわたしミス晴れ女
仕事の大一番も、ここぞというおでかけもいっつも晴れ
晴れてなきゃヤダ
雨降ったら運動会延期になって練習の時間増えるし
お気に入りの靴も傷むし
公園でのんびりもできないし
髪はう
>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

4.0

ままならないの S-O-S…

青春にいちばん近い季節は夏だ
みずみずしくて、腫れもので、はじけて、跳ねて、胸がざわつく
思い出せばそれはいつも夏のこと

子どもでも大人でもないオトシゴロだから生み出
>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.2

女でいるのも楽しいけど、定期的に男の子に生まれたかったナ、、って思う人生でして
思えばそれはこの作品からはじまったのかもしれない
お手本はいつも『スタンドバイミー』あるいはこれ

閉塞感で窒息しそうな
>>続きを読む

コントロール(2007年製作の映画)

4.5

「愛が、また僕らを引き裂いてしまう」
なんだ、そういうことだったの

話が進むにつれイアン・カーティスの孤独と辛苦を表すかのように、画面の中の黒色が濃くなっていく
モノクロだからとても顕著に
もしかし
>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

3.8

ずっと走らす車窓から見える黄土色のグラデーション
ずっとおなじ
毎日が色を失ってくように砂埃
心はもうひんやりでかたい、フローリングみたい

物語は何もない車の中で進む
大げさな何かは必要ない
とって
>>続きを読む

マザー!(2017年製作の映画)

4.7

まず、物語の時代設定がわからない
そして登場人物の名前も分からなくて…
後になってその訳を知ることになる

終始居心地が悪い悪夢
映画ってだいたいどこかで感じた感情を追体験してそれを引き出して言葉にで
>>続きを読む

ジュディット・ホテル(2018年製作の映画)

3.5

ジュディットホテルのフロントに掲げられた一枚の絵画(ちらっとしか映らないけど…)
『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』

これがこの映画のスパイス

自らの美しさで敵軍の総大将を誘惑し、あっさりと
>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.8

チョコレートって甘くてしあわせなんだけど口の中に入れるとその熱ですぐに溶けてなくなっちゃうからかなしい

なんでしあわせって長く続かないんだろう

対外的に証明できない愛は認めないなんてそんなのナンセ
>>続きを読む

女は二度決断する(2017年製作の映画)

4.0

手首を切って流れる血
タトゥーを彫るときににじみ出た血
どんな痛みも、というか痛みだけが堕ちた心に心地よく寄り添う

そんな彼女に再びきた生理
明らかに彼女に希望、そして未来を告げていた
そんなものい
>>続きを読む

ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス(2018年製作の映画)

3.0

やなぎみわのMy Grandmothersを思い出した
若い女性が自らのおばあさん像をイメージして、そのとおりのビジュアルにするっていう作品
そもそもおばあさんになんかなりたくないよ、いまが女盛りなの
>>続きを読む

チワワちゃん(2018年製作の映画)

2.0

女の子は気を使って疲れる
男の子は楽だけど、消耗する

あんなにつるんで、仲良ししてたのに結局1人だった
ごっこ遊びだった

記憶はご都合主義で断片的
若い僕らは、それでよかった

記憶のかけらたちを
>>続きを読む

私の好きなモノすべて(1993年製作の映画)

3.7

それは切り貼りしたスクラップブック
ずっと変わらずの宝物も
そのときの気分のお気に入りも
昔はそんなんじゃなかったけど好きになったのも全部ぜんぶ!
まとまらない頭をそのまま写した消えない思い出

リボ
>>続きを読む

家へ帰ろう(2017年製作の映画)

3.7

あたたかい笑顔で溶けていく心
バターみたいに
じゅわーって

心をがんじがらめに固めちゃうのは人だけどそれをほぐすのも人なのだ

そんな笑顔の持ち主になりたいなあと

アマデウス(1984年製作の映画)

4.5

モーツァルトってもはやパンクだと思うのです
生き方も、音楽も

彼の調べは感情の吐露
かくもみずみずしく起伏に富んでいる
それは、華やかな世界での賞賛だけではなく、父との確執、コロレド大司教との不和、
>>続きを読む

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

4.5

水面ギリギリで映し出されるプールが、その青が、幻想的でほんとうに美しくて思わず涙が出た
まるで夢と現実の境目がそこにあるかのような
善も悪もそこで溶けてしまっているかのような
酸いと甘いの間のやみつき
>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

-

2019年映画館始めはこれって決めてた

かれこれ12時間この作品のこと考えてるけど1文字も浮かんでこない!あっぱれ!

たくさんのクエスチョンマークを抱えて映画館でて「なんだったのだ?」って笑ってし
>>続きを読む

ブリングリング(2013年製作の映画)

3.8

'Cause we are living in a material world, and I am a MATERIAL GIRL!!!!!
だね

彼女たちがショッピング(窃盗)するのに理由なんて
>>続きを読む

全然大丈夫(2007年製作の映画)

-

ああもう明日の仕事始めに震えるハートを落ち着かせるためマイエンジェル荒川良々に助けを求めた訳だけども全然だめ!!!!
『全然大丈夫』じゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

3.9

キャリー・マリガン演じるデイジーが見事で、原作を読んだ時には気がつかなかったデイジーの一面を垣間見れたような気がする

劇中に面白いやりとりがある

ジェイ・ギャツビーがすでに人妻であるデイジーを過去
>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.6

モノクロなのにとても色彩豊かで2時間ずっと目が離せなかった
髪を揺らす風にさえも存在感があった

カメラワークが秀逸
右から左に流れていく中で物語を魅せる

最後だけ、左から右
きゅうっと締めつけられ
>>続きを読む

おんなのこきらい(2014年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ラブストーリー未然なのがよかった

恋する相手にわたしだけをみてほしいってだけだったのに、いつの間にか死角なしにかわいくあることに至上命題が変わってしまった

「かわいい」の過剰摂取
踊り出したら止ま
>>続きを読む

トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.6

でてくる人みんな弾かれたハンバーガーのピクルスみたい
包み紙の上でポツリ、すくわれるときをまっている

ちぐはぐだけどウィットに富んだ会話が静かに、でもじわじわとそれぞれの人物を丁寧になぞってく

>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

5.0

自分の中のティーンエイジャーを殺すかティーンエイジャーのまま死んでいくか、そのどちらか

“What are you doing here, honey? You’re not even old en
>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

4.8

“Merry F**kin’ Christmas!!!!”
オープニングから超さいこう

まっすぐ伸びる視線
迷いのない歩き方
見入ってしまう、まるで花魁がねり歩くみたいで
LAのサンセットが彼女の
>>続きを読む

紙の月(2014年製作の映画)

4.5

雨漏りがしてる場所の穴を塞いでいるの
その水がどこへ行くのか
そんな事悩まなくてもいいように

すり抜けてくる割れを埋めているの
それがどこへ行くのか
そんな事悩まなくてもいいように

カラフルな模様
>>続きを読む

やさしくキスをして(2004年製作の映画)

4.0

とってもよかった
お店で飲むジンジャーエールのような(果肉入りのやつ)

理屈じゃない部分を理屈で通そうとされると余計に反発も強くなるものです
ベクトル違いならまだしも、平行線となった線たちはけして交
>>続きを読む