naoshiさんの映画レビュー・感想・評価

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

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3つの拠点を描くジオラマ。世界を外観する必要があった頃の話。
さも当然と乳首を鎖につなぐ男がそれを使って状況を説明する。
乳首が逃げ出すことがあるのだろうか。マイクを持って演説しつつ胸をまさぐる、ごく
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蛇の道(1998年製作の映画)

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ストーリーを追うのが二の次になるぐらい面白いが、その面白さはこのプロット故か。
人を物のように運んで、人が物になる過程を描く。
溶接をする。執拗に銃弾を撃ち込む。撮影はたむらまさき。
あのカルチャーセ
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ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー(2022年製作の映画)

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ラスト、止揚を希求する展開が素晴らしい。パリ、テキサスなど引用が強引過ぎるとも思ったが、とても興味深く勉強になった。男女問わず「映画」がそうやって作られ続けてきたという歴史。Youtube、tikto>>続きを読む

クイーン・オブ・ダイヤモンド(1991年製作の映画)

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労働映画かと思ったが一概にそうとはいえず。物語が動きだすのをひたすら拒み続けているかのよう。

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

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見どころしかない。前作に続いての群衆シーンが登場。画面が常に活気づいている。あっけらかんと明るくだだっぴろい海が陽気な恐怖を生み出している。

激突!(1971年製作の映画)

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背後の豊かさ。言葉がでてくるとがっかりするぐらい画に釘付け。速い時は速く、遅い時は遅いとわかる。ここまでヒッチコック味が濃かったか。車運転するようになったから余計怖いのかと。追い越しひとつに明確な意志>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ずっと浅瀬でちゃぷちゃぷしている印象。正面切って挑んでいる感じがしない。作り込みが足りないのだろうか。
薪は割れてしまうし、説明会の安定した進行ぶり、エコシステムはわかったが、子供ひとりを捧げないと落
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

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音が鳴り響いている。白髪まじりの美しいオールバックとカウンターで涙を流すディーラーが登場する作品。
どうして椅子から立つのか。座ったままではいけない。

アイアンクロー(2023年製作の映画)

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一歩間違えるとオカルトに振れてしまうような題材を死ではなく生を描くことで、見事にnobleな作品に仕上がっていた。みな最後の予兆や残響をまとって生きている。いつか誰にでも等しく訪れる場所で。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

大江健三郎が何かで書いていた、科学者は止められないという話だった。たしかに複雑な人だとは思いました。生殺与奪の「ヴィジョン」を得た人として描くとヒロシマさえ狭いわけで。
映画を観る快楽を得られない相変
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ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

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日中の情事。つま先で男をなでる。
弁護士の仕事を終える。寝転びつま先で犬をなでる。
朝の散歩。コヨーテが鳴いている。
家を建てるために奔走する。我先に石を手に入れる。
やっつけ仕事なのか、1歩先もみら
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漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~(2024年製作の映画)

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味わいしかない。東京のお笑い芸人の根城の豊かさ。吉本に食傷気味な昨今、東洋館に行こう。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

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横顔というよりは寄りすぎていて、その皮膚を延々と映していったい何をみせられているのかと思う。それは、これまた延々と映される夜の道と等価のように見える。想像と実際の描写に差異はない。意味もない。音は単な>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

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全人生生涯すべて背負って、ただただ映画を全力で真正面から鑑賞すること。
映画で「奇跡」をいまいちど起こせると思っていないと、このような映画は撮られないのではなかろうか。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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接触は髪を切ったあの場面だけか。労りがそこかしこから伝わってくる。すぐれた俳優たち、これが演出なのか。不思議な事務所の作り。
斉藤陽一郎のすっとぼけた声が宇宙を唄う。永遠に続く暗闇の中でみんな全員働い
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オスロ・ダイアリー(2018年製作の映画)

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平和を願った行動が戦争を産む。パレスチナ自治区のあの狭さ。あの狭さ故ののっぴきならない恐怖が今も続いていることがわかる。貴重な映像が息遣いとともに残されていて、諦めず希望はあると思えた。

ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

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闇に潜むしかない見る/見られるの強烈な否応のない暴力性。画面と編集で冴えわたるストーリーテリングとサスペンス構築の巧みさ。割り切れないし答えられない世界。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

色んなものを、まさに切って開いて進みゆく。腹を開いて頭を開いて股を開いて本を開いて眼を開く。
未知からの世界作り。飲み込めないものは吐き出せば良い。全く悲壮感も影もない労働者=娼婦はみたことがない。

ハードエイト(1996年製作の映画)

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フィリップ・ベイカー・ホールの深い豊かな皺、顔面風景を愛でる作品。

枯れ葉(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

たかが肉の塊。黒いジャケットを着たら電車にはねられる。白や灰色やら色彩の乏しい場所で仕事をして入院までする。
だからこそ花を飾る。暖色鮮やかな服を着る。音楽が流れる。

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

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着実に堅実に面白い。正義の鉄対。耳を傾けること。おそろいのワンピース。
ここでもまたキャリー・マリガン力。

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

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匂いというか、コードが違うというか、規則が違うメッセージをずっと受け取り続けている感じ。面白い。

TAR/ター(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ここにもバーンスタインがいたか。マエストロもそうだが、音楽性とドラマをリンクしてほしいので物足りないが、そもそもそんなものを望みようもない話ではある。
で、その話の方は、この人がどこに行き着くのか気に
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

若い女の子を出さないともたないなら、そんなものは最初からやめてしまえばいいのに、と思う。怠慢だ。

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

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カットを割ると失われてしまう長回しでしか獲得できない豊かさ、親密さが戦闘や部屋の中、至る所で緻密に展開される。
距離がゼロ地点の回転体は圧巻。

EXIT(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

クライマックスが縦移動ではなく横移動とは。

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

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比較され値踏みをする、される世界の手前で、しかしnot in serviceにたどりつくしかなく、その描いた残酷な物語をゴーストワールドと名付けてしまう、批判精神が素晴らしい。
それはともかく、ゾーラ
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

今作はダンスではなくチャンバラとカンフーだが、しょうがないがこれはなかなか弛緩させる。
スクリーンプロセスがよくあってある。異世界へと導いてくれる。
帝王切開なんだろうか。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

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些細なセリフや袋吊るしただけでうみだされるサスペンス。大自然の真っ只中で、画面はまったくもって人間にしか興味をみせない。冒頭へといざなうラストカットもとても好ましい。

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

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みんな嘘つきだが流れる音楽は嘘をついていない、ように思えた。

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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真ん中にひとつの画面があり、それが横に引き伸ばされて、中央に縦に黒い線が入り画面が2つになる。

2つの画面を同時に認識したいので、その黒い線に焦点をあて画面をみつめる。が、その状態では各々ぼんやりし
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

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久々にみかえしたら、かなり内容を忘れていて、新鮮で最高だった。

歩く歩く、世界が変わる。世界を変えたくて、走る走る。情動が映像ですごい快感。