patroneさんの映画レビュー・感想・評価

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蛇の道(1998年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

20240527

シンプルな勧善懲悪ものだけど、所謂黒沢的演出や香川照之のねっとりとした演技に震える。目がイカれてる。読後感というか、鑑賞した後も釈然としない感じが続いて溺れる感じが心地良い。ただ、
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

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20240525

ぼやっとした色味、美しい画、深くから響くような劇伴。たっぷりと間を持ったシンプルな会話。一つ屋根の下で暮らしている相手でも、本当のことを何にも知らないまま、知ろうとしないまま、有耶
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

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20240522

キャスト豪華、エキストラ多すぎる。破壊されたパトカーの量も桁違い。とにかくスケールと勢いでねじ伏せている。最高の兄弟。細けえこたぁいいんだよ踊れ踊り狂え。

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

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20240514

モノクロームの空間にすっぽりと佇む教授とピアノ。静謐な旋律も散る醜さも、彼の全ての人生が、彼自身の作品によって解体され、羽ばたいていく。彼はもうこの世にはいないんだ。でも、彼の作っ
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

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20240512

他人のそばに居てあげたいという自分の意思を尊重するために、自分自身を犠牲にしてしまう。友達以上恋人未満って言葉があるけど、複雑。茨の道を突っ切っていることは分かっていても、その先に
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ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

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20240512

溢れんばかりの陽の光。ホルガ村では早朝の起きたてのような色彩がずっと続く。カメラの動きが独特で気持ち良い。ただありえないとは言えない、妙に説得力のある世界観。トラウマの浄化、外界と
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M(1931年製作の映画)

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20240511

美しい構図、マッチカットによる対比、口笛や影、風船といったモチーフ。人間が人間に対して行う残酷。100年前とは思えない映像と脚本で、久しぶりに度肝抜かれた。映画制作のアイデアの宝庫
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ヴィヴィアン・マイヤーを探して(2013年製作の映画)

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20240507

残された大量のネガ。様々な証言から浮かび上がる、ヴィヴィアン・マイヤーの正体。優れた写真家以前に一人の人間であったからこそ、生きた人間を写せる。ゴッホとはまた違うけれど、どういう思
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

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20240416

ヴィ―ガンズハムってそのまんますぎる。夫婦どちらもまともじゃないけど、特に奥さんの言動が終始キマっていて、優柔不断な夫がかわいそうに思えてきた。後半の連続殺人のシーンはやけにテンポ
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

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20240415

ストップモーション風のCGで描く小さな世界。人間世界とは別の時間の流れやそれに呼応する感性がある。実写と合成しているので手間は掛かっただろう。手振れしたりピンボケしたりの即興風の撮
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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20240413

人類の最重要人物の一人オッペンハイマーが背負う人間の業。時系列を自在に操るノーラン節に加え、原爆をモチーフにした映像表現・演出が素晴らしい。音響・音楽の抑揚にも隙が無く、長時間な点
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

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20240413

子供同士でしか癒せない、年上に対しての漠然とした反抗心や家庭的な悩み。今はあまり意識できないけど、年を重ねたら浮かび上がる少年時代の哀愁があるんだろうか。そして海外の子供はあまりに
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映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

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20240401

音楽の居場所。魂の居場所。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

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20240319

他人を踏み台にする厳しい世界での、魂のぶつかり合い。静かに輝く火花は確かに青色をしていた。寒く険しい都会のビル群に良く映える。CGの馴染み具合が気になる人には気になるかもしれないが
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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20240317

スペクタクルを間近でじっくり観られたことに感謝。地に足の着いたモダンでキレッキレの映像。地鳴りのような音響。宗教観。前作の不足点を補って余りあるものにしてくれた。これだけ長くてもも
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

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20240314

しっかりコメディなのに不意打ちにひろしの回想シーンはずるいって。昔の匂いを求めて、まだ見ぬ未来へ期待を高ぶらせる懐古も、否応なく享受し続ける今があってこそできるものだ。今を共に生き
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

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20240313

終始漂う不穏な雰囲気と所々感じる映画としての荒さ・安っぽさが、まだ何かあるんじゃないかというスリルを作っている。オカルト要素、白人にはできないブラックジョーク。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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20240312

あざといほどの演出、メリハリの効いた画面が映し出すのは困難な現実からの脱出ではなく、はたまた偉人の成功体験でもない。スピルバーグの、映画に対する根源から湧いて出たような純粋性。そう
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DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン(1983年製作の映画)

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20240302

二回目の鑑賞。参考資料がてら観たが、戦闘機の描写が本物のそれでびっくり。自主制作かつ時代も時代なので荒い部分はもちろんあるけど、その荒さが特撮というジャンルに合っていてノイズになり
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

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20240302

二回目の鑑賞。スチルの連続なのに(でこそ?)観れてしまう。映像→写真という情報の削ぎ落としとそれによって生まれる抑揚によって、現在という「瞬間」を強調しているように感じ、そのミニマ
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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20240302

低温。ニカンデルが年の割にピュアでダサい。華やかとは程遠い庶民のためのロマンスで、ダイナミクスは無いものの安心して観られる。コメディとしてあざといところが少々あって気になったが個人
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

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20240228

原作知らずで押井守というだけで観たけど、本当にのびのびとメタをやってて気持が良い。夢というテーマを大義名分にしてやりたい表現をやっている感じ。キャラのテンションも相まって、アッパー
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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20210222

単調に見える日々の中で小さな発見や出来事を楽しむ、パッシブな主人公の姿勢は、まるで木漏れ日に当たり少しづつ背を伸ばす植物のようだ。幻想的な夢の映像を挟みつつ、日が重なっていく。やが
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

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20230202

二回目の鑑賞。脚本演技撮影編集音楽どれをとってもスタイリッシュで抜群にかっこいい。銀行強盗失敗してんのに。タランティーノの映画はどれもメタっぽくて、架空の映画を観ている感覚がある。

サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年製作の映画)

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20240201

ヴィヴィッドトロピカルな色彩やチープな特撮。商業主義と諦観。ストーリーは無く、全てを悟ってしまって何も無いことを証明してしまったかのような映画。無いだけが有る。

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

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20240201

非フィックス撮影による飲んだくれの珍道中と思いきや、結構シリアスにもなったりして、最後はマッツのダンスが全部持っていく。家庭・友人・職場の両立って難しいけど、くだらない実験をやって
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茶の味(2003年製作の映画)

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20240126

全編通して鳴り響くスティールパンの音色が印象的。淡々と切り取った日本の田舎が宇宙にはみ出ていくイメージ。ナンセンスコントぽい演出は下手に使うと映画の雰囲気を壊しかねないが、本作はと
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

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20240124

幼児性と暴力性。自傷。彼は衝動で全てを破壊し、全てを失う。そんな男が、この世にべったりと貼りつく社会性への反抗の象徴として、不本意ながらも生き永らえてしまうのには独特な余韻があった
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トニー滝谷(2004年製作の映画)

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20240119

原作未読。右から左に流れる場面転換や生気のない色彩などの静かな演出がやるせなく、心地良い。第三の壁を越えて語りに参加する登場人物。孤独なトニー滝谷が、孤独でなくなって、また孤独にな
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エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

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20240116

思い切ったロングショット、画面に張り付いた退廃感、血の気の無さ。そんな中で彼らの音楽だけが、あの広い草原だけが、生き生きとしたさまを見せている。達観しているようで衝動的な浅野忠信の
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NO SMOKING(2019年製作の映画)

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20240104

変なステップを踏んだりぴょんぴょんジャンプをする細野氏から、音楽の身体性を感じる。良い音楽は身体が動く。道を極めた達人のようでいて親戚のおじさん的な親しみやすさもあるような彼の雰囲
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

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20240104

即興から始まり、音楽自体の様々なスタイルを借用しながら「映画音楽」という一つの答えを導こうとする人々のドキュメンタリー。観客の視線の振り付けという考え方には成程。映画に対して謙虚な
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

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20231231

エンタメ要素はそのままに、一作目から一貫した「自然に対する人間の業」というテーマ性を強く感じた。恐竜という大昔の要素を使いながら現在や未来の問題にフォーカスしていく感じが現代っぽい
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

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20231230

ゲームを邪魔しないオリジナルの展開。静と動の秀才的な画面構成は参考になる。これだけ要素を出しても網羅しきれないコンテンツ力はやっぱり凄いし、何よりちゃんとプロモーションにもなってい
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交渉人(1998年製作の映画)

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20231229

警察さえ信じられない状況下、誰が正義なのかが曖昧なまま進行するので、終始情報に飢えた状態で緊迫感があった。殆ど夜なので全体的に画が暗いけど主演の二人の存在感がその分際立っていた。決
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カリスマ(1999年製作の映画)

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20231227

木を巡る人間達の対立は不条理な展開を引き起こす。引きの殺人、不気味なほどに洗練された構図、緊張感を持続させる長回し。これだけ浮遊感のあるストーリーでも画面に食いついてしまうのは演出
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