yuriさんの映画レビュー・感想・評価

yuri

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処女の泉(1960年製作の映画)

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インゲリの表情ひとつひとつに心掴まれる
冒頭の火を炊く窯を掛ける木が格好良すぎ

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

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祭日の異様な熱気と音
佯狂者、という言葉をはじめて知った

(特に第一章はあらすじを見ないと誰が誰で何が起こったのか分からず、あとでそうだったのかと理解する場面が多かった)

倫敦(ロンドン)から来た男(2007年製作の映画)

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寝室に入る光、この世とは思えない
ずっと何かを叩く音が響いている
飛沫で濡れた窓、鈍く、不穏な視点の移動
波音が内にくぐもる瞬間

ビリヤードの球と椅子ダンシングおじいさんたちめっちゃ良かったな…
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.5

波打際で目覚めるシーン

ヒッチハイカーの女の子とふたりでコーンポタージュの缶の底に溜まった粒を叩いて食べようとするところが好き

福田村事件(2023年製作の映画)

2.6

史実を知ることができたこと、このテーマを映画にしたことは素晴らしかったが…
全体的に綺麗な感じ(まとめかた、衣装、演技など)がどうしても不自然で、最後まで違和感が拭えず

AFTERGLOWS(2023年製作の映画)

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内面の空虚さを隠すような当たり障りのないへらへらとした態度から終盤、どんどん剥き出しになっていくさまに気づけば引き込まれていた

1カット1カット、恐ろしいほど美しいショットの連続なんだけれど、それが
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

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冷たくなった肉に土が被さる
生まれた命がこんなにも美しい灯だということ
空爆の音より大きく響く祝福の歌

大きくなったサマが、家族とずっと一緒にいられますように、と祈り続ける

ワアドの親友夫婦、とて
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バハールの涙(2018年製作の映画)

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「私は戦闘員じゃない」
「私も違ったわ」

生活がある日突如奪われ、生きるか死ぬかの日々に変わる、ひとり誰かが撃たれる度に身体と心の奥が軋んで鈍く痛む、これは他人事ではない

シリアのこと、ISのこと
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ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)

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どこまでもクソ義父…!
追い詰められる、でももっと苦しい人はいくらでもいる、ならばこの宙ぶらりんの苦しみは一体誰が救ってくれるのだろうか

殯の森(2007年製作の映画)

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茶畑の葬列

観ている間、ずっと苦しかったけれど、真千子が河を渡るしげきさんに呼びかける、叫ぶ場面で、空虚な内側にひとつ風穴があいて、風が吹き抜けていった

陽炎座(1981年製作の映画)

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夢と死との境目が限りなく曖昧

音もなく舞台が崩れていく

デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

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映画館を出ても、現実感がまったくなかった、映画のせいか、自分の調子のせいか

ダニエル・シュミットが撮った大野一雄が素晴らしくて、いつか映画を観てみたいとずっと思っていたのだけれど、思っていたより惹き
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ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.7

通りをゆっくりと進む巨大な車、男たちの白い息、朝日に向かう影、ガラス窓に映る影、影、陰
鯨の目は黒い金環日食の太陽だった

太陽役おじさんと天体ショーの動きを早速真似している
ベッドの上でびょんびょ
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アウトサイダー(1981年製作の映画)

4.5

アンドリューシュ、ずっと優しい顔をしていた
みんな寂しげな目をして、人懐っこい動物のよう

皺くちゃの老人たちが妙に存在感を放って忘れ難い
音楽と踊り、墓地を通り抜ける列車
とりわけ人間の温度を感じる
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バビ・ヤール(2021年製作の映画)

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占領が進むごとに、そこにあった暮らしが滅びていく
焼けただれた街と大地が人間の皮膚のように見えた
果たしてこれは過去の爆撃なのだろうか

ひとりの人間が神のように称えられ、名もなき数万の人々が一瞬で殺
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ラルジャン(1983年製作の映画)

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救いのないブレッソンが好きだ、と思っていたから途中まではいつもとちょっと違う感じかと思ったが、結局救いのないブレッソンだった
予告編が手、ATM、手、ATMで構成されていてとても良い

ジャンヌ・ダルク裁判(1962年製作の映画)

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淡々と進む裁判、はじめから希望は何もなく、ただ足と手元が生きてすべてを話しているようだった

茶飲友達(2022年製作の映画)

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苦しかった
性を売買するシステムについては、女性が傷ついている限りどちらかといえば否定的に考えているけれど、この映画では、私は誰かが間違っていた、とは言えない

結局のところ、対価の発生する安らぎ、性
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サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

4.3

混沌のなかに大きな愛があり、観た後はどこかあたたかな気持ちになる

不死鳥が胸から飛び立つ描写に泣きそうになった
母の手の代わりになった彼の指の動きがとても美しい

インタビュー動画で、彼のスペイン系
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デルス・ウザーラ(1975年製作の映画)

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デルスゥーーー!!!

雄大で美しくも恐ろしいタイガの自然
途中から黒澤明監督作品であるということを忘れる

津軽じょんがら節(1973年製作の映画)

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すべて打ち砕いていく津軽の荒波

あんちゃんの表情が次第に輝いていくのがとても良かった、仕事をして飯を美味しそうに食うシーンよ
盲目のゆきとヤクザのあんちゃんがとても印象的だったが、ふたりとも新人の
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薮の中の黒猫(1968年製作の映画)

3.6

煙を噴く茅葺きの家、転じて太陽、のシーンがうつくしかった
薮が生きているように蠢く、仄暗い光が漏れる、悲しい

( 殺されたのに息しとるやんけ、とか、こんな綺麗に焼けんやろ、とか、突っ込みどころは多々
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.5

人影の輪郭が曖昧になり映像がぼやけていくフィルムの最後
最も愛を感じるラストシーンだった

大切な場所が朽ちて無くなっていく、皆年老いていく切なさよ

ガザ 素顔の日常(2019年製作の映画)

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こんなにも、ひとつの場所が凄まじい数の悲しみと嘆きと怒りに満たされるとは、どういうことだろう、と考える

映画に出演された方、だけじゃなくて、みんな、ただ生きていてほしい

遺灰は語る(2022年製作の映画)

4.0

古い映像と新しく綺麗なモノクロームの映像、現実と虚構が入り混じる
構図の整わせ方、狂気じみてた

( 火葬の棺を火に入れるシーンだけ、動きがゲームみたいでちょっと笑った )

書かれた顔 4Kレストア版(1995年製作の映画)

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何度でも観たい

港での大野一雄の踊りは、何回見ても涙が出そうになる

ドンバス(2018年製作の映画)

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悪魔のような人間の側面が滲み出るシーンの惨さに言葉もない
沢山の血が流れる映像よりも、ある種グロテスクだった

始まってから暫くはドンバス地方について分からないことも多く、調べて少しずつ理解しながらゆ
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クナシリ(2019年製作の映画)

4.6

北方領土のことをより知りたいと思い鑑賞したが、この世の果てのようなショットが多く、こんな風景が広がっているとは思っていなかった。
そして、そこに暮らす人のことも想像したことがなかったので、映像で見られ
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