シネマQさんの映画レビュー・感想・評価

シネマQ

シネマQ

スネーク・フライト(2006年製作の映画)

4.0

語りの効率の良さや、とにかくB級に徹してくれて楽しい。ギャグシーンもしっかり笑える。
空調直した後の女性のアップ、ちゃんと風が吹いて気持ちよさそう。こういうの大事。
殺人事件どこ行ったの?というラスト
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キートンの警官騒動(1922年製作の映画)

4.0

ファーストカットから囚われてるように見せかけて、ラストは本当に捕まって終わる。
財布のネコババから素晴らしすぎ!車が行ったり来たり。
走ってきた車に捕まりビュンと逃げ去る神業も。
工場の出口ならぬ警察
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高原の情熱(1944年製作の映画)

4.0

永遠にダイナマイト炸裂してて面白い。
しかし最後の最後で銃は炸裂しない。
映画はこれくらい狂人達の集まりの方が面白いに決まってる。アル中の彼氏が最高。
狂ったように踊るささやかな仮面舞踏会。紙吹雪が舞
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あみこ(2017年製作の映画)

2.0

突飛な行動も理由や動機がハッキリしてるからつまらない。
ゴダールが面白いのは、そこに意味が乗らずに踊る、走るという瞬間しか無いからでは?

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

4.0

前半の西部劇、ロードムービーが想像以上に面白かった。落下で貫かれているアクションの主題も徹底している。ホラーっぽい演出も多く楽しい。
鳥の卵や、人間が使っていた毛布やマクガフィンをコロコロと転がしてい
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金髪乱れて(1932年製作の映画)

4.0

とち狂った登場人物たちが楽しい。
よろよろとフレームインしてきて進行を妨げまくる酔っぱらいに、犬と飼い主。
禁酒法時代(多分)に観客に向かって飲酒を勧めまくる親父も笑える。
ベネットが親父に出てけとウ
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恐怖の背景(1943年製作の映画)

4.0

気がついたら置いていかれるスピード。というか置いていかれて物語あんまり分かってない。しかし面白い。物語の速度に合わすように、超速カーチェイス。
ナチスの大佐の背後で扉が開くカットかっこいい。

アメリカの恐怖(1936年製作の映画)

4.0

ケイリー・グラントの登場の仕方がニュッとピントの奥から出てくるのが粋。
グラントとジョーン・ベネットのかけ合いがとにかく楽しくまるでヒズガールフライデー。
腹話術もだし、ベネットが偽の銃撃を仕掛けたり
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.5

冒頭のマーケット暴動が最高。イーライ・ロスの意地悪さも上手く出てる。ここから最初の殺人までがピークなのがもったいない。
鋤ぶん投げる所は上がった。

牛泥棒(1943年製作の映画)

4.5

ヘンリー・フォンダとハリー・モーガンがやって来るファーストショットから事件が起きて自警団を形成していく一連が不穏な空気といい、出てくる人物造形から何からもう完璧すぎる。
ダナ・アンドリュースの手紙を読
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馬上の二人(1961年製作の映画)

4.0

帰るべき場所を奪われた人間たちの末路が恐怖。スチュアートのブチギレでスカッとさせたかと思えば、怒涛の勢いで私刑シーンまで。そしてラストは新天地を目指しほのかな希望を抱かせる。感情が忙しい終盤。
土埃は
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ケンとカズ(2015年製作の映画)

2.0

せっかく良いロケーションを準備したり力の入ったバイオレンスシーンを段取ってるのに、顔にしか興味が無いのは何故なんだろう。
語られ尽くしたようなお話もつまらない。

キートンの隣同士(1920年製作の映画)

4.5

ロープを伝っての建物から建物への移動といいロープ一本で空間をこれだけ拡張していくのキートンにしか出来ない。
3段肩車、体幹どうなってるんだ。凄すぎる。

キートンの案山子/キートンのスケアクロウ(1920年製作の映画)

4.5

ウォレスとグルミットみたいなギミックたっぷりな家。歯の抜き方といい全てがシステマチックで楽しい。
キートンのために用意した医療グッズがいきなり車に轢かれて自分に使うのも最高。ここの車の凶暴さがやばい。
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The Golden Louis(原題)(1909年製作の映画)

3.5

出てくる大人が全員どクズでドン引き。
最後にギャンブラーは改心するものの、その後ろでギャンブラーがばら撒いた金貨を拾って去ってく大衆が一番やばい。
金貨へのクローズアップ。

最後の一滴(1911年製作の映画)

3.5

画面を埋め尽くす砂埃。
酒を飲み続けて迷惑をかけ続けた男が友人に水を飲ませて助ける。

せかいのおきく(2023年製作の映画)

4.0

白黒、スタンダード、笠松撮影と画面の豪勢なこと。川を下る船、鳥、美しい〜。
長屋の捉え方もさすがです。
テーマが前面に出つつも、“せかい”の概念を提示する佐藤浩一と寛一郎の会話が時代背景の説明にもなっ
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キートンの西部成金/キートンのゴー・ウェスト!(1925年製作の映画)

4.5

雄大な風景の中で牛と仲を育むキートンも面白いけど、やっぱり都会へ行くところから一気に盛り上がる。
凄まじい物量の牛、牛、牛。
キートンが銃で制御するのが牛でなく人間たちなのが博愛的。
リリアン・ギッシ
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The Curtain Pole(原題)(1909年製作の映画)

4.0

長い棒持ったら起こりうるドタバタをこれでもかと詰め込んでて笑えて面白い。
逆再生も驚かされる。
そもそもカーテンポールとして役割を果たしてないけど、ラストポールの居場所すら失い食べられるのには驚くし、
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おお至高の光(2009年製作の映画)

4.0

聞く事を強要するような黒み画面に大音量の音楽。テクストの朗読。そうした聞く訓練のあと耳を澄ますと、川の音や鳥の囀りが聞こえてくる。
朗読する中光が移り変わっていくのも美しい。

アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

5.0

一発目の演奏シーン、カメラが動く瞬間と伴奏が始まる瞬間が一致していて気持ち良すぎる。ただ厳格なだけでなく、こういう事も出来ちゃう。
ただ微妙にカメラが遅れていて、伴奏が始まった事に驚いてカメラが動いた
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ゴダールのリア王(1987年製作の映画)

4.0

No thing 何もないところから再び映画を生み出そうとするゴダール教授の戦い。お供にカラックスとジュリー・デルピーとは何とも豪華。
物語は正直はい?って感じだけど、湖畔の人々や馬、室内照明のゴージ
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アワーミュージック(2004年製作の映画)

5.0

講義でも語られる切り返しが至る所に現れ、よそとここを繋いでいく。
ナード・デューとサラ・アドラーの存在の切り返し。
ナード・デューの正面と背後の切り返しも印象的。
ゴダールが花を育てるのは天国への準備
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ジャン・ルノワールのトニ(1935年製作の映画)

4.5

ロケーションがやばい!撮影が見事すぎる。
森を歩く人々。湖を行くマリーの神々しさ。
虫に刺されたのを介抱するシーンの生々しさ。
ジョセファがアルベールと結ばれる前のシーツの白さが恐ろしい。
ラストの高
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毒薬/我慢ならない女(1951年製作の映画)

4.0

ラジオ流しながら無言でご飯食べる切り返しと理屈が全く分からない無茶苦茶なハッピーエンドが最高。
妻が死ぬ瞬間の叫びも嫌な感じで良い。
薬屋の顛末に一番笑った。

ワン・フロム・ザ・ハート(1982年製作の映画)

4.0

すべてが過剰でコッポラの幼児性がこれでもかと溢れてる。最新作の『メガロポリス』も似たような感じで嬉しくなる。
過剰な照明、カメラワーク、エキストラ、音楽。セットだから出来る別空間の繋ぎとか、もう頭がお
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私のように美しい娘(1972年製作の映画)

4.5

全シーンが語られた回想になっていて、そこには現実の重みが存在せず蹴られた少女が宙に浮くなんてギャグ漫画の世界。
ギャグシーンのゴリ押しでとにかく軽々しい。
ベルナデット・ラフォンもその瞬間の欲望に忠実
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恋のエチュード(1971年製作の映画)

5.0

3人という数に呪われた関係性の悲しさ。
2人では決して続いていかない。
レオーもそうだし、誰も彼もが軽薄で素晴らしい。誰かと恋に落ちる事にどんな心理も必要ない。
ステイシー・テンデターのみ愛を信じてる
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

生きていくための暴力性が冒頭から発露していてとても不穏で良かった。
説明会の嫌〜な感じは手慣れた感はあるものの、やっぱり楽しめる。
終盤の懐中電灯のショット。
自然との切り返し。分かった風だが人間の論
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チャップリンの黄金狂時代(1925年製作の映画)

4.5

雪山の大嵐に、崖の崩落、小屋のシーソーと大スペクタクル。
孤独を馬鹿にされて、パーティの音を聞いてるチャップリン切なすぎる。
雪のように舞う羽毛。
チャップリンが鶏に見えたり、パーティを夢見たり、想像
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ヘンリー(1986年製作の映画)

3.5

いきなりの死体オンパレードにおっとなるし、心理的なものを排したマイケル・ルーカーも良いんだけど、悲しい過去語りの顔にズームしていくのに、ん?となってしまう。
電気屋の殺人シーンは白眉。
ラストの突き放
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地に堕ちた愛 完全版(1984年製作の映画)

4.5

虚実の入り混じりを導入のスムーズさで巧みに見せていく冒頭シーンが上手い。
さすがに長さは感じるものの、シャンプティエ達の画面を見てるだけでもそれなりに楽しめてしまう。
リヴェットのギャグも結構ハマって
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

4.0

中学生が考えた妄想のような、もっと言えば3歳の子供が遊ぶ怪獣人形ごっこに徹していてここまでやれば立派。
人間パートまじで30分くらいしか無いんではという飛ばし具合で、コングとミニコングのやり取りなんて
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街の灯(1931年製作の映画)

5.0

切り返しが映画において見つめ合う技法だけど、目が見えるようになったヴァージニア・チェリルとチャップリンが真に切り返される事はない。単独じゃなく頭越しのショットになっている。
切り返しによって出会った二
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サーカス(1928年製作の映画)

4.5

ヒロインや仲間たちが去りフレームアウトしていき、円の中に取り残され星だけが手元に残る。そんなの興味ないよと捨てて、アイリスアウトで自身を映画の中に閉じ込めて終わる切なさに泣ける。
ギャグもどれも面白い
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リオ・グランデの砦(1950年製作の映画)

4.5

南北戦争のせいで分たれていたジョン・ウェインとモーリン・オハラが、ディキシーを聞きながら目を交わすラストに目頭が熱くなる。
そのための音楽映画でもある。音楽シーンそのものの素晴らしさは言わずもがな。
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