まほむらんさんの映画レビュー・感想・評価

まほむらん

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劇場版 テレクラキャノンボール2013(2014年製作の映画)

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何せ実際に映画を撮る側も、裸になっていますから。被写体も鑑賞する側も剥き出しにするような作品です。
思わず笑ってしまい、笑う自分に慄然として、辛くなり、終いには声に出して「勘弁してください」と謝りたく
>>続きを読む

幸せの教室(2011年製作の映画)

2.4

最初に。トムさんは役者として好きです。良い話です。脚本もテーマも素敵。でも、監督が自分を主役にして映画撮っちゃダメでしょの一言に尽きる作品です。観客よりも主役のための展開が優先されて、観ていて気持ちが>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.1

見終わった後で戸締まりを確認したくなります。脱アイドルを目指す新人女優が、ある種の暴力に翻弄され、現実と幻想、あるいは虚構と真実の境界を見失っていく、と今さんの初監督作品にて十八番ですね。古い作品なが>>続きを読む

思い出のマーニー(2014年製作の映画)

4.1

寂しさに負けてしまいそうな時、自分だけの秘密の友達がいたら、ーーそんな、「かつて」を思い出してしまいます。 米林監督の2本目の作品。否応にも巨匠と比較されてしまうプレッシャーの中で、新しい答えを確立さ>>続きを読む

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.5

園監督の血糊は絵の具の匂いがする。この方の作品を観たのは、
これでまだ二本目なのですが、
本当はもっと恐い作品を
リアリティを持って撮れる方なのかなと。
きっとあまりの恐ろしさに、
「嘘なんでしょう?
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地獄でなぜ悪い(2013年製作の映画)

4.5

例えば、突然知らない相手からラブレターが届く。会ったこともないのに自分のことを好きだと。なんて、そんな話があるかと思い、読み終わらない内に捨てようとするのだけど、何故かひどく真剣な姿勢につい、読み進>>続きを読む

忍者ゾンビ(2011年製作の映画)

1.0

日本人:明智テンシューの血を継ぐ主人公ダミアンが、地獄の刀でNOBUNAGAの復活を阻止する。という壮大っぽい話の割に予算の都合か、映画の8割がハウススタジオ内で進行するという、一種斬新さを感じるホラ>>続きを読む

アベンジャーズ(2012年製作の映画)

3.2

悪役が分かりやすく、豪華で、大迫力で、細かいことは気にせず楽しめて、ポップコーンが美味しい。これは、確かに映画である。

マイティ・ソー(2011年製作の映画)

3.0

細かいことは置いておいて、置いておいたとしても、話に置いて行かれ、展開が読めるため先回りしているはずなのに、それでも尚話に置いていかれるというスゴい映画。なのですが、それでも許されるからイケメンはずる>>続きを読む

和ちゃんとオレ(2014年製作の映画)

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「心のボーナスが欲しい~♪ーーホントに欲しいよ」という言葉が頭から離れない。さすが、ポレポレ東中野。月始めから心に重くのし掛かる映像でした。都合の良い結論を付けて終えられない、だから、正面から向き合い>>続きを読む

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.8

グルメ映画でもないのに、お肉が食べたくなります。時代は日本80年代バブル期ーーかと錯覚しますが、違います。アメリカの金融業のお話。冒頭で「ジャングル」と表されるように、登場人物も皆、野生化しています。>>続きを読む

キツツキと雨(2011年製作の映画)

4.3

沢山の映画を観るのは宝探しに似ていて。宣伝や監督、評判など限られた情報をもとに、自分の気持ちに寄り添ってくれるとっておきの1本を探すのです(私の場合ですが)。「この映画はどうかな?面白いかな?」それは>>続きを読む

ブレードランナー(1982年製作の映画)

3.6

日本の高度経済成長期の映画なだけあり、舞台美術のオリエンタルな雰囲気が楽しい。衣装、美術、色彩全てが美しい。ディレクターズカット版を観てしまったのですが、やっぱりハッピーエンドがいいなあ。

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

3.6

アニメーションは素晴らしく、特に姫の走り出す場面などは、思わず呼吸を止めて見入ってしまいました。テーマにもあるように、命を持たない描線が躍動し、絵が息づく様はそれだけで心奪われます。この監督らしい余韻>>続きを読む

ある精肉店のはなし(2013年製作の映画)

4.5

牛の生育、屠殺、解体、販売までを一手に担う精肉店のドキュメンタリーです。被差別部落の話にも関わりますが、野蛮と評されながらも、その仕事と、獣魂に対する文化はいっそ貴いものに感じられ、偏見は別として、失>>続きを読む

グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.2

格好いい役者さんと、ボインの美女、ゴージャスな舞台、捕り物追いかけっこあり、逆転劇あり。と、とてもポップコーン片手に観るのが楽しい、良好な娯楽映画です。最後まで誰が味方で、敵なのか解らない。だからこそ>>続きを読む

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

5.0

深夜に帰宅後、仕事のメールをチェックしようと、パソコンを起動したのが誤りでした。Yahooで全編配信だなんて!「冒頭だけ……」なんて見始めたら、気付けばエンディング、夜中の3時です。もう50回は観てい>>続きを読む

メアリー&マックス(2009年製作の映画)

5.0

大好きなシーンがある。アルコール依存性のメアリーの母親が、手にごみ袋を、もう片手にはシェリー酒の瓶を持ち、「待って!もうひとつあるのよ!」そう、呼び止められた廃棄物回収の男声は、トラックの荷台を指し、>>続きを読む

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.7

元気の出る作品って何だろう。良い話を観たって自分の現状が変わるわけでもなく、気分が高揚したところで「所詮はフィクション」と、気付けば覚める。でも、この作品は、観ると元気を貰えるんです。それは、単純に話>>続きを読む

パシフィック・リム(2013年製作の映画)

4.2

びっくりするほど単純で、予想すれば、その通りになる脚本。なのに面白い。映画らしい楽しみと、作り手のサービス魂に胸がいっぱいに。初めての3D映画だったのですが、あまりの迫力に心臓が跳ね上がりました。

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.3

しっかりと贅肉の落とされた格好いい映画。暴力描写がやや過激で、その印象が強すぎる点が少しだけ残念です。

隣る人(2011年製作の映画)

4.8

児童養護施設に取材して、寄り添った8年。スクリーンの向こうの子供たちは、ドキュメンタリーというよりもずっと、剥き出しでありのまま。カメラを向け続ける事で、偶然映り込むドラマに、誰もが持っている生きたス>>続きを読む

ベルヴィル・トーキョー(2010年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

こちらも観たのは春。妊娠した主人公が、恋人から浴びせられる「鯨みてぇな腹だな。頼むから死んでくれよ」の台詞には、久し振りに作品というものに傷付けられた。同時にやはり女性の監督ならではの鋭さだと納得した>>続きを読む

スカイラブ(2011年製作の映画)

3.5

観たのは今年の春ですが、ふとした弾みで思い出す良作。うわー流石フランス映画、洗練された下ネタの応酬がなんかもういっそ爽やか。その地の風を感じるホームビデオのような生々しさはあるけれど、確かにこれは映画>>続きを読む

ゼンタイ(2013年製作の映画)

2.5

キツイ言い方をすると、「包丁持って走ってっちゃった」ような作品。個人的に、映画のみならず「制作する」ことって犯行に似ていて、観客の反応を想像して、計画を綿密に練りきるか、衝動に任せるかの2通りが多いと>>続きを読む

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

4.0

爽快!テンポ良好!迫力満点!ただ、正直ストーリー上の「必然」では無く、映画の「要素」として入れたキスシーンは蛇足。異星を超えた信頼関係が、ただの男女に なってしまうとちょっと安っぽい。けれど、それを差>>続きを読む

スキャナー・ダークリー(2006年製作の映画)

3.0

ブラックよりも一歩踏み込んだ、ダークユーモアと言うのでしょうか。事体験をベースにした麻薬中毒者同士の対話は、酩酊感を越えてどこか哲学的。独特のアニメーションも、悪酔いを加速させます。 ただ、ストーリー>>続きを読む

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

3.9

ストーリーは淡々と進む。重い題材だからこそ、あえてメッセージがうるさくないように、上手く隠している。

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.5

「フランスレボリューション!」と英語で起こるフランス革命……なんて思いつつ、しっかり泣かされました。ただミュージカルが基盤なだけに、リアルを追求した映像演出が皮肉にも仇となる点はありました。

風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.0

ジブリにしては珍しくテーマが前に出てきた。生きた会話と言うより脚本の台詞だなと、上映中何度か感じた。それでも動作を描くことにかけてはやはり一流のスタッフが揃っていて、情熱も感じる。それから堀越さんは文>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.8

吉田監督の隅々まで気の行き届いたカメラと演出が心地よい。映像でしか伝えられないものを、観る者に理解させる説明力の高さは流石としか。

あかぼし(2012年製作の映画)

5.0

公開最終日に立ち見の怠さも忘れて没頭。この作品に無償の愛など無い。それは相手に求めるという意味ではなく、愛することで自身の何かを犠牲にしていく。それでも、極限まで削がれた最後にはちゃんと希望が残る。心>>続きを読む