松タケ子さんの映画レビュー・感想・評価

松タケ子

松タケ子

DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

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加害者家族がわりと普通の社会生活を送れていて、世間様から毎日石を投げられたりしていない様子なので少し意外だった。当時まだ演技の引き出しとかはない静なARATAと動な伊勢谷君の、役者役者してない感がいい>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

前世とか前前世とか前前前世とかは、人生を一度きりしか生きられない人間がその残酷さをやり過ごすために苦肉の策で考えついた概念なのか、、、?

結構楽しみにしていた映画で、ただ想定に反して切なさでねじ切れ
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誰も知らない(2004年製作の映画)

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メチャクチャ久しぶりに見たが、のちの万引き家族の100倍いいな…。誰も知らない、って万引き家族の100倍キレ味凄い題名。万引き家族も別に嫌いじゃないけど。
この映画で柳楽優弥は泣かない。まなざしが脳裏
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

久しぶりの35フィルム上映で、やわらかい質感にテンション上がりつつ鑑賞。ミスターローレンスの登場に心の中でついタケちゃんのモノマネしたり...。しかしながら一回見ただけでは到底理解できない情報量と構成>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

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お、おもしろかったな…。年イチぐらいで見たいなぁ。エロスは文化。エロスは正義。

ほかげ(2023年製作の映画)

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塚本監督の映画っていつも、舞台演劇を見ているような作り物めいたリアリティのなさを感じる。矛盾しているけど、リアリティの希薄な、それでいてリアルとしか思えない何かが映画の中にあって、どうやってそんな変態>>続きを読む

幻の光(1995年製作の映画)

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レンタルVHSで見た高校生の時は、内藤剛志(といえば家なき子のお父さん)と子連れ再婚とか有り得ねぇ!!と思ってた。浅野君が猟奇的に美しかった頃だし、わしは何も知らん子供だった。しかし今見かえして、内藤>>続きを読む

フライド・グリーン・トマト(1991年製作の映画)

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キャシーベイツの美しさに初めて気づいた。いい映画だったしクッソ泣いたし20年ぐらい前に見ていたらなんの疑問も持たなかったと思うが、種明かしの内容と正体ばらしがなぜか蛇足に感じてしまった。フライドグリー>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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旅行のその後は語られず、ただ当時のお父さんと同じ年齢になった娘が映されるだけなのに、お父さんはもう死んでしまってこの後もう会えなかったんだろうなという気がしてしまう。はっきり描かれないので、わたしが勝>>続きを読む

二十歳の恋(1962年製作の映画)

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30分でオムニバスってどゆこと?って思って見たけど、ふつうにトリュフォーだけやん…二十歳でも何でもないやん…。おもしろかったからいいけど。

パリのアパルトマンは会社の社長のおうちでもリビング狭くて親
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

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映画通の人にトリュフォーが苦手だと言うと大抵、え…って顔される。でもでも、苦手な中でもコレは面白いと思えるんよ。多分、トリュフォーの描く男女の痴情のもつれに興味が持てないんだと思う。トリュフォーの感性>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

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面白かったなー。U-NEXTのおかげで生まれて初めてチャップリンの映画をちゃんと見れました。彼を見ていると古今東西いろんな役者やお笑い芸人の姿が浮かんでくる。それってすごいことだな。

異人たち(2023年製作の映画)

3.7

大林宣彦版は、もうメロメロにメタメタに郷愁で(鶴ちゃん、ボロアパート、夕焼け、すき焼き)、それが泣きたくなるような心地よさなんだけど、イギリス版はやっぱり異国の異人感。でもこれはこれで良い。ジェイミー>>続きを読む

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

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面白かったな。チンクシャなキルスティンダンストかわゆ。マリーアントワネットを多少アホっぽく描いてるのかなと思ってあんまり興味が湧かず見たことなかったんだけど、別にアホっぽくもお馬鹿さん風にも描いてなか>>続きを読む

唐獅子仮面/LION-GIRL(2022年製作の映画)

3.8

スーパーハイレグパワーが世界を救う…す、好きぃ!!恥ずかしながら自分は永井豪先生の漫画を読んだことのないド素人ですが、面白かったです。荒唐無稽で強引な設定もいい。コンプラと忖度の時代に敢えてエロスを解>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

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どんな話か知っているのに、二回目でも感想書けないくらい打ちのめされた。これは作り物の話だけど、この地で起きた、今も世界で起こり続けている、暴力と憎しみの連鎖を神話のように象徴的に描いている。
最後の手
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クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡(1997年製作の映画)

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ひまわりが生まれた直後と思われる描写が新鮮。オカマ三兄弟がかわいい。オカマがらみのネタ、今はダメなんだろうな…

クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王(1993年製作の映画)

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ひまわりがいないと思ったら、一番最初の映画だったんだ… ストーリーのパンチは弱めだけど、初期しんちゃんのフォルムが定まってない感とかやわらかい色味が懐かしい。

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

こんなに愛がほとばしる紅の絶唱をいまだかつて聴いたことがなく、泣いた。笑いながら。狂児と聡実君の存在する世界を脳内に持っていられるの、実にハッピーである。あのおまもりがわたしも欲しい。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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自伝的な作品らしいが、映画の映画というより家族の映画だった。そういやタイトルがフェイブルマン一家だもんね。見るまで名字って気づかなかったな。お母さんが自分の心のままに生きることを肯定する人でなければ、>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

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磯村勇斗君は寝る時間とかあるんだろうか、ドラマや映画で最近すごい頻度で見かける。国の制度として後期高齢者に死を推奨するのは、安楽死を合法化するのとはわけが違う。しかし命の重さは時代や体制によって簡単に>>続きを読む

からっ風野郎(1960年製作の映画)

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時代だからしゃーないんだけど増村保造の女性の描き方にどうしてもムカつくことがあり、今回もムカついた(でも最高殊勲夫人は若尾文子の出演作のなかでもトップクラスに好きよ!)。レイプしてきた奴を好きになるか>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

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今回もだるだるな二人がめっちゃかわいかったなぁ。今後も成長したり進化したりせずにだらだらと続いてほしい。

正欲(2023年製作の映画)

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面白かったな。近頃は性的嗜好じゃなくて指向という漢字なんだ〜と思ってググって納得。前の職場の、性癖やセクシャリティにあたりまえに寛容な空気が恋しくなった。いわゆるふつうの社会ではダイバーシティとか言い>>続きを読む

スネーキーモンキー/蛇拳(1976年製作の映画)

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昔のオザケンの曲に出てくる映画なのでいつか見ようと思いつつ。ジャッキーチェンの映画を最後までちゃんと見たのは今日が初めてかもしれない。一挙手一投足とにかく全てにうるさめの効果音がついてんのがしつこくて>>続きを読む

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

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トニーレオンってスーツ着たらドSで冷酷な魅力むんむんなのに、この手のチンピラ臭を出すのも異常に上手くてまいっちんぐ。この頃ぐらいまで、香港映画はアツかった。トニーレオンが本当に大好きだけど、結婚するな>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

小津の平山さんは昭和のお父さんで、身の回りの世話は全部嫁や娘にやってもらう人だけど、ヴェンダースの平山さんは令和の人。ごくミニマルな、一人で完結する持たない暮し。
自分の暮しに満足している人間がいちば
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.9

どこかで絶えず戦争があり、自分の生活も一向に楽にはならず、ただふつうに生きているだけでもアル中や鬱になりそうなこの世界で、地味で不器用な二人が出会い地味で不器用な恋が始まる。人も犬も、ひとりぼっちより>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

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堕胎を描いた映画はいっぱい見たが、これは堕胎より生理の映画だった。生理来たり子供できたり堕ろしたり生んだり不正出血したり尿もれしたり、女の体が子供をつくるための働きをするせいで女はかなり頻繁にしんどい>>続きを読む

イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

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インザスープって困ったシチュエイションを表すことばだったんだ、知らなんだ。若きブシェミも困りんぼで弱々しい態度がとっても似合う。強引で陽気なおぢさんは天使のよう。二人のやりとり見てるだけで笑顔になれる>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.9

制作発表のとき、戦国もの興味ないし本能寺の変とか定番すぎるし男色からめてって大島渚かよ!!二番煎じかよ!!全然おもんなさそ!!って思ったけどめっちゃ面白かったな!!ほかの観客もめっちゃ笑ってたよ!!タ>>続きを読む

映画女優(1987年製作の映画)

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うーん。吉永小百合さんが悪いとかじゃないんですが、あの人の唯一無二感を他の俳優でやることに無理があるというか。脚本の新藤兼人も監督の市川崑ももちろん田中絹代さんとリアルタイムで関わってこられたハズで、>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

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おきくのせかいじゃなくて、せかいのおきく。
生まれて、食って寝てうんこして、成長して繁殖して衰えて、死ぬ。
生きることはうんこを出しつづけるということなんだ。
世界という概念を知る若者たち。

ライア
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ほつれる(2023年製作の映画)

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ほつれるって言うか、とっくの昔にほつれてたものが満を持して壊れるさまを描いている印象。結婚していても不倫していてもさびしそうな門脇麦ちゃん。ほつれたり壊れたりしたことあるからめっちゃわかるよ。親友にも>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

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この映画ははじまりもたけしの顔のアップなんだなぁ、何度も見ているのに今更気づいた。
たけしは当時試写を見て自分と坂本龍一の演技が下手すぎて慌てたらしいが、この映画のたけしは上手い下手を超越した神がかっ
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