matsukemさんの映画レビュー・感想・評価

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.8

飛行機で視聴。前評判か高くて期待して見るも、まあまあな満足感。ダークな世界観に比して話が英雄のシンプルな成長物語、というか。また宇宙全体をまとめるような英雄の主人公が意外とキャシャな体格なのも目につい>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.3

大好きな監督ジョーダンピールのスリラー19年作。やっと見れた。最高だった。良い意味で荒唐無稽なストーリーと秀逸な演出による今まで味わった事がないようなゾクゾク感。エンタメと芸術性を両方満たしてくれる稀>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

3.5

一回目から2か月置いて二回目の挑戦も撃沈。一回目より5mmぐらい理解は進んだと思うし相変わらず終始惹きつけられるが、残念ながら知的好奇心も湧かず感情にも響かず。ノーラン、本気で作ってるだろうしインセプ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

クリストファー・ノーラン監督23年作。科学者としてのachievementと、それが世に知られた(落ちた)後のネガティヴシナリオ。この究極のジレンマを主役のキリアン・マーフィーが見事に多面的な演技で表>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

マーティン・スコセッシ23年作。1920年代、アメリカ・オクラホマに強制移住させられた歴史があり突然居住地で石油が掘れて莫大な富を掴んだインディアン先住民が、財産相続を狙う悪い悪い白人達に忍び寄られて>>続きを読む

イコライザー(2014年製作の映画)

3.7

元CIAがロシアンマフィアをほぼ危なげなくひたらすやっつけるデンゼル・ワシントン主演の14年作。勧善懲悪のいたってシンプルなストーリーだが2時間飽きずに見れたのはデンゼル・ワシントンの魅力に負う所が大>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.2

ブレードランナー2049監督の21年SF大作。スマホでプライムビデオというミニマムな映像体験でもすごく楽しめた。元々ブレードランナー2049もそこまで世間の評価は高くなかったと思うが、僕は監督の表現す>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.1

押井守監督84年作。毎日学園祭前日が続くというループものSFコメディ。原作アニメに親しんだ世代ではギリギリないが、とても個性豊かなキャラクターと押井守の作家性とも言うべきクリエイティビティが掛け合わさ>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

フランス監督の23年パルマ・ドール受賞作。夫の転落死に対して妻が容疑をかけられるサスペンス。個人的なハイライトは生々しい夫婦喧嘩の回想シーン。夫婦の事は夫婦にしか分からない、とか言うが正にその通りの描>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

カウリスマキ6年振りの23年復帰作。映画館で鑑賞。とても良かった。あんまり良い事が起こらず毎日の生活にあくせくする男女の慎ましい恋物語。前半は笑顔もなく抑揚のない生活が丁寧に描かれるが、イカしたシンセ>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

4.1

ウォンカーウァイ00年作。マギーチャンとトニーレオンによる既婚者同士の恋愛を描いた60年代が舞台のロマンス映画。ほぼ全部に香港の味のある建物や骨董品やビンテージの衣装が映っていて目が一切疲れない。2人>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

4.0

カウリスマキ94年作。60年代にフィンランドでバカ受けしたらしい英国パブロックバンド The Renegadesの曲で彩る男女4人による極上のロードムービー。ヒッチハイクには応じるが一切会話しない、な>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

栄華を極めたクラシック指揮者が没落していく様を描く22年作。大女優で主演のケイト・ブランシェットの力量も大きいと思うが、勧善懲悪な没落劇なのに主人公に憎い感情移入が芽生えず、とても人間味溢れる魅力を感>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.0

コメディでありながらも根深いテーマを真正面から描いた感動作。「女性」がテーマだが、「自分らしさとは?」まで昇華しているため男性でも深く楽しめた。女性が一番自然に振る舞える国と思っていたアメリカからこう>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.9

カウリスマキ労働者三部作の90年三作目。主人公によるまあまあな復讐劇なのだが、そこはカウリスマキ・スタイルで坦々とライトに描かれる。かといって決して薄味な映画ではなく、要所での効果的な挿入歌が情念を提>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.9

スウェーデン監督の22年パルマ・ドール受賞作。豪華客船と難破後の無人島でのヒエラルキーが逆転する様を描いたブラック・コメディ。露悪的過ぎて笑えない部分もありつつ、時間を感じず最後まで考えさせられながら>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.8

カウリスマキ労働者三部作の88年二作目。ハードボイルド・エンターテイメント。初めてカウリスマキのエンタメな側面を体験した気分。悲惨な事ばかり続いてもめげずに突破しようとする主人公にFinnishなハー>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.9

カウリスマキ労働者三部作の86年一作目。まず若かりし頃のヒロイン、カティ・オウティネンのindependent でつっけんどんだけど、チャーミングな演技がとても良い。またカウリスマキはサントラにBlu>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

三回目視聴のポール・トーマス・アンダーソン21年作。まず70年代LA近郊という個人的にとても弱い舞台設定の上、かつカリフォルニアの温暖で乾いた空気感が良く描かれていた。行き当たりばったりで撮影してそう>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

タランティーノ映画でも特に大好きな作品で三回目の視聴。なぜ何回も見てしまうか。やはり実際に起きたシャロン・テート殺害事件を題材にしつつも、特に起承転結もなく日記風で淡々としたタランティーノの語り口が、>>続きを読む

バーン・アフター・リーディング(2008年製作の映画)

4.4

なぜこの映画が大好きか。コーエン兄弟はユダヤ系。ユダヤの世界観は紀元前1世紀にイスラエルから離散させられ、それでも約2000年生き延びて再びイスラエルで建国を果たすように、いわば不条理としか表せないよ>>続きを読む

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

3.8

新進気鋭らしい中国人監督の現実と幻想が交差するアートムービー18年作。個人的に勝手にウォン・カーワイ作品のアップデートを期待して視聴。とてもクオリティが高く、特に典型的な中国カルチャーのアイテムである>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

好きな映画「スリー・ビルボード」監督の22年作。アイルランドの実在しない孤島イニシェリン島を舞台に老人と中年男の小さな諍いが異常な事態に発展するブラックコメディ。美しい島の風景と、村社会で固着した人間>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.0

Woodstock festivalが開催された同じ1969年にNew YorkでHarlem Cultural festivalという音楽フェスが実は開催されていた・・。アメリカ社会と黒人音楽に興味>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

4.1

”敗者三部作”の一作目。カウリスマキは美しい絵画のように映画を撮り、結構悲惨な事が起きていても俳優に大袈裟な表情は一切させない。ゆえに最後のハッピーエンディングも慎ましい過ぎるぐらい小さな振幅の幸福感>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.2

デビッド・バーンのキャリアハイとも言えるミュージック映画。トーキングヘッズファンとしては嬉しい限り。コンセプチュアルかつ記号的なアートであるが、フィジカルでもあり、エモーションに訴えるメッセージ性もあ>>続きを読む

シリアスマン(2009年製作の映画)

4.2

ユダヤ教の世界観が色濃い不条理コメディ。主人公の大学教授にこれでもかと言うぐらい災難が降り掛かり追い詰められる描写が延々と続く。でも「事実は小説より奇なり」の通り誰もいつ自分に災いがやって来るなんてわ>>続きを読む

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

4.1

久しぶりに再見。昔はデニーロやジョーペシの演技に憧れたものだが、今見るとレイ・リオッタの嫁さんのロレイン・ブラッコの好演が目を引く。あと、特に後半を見て、改めて映画史で一番カッコよくロックミュージック>>続きを読む

アムステルダム(2022年製作の映画)

4.0

「持つべき物は友」「愛とは誰かを選ぶ事であって必要とする事ではない」など、ポジティブな人生訓を優秀な役者陣が美しく表現して行きます。’Life is beautiful’系映画のヒット作。

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.1

不穏な雰囲気を終始アーティスティックに描き最後まで観客を引きつけるスリラーの良作。また現代音楽を聞いているかのようなサウンドエフェクトが素晴らしい。暗示的なシーンが豊富にあるので何回見ても楽しめます。

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

4.2

冷戦時代の旧共産国によるハリウッドSFエンターテイメント映画のイミテーション作品。旧ソ連で1570万人も動員したらしい。制約がクリエイティビティを最大化するが、冷戦時代の情報遮断によるイマジネーション>>続きを読む