菫さんの映画レビュー・感想・評価

菫

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リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960年製作の映画)

3.0

喋る食人植物、爆誕。
ゲラゲラ笑いながら観た。ドジで冴えない主人公・シーモア、良い子だけどちょっとヤバそうなオードリー、サディスティックな歯科医師、ジャック・ニコルソン演じるマゾ患者、親戚がやたら死ぬ
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エディット・ピアフの 9人の少年・心はひとつ(1948年製作の映画)

4.0

奇跡が必要なのは、天国ではなく地上

ここ最近エディット・ピアフに心惹かれるので、アマプラにて鑑賞。
クリスマス・イブの夜、クリスティーヌと9人の青年は仕事にあぶれ、食べることも儘ならない。寒さとひも
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.0

好きな人がいてその人の前だと
黙りこんじゃうの
それかつまらないことしか言えなくなるの

エリック・ロメールの映画には、爽やかで懐かしい夏の匂いが漂っている。フランスには一度も行ったことがないけれど、
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0

うわあ、何これ……!!!
文字通り手に汗握る展開、観終えた今、ただただ呆然としている。
過去と未来の反転。パラレルワールド。祖父のパラドックス。

カニュードという映画理論家は、大衆娯楽として見做され
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ラブストーリー(2003年製作の映画)

3.5

二度と帰れない青春の日々を
写真ようにあなたの心に焼き付けたい

親友から、先輩へのメールの代筆を頼まれている女子大生、ジヘ。(実はジヘ自身も、密かに先輩を慕っている)ある日、ジヘが家の整理をしている
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SADA 戯作・阿部定の生涯(1998年製作の映画)

3.0

心なんて、心なんてどこにあるのよ!

心か、肉体か。
定のサバダバダ〜&女同士の喧嘩のシーンでちょっと笑ってしまった。大根も喧嘩に使われるなんて思ってなかっただろうな。

美しき小さな浜辺(1948年製作の映画)

4.5

雨の降りしきる海辺の町に、どことなく物憂げな一人の青年ピエールがやってくる。ピエールの訪ねた宿では、女主人のほか、女中マルトと孤児の少年が働いている。ピエールは次第にマルトと心を通わせ、少年にも歩み寄>>続きを読む

美女と野獣(2014年製作の映画)

4.5

薔薇に囲まれた古城。きらびやかなドレスとジュエリー。映像が夢のように美しくて、思わずうっとりした。まるで一流の調香師が配合した香水のような、高貴で耽美的な世界観。
面白いな、と感じたのは「森の神」の存
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LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て(2018年製作の映画)

3.3

三上博史目当てで鑑賞。

舞台はとあるラブホテルの828号室。警察官の間宮がデリヘル嬢の麗華とイチャついていたところ、間宮の妻、詩織が乱入し……。文字通りグランドホテル形式の作品。
いや〜馬鹿馬鹿しく
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白痴(1999年製作の映画)

4.0

「人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。」
――坂口安吾『堕落論』

戦争末期の日本。そのさまは、1945年当時を彷彿とさせつつも近未来的である。映画制作を志す伊沢は
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

昨日は猫映画を観たので、今日は羊🐑
子供を亡くした羊飼いの若夫婦、イングヴァルとマリア。ある日、二人が雌羊の出産に立ち会うと、「異形のもの」がうまれる。「アダ」と名付けられたその存在は、夫婦から一身に
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死の接吻(1947年製作の映画)

3.0

昨年鑑賞。リチャード・ウィドマークの「ヌヘヘヘヘヘヘ」という笑いが恐ろしすぎて(部屋が寒いのも相まって)心臓凍るかと思った。
子供たちの車窓から投げキッスが唯一の救い。かわいい。

私は猫ストーカー(2009年製作の映画)

4.5

あけましておめでとうございます🤍🐇(&お久しぶりです)
昨年は仕事が忙しくて、もう「労働労働労働!!」(Wの悲劇の三田佳子風に)って感じだったので、今年は余裕を持って生きられたらいいな。
2023年の
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ともだち(1974年製作の映画)

4.0

川崎に住む小学生・新太は、サッカーが好きなガキ大将。ある日、席替えで岩手からの転校生・良子と隣になる。この町に引っ越して以来、喘息を患う良子は、クラスメイトと上手く馴染めずにいた。地井武男演じる先生は>>続きを読む

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

4.5

もともと3Dとして制作されたためか、ビビッドな色彩が目を引いた。
脈絡のない会話。論理的整合性の欠落したモンタージュ。この世界は、混沌に満ちている。生まれたての赤ん坊の目に映る世界こそが、世界そのもの
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こおろぎ(2006年製作の映画)

4.0

自分にはこの男しかいない。
この男がいなければ自分もいない。

舞台は西伊豆。日常のなかで繰り広げられる摩訶不思議な幻想譚。中年に差し掛かった女(鈴木京香)は、盲目で口も聞けない老人(山崎努)と二人き
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いま、会いにゆきます(2004年製作の映画)

3.5

竹内結子さんが美しくて、可愛らしくて、儚げ。柔和な中村獅童さんも良かった。

ロケ地のひとつ、山梨県北杜市のひまわり畑は、中学の林間学校で毎年訪れた思い出の場所。もうね、本当に素敵なところなの。ぜひみ
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それから(2017年製作の映画)

4.0

ホン・サンスの映画は、モノクロームの美しさを教えてくれる。

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.5

ニューヨーク市警の刑事ニックとチャーリーは、ヤクザの佐藤を連行するが、大阪に着くなり取り逃がしてしまう。彼らは日本の刑事マサの手も借りながら佐藤の行方を追うが、その途中、チャーリーはヤクザの集団になぶ>>続きを読む

無垢なる証人(2019年製作の映画)

4.0

「自分自身を愛してほしい。それでこそ他人も愛せる」

チョン・ウソン(あ〜かっこいい。好き、、)目当てで見たのですが、思ってた以上に感動しました。
キム・ヒャンギの圧倒的演技力よ。もはや「演技」を超越
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あしたのジョー(1970年製作の映画)

2.5

原作ファンです。
漫画連載時に映画が制作されたので、ラストが中途半端なのは仕方ないかな。(え、ここで終わるの???って感じだった)
少年院のケンカのシーンで、コミック風フォントが出てきて(バキッボコッ
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アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

4.5

世界最高齢の映画監督マノエル・ド・オリヴェイラによる幻想美。
カメラマンの青年イザクは、夭折した花嫁アンジェリカの最後の写真を撮るよう依頼される。静かに雨が降りしきる夜。白いドレスに身を包み、花束を抱
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

5.0

まだ恋を知らない少女、ポーリーヌ。彼女は年上の美人ないとこ、マリオンとともに、ノルマンディーの避暑地を訪れる。庭に咲くあじさいの花。白い水着。砂浜につけた足跡。夏の陽が反射する青い波。ひと夏のアヴァン>>続きを読む

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.8

僕の幸せはただ一つ
君の幸せだ
君を幸せにしたいんだ

朝、君が目覚めたとき
その窓を開けて
遠くの山が見られたら
きっと元気が出るよ

「友だちのうちはどこ?」「そして人生は続く」に続く、キアロスタ
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.5

映画だって嘘ばっかりじゃないんだ

1990年、イラン北部を襲った大地震。前作「友達のうちはどこ?」の撮影現場となった地域は甚大な被害を蒙る。監督は映画に出演した少年たちの消息を追うべく、息子とともに
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桜桃の味(1997年製作の映画)

5.0

人生は汽車のようなものだ
前へ前へ ただ走ってゆく

消えたい人生終わりにしたいってこれまで何度も思ってきたし、こういう漠然とした希死念慮って、永遠に立ち消えることはないのだろう。生きている限り、何か
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容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

3.5

夢のような人だから夢のように消えるのです。

堤真一!! ラストの慟哭シーンは勿論なんだけど、普段の石神の所作や佇まい――バッグの持ち方だとか、丸まった背中、張りのない声――が、“冴えない、落ちぶれた
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ピグマリオン(1938年製作の映画)

3.0

原作者のバーナード・ショウが脚本に名を連ねているものの、本人の了承なしに結末部が改変されたのだとか。ショウ自身は映画の試写会でそのことを知り、びっくり仰天。なんで勝手に変えちゃったの〜。オードリー・ヘ>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.0

20年以上前の作品だけど、女性の学歴を巡る問題・貧困など、2020年代の日本にも通じる作品だった。女の友情の描き方がとてもリアル。時が経つにつれて変わってしまうもの。何があっても永久に変わらないもの。>>続きを読む

ざくろの色(1971年製作の映画)

5.0

18世紀アルメニアの吟遊詩人サヤト・ノヴァの生涯と彼の詩的世界のイメージを“映画”として表現した作品。地面を叩きつける水の音。強風にはためく書物。街に響く鐘の音。人々の深い祈り。ざくろの色の誘惑。醒め>>続きを読む

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

4.5

憧れの先輩を慕い、田舎から上京してきた女子大生、アキコ。すっかり変わってしまった先輩に愛想を尽かした彼女は、伊丹十三演じる心理学の教授の実験台にされ……。
黒沢清による、エキセントリックでエロティック
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犬王(2021年製作の映画)

4.0

〈物語〉はいかに紡ぎ出されるか、を描いた〈物語〉。白熱のライブシーンは、フレディ・マーキュリーとデヴィッド・ボウイとマイケル・ジャクソンが合体して室町時代に降臨した感じ。最高にロックでアバンギャルドだ>>続きを読む

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.0

超高速!恐怖のまわれまわれメリーゴーラウンド!
テニスプレイヤーのガイは、列車で偶然居合わせた「見知らぬ乗客」ブルーノから、「交換殺人」を持ちかけられる。適当にあしらうガイだったが、以後、ブルーノにし
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早春物語(1985年製作の映画)

3.0

「恋したから喋りすぎるってことだってあるんだもの」

親子くらい年の離れた男性に惹かれてしまう気持ち、ちょっと分かるかも。これが恋なのか、憧れなのかは分からないけど。
懸命に背伸びしてる原田知世が愛ら
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