kumatoraさんの映画レビュー・感想・評価

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魚影の群れ(1983年製作の映画)

5.0

緒方拳が淡々とマグロを仕留めるシーンの長回しからの佐藤浩市のスプラッター描写が正気を疑うほどどうかしてて凄かった
笑いと恐怖が一気に押し寄せるこの感じ、自分も呼吸するのを忘れていた

あの強烈で豪快な
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蛇の道(1998年製作の映画)

5.0

いや超怖い
オープニングからただならぬ雰囲気が漂っててこれはまずいと思ってたんだけど
微笑む香川照之からの塾の生徒の子を映すシーンが特に衝撃的に怖くて全身鳥肌
もう毎日思い出しそう
なんでこんなの撮れ
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白い肌に狂う鞭(1963年製作の映画)

2.9

ゴシックホラー?というジャンルっぽい。青基調にした画面に所々赤が混ざってきて映える 城を写したファーストカットがすごく綺麗で息を呑む

砂の器かというぐらい一生メインテーマが繰り返し流れて笑ってしまう
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.8

序盤何かを見落としていたのか、現代の話ではないことに途中で気づいた この現代にいくらなんでも周りの理解がなさすぎるだろとイライラしてたら昔の話だった

途中まではわりと先の展開が読みやすい作りになって
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あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

3.5

17歳の時に観たかった映画にも程がある
見るもの全てに胸躍らせて、電車で1時間かけてタワーレコードへ行ったりして、CDや関連書籍に全ての小遣いを注ぎ込んでいたあの頃の気持ちを少しだけ思い出した
移動中
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関心領域(2023年製作の映画)

3.0

着眼点はすごく良いが、アイディア先行で作った結果ネタ(という言葉が適切かわからない)が足りなくてダラダラしてるように見えた。基本的にはただ生活を見せられてるだけなので…地味すぎて疲れる。演出もさりげな>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.2

今更ながら初見

トラヴィスが不器用ながらハンターと仲良くなっていく過程が良かった
ラストの覗き部屋での独白もなんか自分と重ねちゃって泣けた
(どこか平山ともかぶるな)
だけどあんな風に去っていかない
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獣人(1938年製作の映画)

3.6

女性を殺したくなる衝動を持つ男、とあらすじにあったが肝心のその衝動が露わになるシーンが序盤と終盤の2回ほどしかなくやや肩透かし感があった

冒頭の汽車のシーンの1.5倍速再生してんのかというぐらい強烈
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東京画(1985年製作の映画)

3.5

小津ヲタのヴェンダースが聖地巡礼するドキュメンタリー

東京物語の冒頭とエンディングだけ流れるので無性に見直したくなった もう記憶が曖昧 笠智衆や厚田雄春のインタビューも聞けてとても貴重 厚田氏が涙な
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

見終わって映画館出たら18時半ぐらいで、街のネオンも雑踏もすごく美しく見えて東京…いいな…という気持ちになれて、映画の力すごいなと思った 銭湯にも行きたくなったし、積んでる本をランドリーで読みたくなる>>続きを読む

放浪記(1962年製作の映画)

4.2

ダメ男に翻弄されながらも筆を握り続ける高峰秀子の魂の演技2時間
福地と決別するところの演技は無茶苦茶鳥肌立った 凄すぎる
弱々しくなったり、文学の鬼に豹変したり、女給として道化を演じたり、生きていくた
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裸のランチ(1991年製作の映画)

4.5

寝不足状態で見たのがかえって良かった…最高の映画体験
グロ耐性は多少あるけど虫はマジで苦手なので序盤きつかったが、なんというか虫がどうとか序の口すぎて段々どうでもよくなってくるぐらいイカれていた
おれ
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キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

2.5

正月休みとかに友達と宅飲みしながら見たら楽しいだろうなと思いました

カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

3.4

日本初のカラー作品とU-NEXTの紹介文にあった
カタルシスはないけどしみじみ余韻のある作品。
高峰さんの歌やダンスが観られて良かったけどやっぱり不幸な役のほうが輝く気がしました
笠智衆は背負い投げや
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スキャナーズ(1981年製作の映画)

4.5

初めて観たはずだが昔観たような気もしなくもない
開幕の頭爆散シーンで声出して笑ってしまった
つかみとして100点満点すぎる

エフェロメル製造してる工場内がリミナルスペースみたいな雰囲気のポストプロセ
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サスペリア(1977年製作の映画)

3.7

RGBの使い方やら部屋の内装、美術のセンスがすごい
最初首吊って死ぬとこの建物、ホドロフスキーかと思った
やたらBGMがテンション高くて不釣り合いのような気もした。というか環境音のような入り方してくる
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

5.0

Filmarksのおかげでまだ観れてないカサヴェテスの映画が都内でやってることを知れて、観終わったら23:30とかだったが無理して観に行ってよかった。これが正真正銘の遺作であり集大成であり最高傑作だと>>続きを読む

たそがれの女心(1953年製作の映画)

3.6

全員書いてると思うけど舞踏会のシーンは凄かった。
あと紙片が雪に変わっていくところ
貴婦人は別の意味でやばかった

同じ時代でも日本と外国で全然違うんだなーと感じた 貞操観念とか世間体とか振る舞いとか
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過去を逃れて(1947年製作の映画)

3.6

男同士の熱い殴り合い中普通に撃っちゃうの面白い

みんな嘘ばっかつくしメインキャラの名前が似てるし、忘れた頃にこいつ誰だっけが出てくるし展開が入り組みまくるから脳が疲弊した

皆トレンチコートの着こな
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殺意の夏(1983年製作の映画)

3.9

ずっと蒸し暑そうでムンムンとした熱気が映像に漂ってて力のある映画だと思ったし、壮絶に救いのないラストで面白かった…
登場人物こんなにいるんかとは思ったがどの人も魅力的
パンポンの叔母とお母さん好き
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銀座化粧(1951年製作の映画)

3.5

しみじみいい映画だがいかんせん地味

凛として逞しく生きる絹代さんのカッコ良さに釘付けだったが、鑑賞者である私も黒眼鏡の若者と同様、かがキョンにいつの間にか持っていかれてしまっていた
これが女が階段を
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ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

3.5

落ち目の女優がモルヒネに溺れ無惨に散っていく話。モデルが存在しているという事実
過去にしがみつくという意味では、ペトラフォンカントの苦い涙にも通じるか

白黒のコントラストが格好良すぎてそっちに目がい
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

前に観た作品があまり好きではなくて最近のは観ていなかったが、
今作は自分の好きな濱口テイスト(PASSION、ハッピーアワーのような)が存分に出ていてものすごい作品だった

エレベーターの中でシーンと
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晩菊(1954年製作の映画)

3.8

異性の存在に浮つく役柄の杉村春子を見たのは初めてでとても新鮮だった。それが軽蔑の表情にあっさり切り替わっていくとこが見どころ
皆どうせ最後は独りで死ぬんだけどそれでも逞しく生きていくんですよと少しの希
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快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

3.6

声に出して言いたいタイトル

インスピレーションを刺激され続けながら何度も気を失いかけた 難解

俳優陣は終始トップレスで、三原色が官能的に映える
そこに脈打つインダストリアルな音が重なり、なんとなく
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.9

わざわざレンタルしたのにどうやらアマプラで見れるしなんなら最近YouTubeで無料公開されてたらしい

開始10分ぐらいのだだっ広い建造物の中のシーン、すべて大興奮
映像が呼吸してると錯覚するぐらい気
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ひとりぼっちの青春(1969年製作の映画)

3.4

昼夜ぶっ通しで踊り続け、最後に残った者に賞金が与えられるダンスマラソン映画
炎チャレとかガキ使とかイカゲームとか、死のロングウォークとか色々思い出したけど、この手の企画フォーマットはいやでも興味を掻き
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娘・妻・母(1960年製作の映画)

3.7

流れるに続き超豪華オールスターキャスト 原節子と高峰秀子の共演、見たかったんですよ…となった
「稲妻」のような金の絡んだ家族のグダグダがずっと続く
最後ああなってしまうのがとても居た堪れない。リアリズ
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.3

なんか前フリ長いな…と思い始めてから5分後ぐらいに始まったドラッギーな映像はOPクレジットのクールさに通じるかっこよさでワクワクさせられるが、わりと短めですぐ終わるし、通常パートに戻るとまたずっとダラ>>続きを読む

流れる(1956年製作の映画)

4.1

昭和女優アベンジャーズみたいな超豪華キャストで有難い。全員魂でぶつかり合っててクラクラする。ただしセリフが聞き取れなくてストレス

そしてなんかそんな気がしてたが最後やさぐれた杉村春子が全て持っていき
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乱れ雲(1967年製作の映画)

3.5

カラー成瀬

さだまさしの「償い」みたいな展開だと思いつつ、そこから男女のドラマへとなっていく様は流石にかなり無理があるように思えた。加山雄三がカラッとしすぎてて笑ってしまう(初夏のシーンは加山雄三よ
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大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.0

サイレント映画初めて観た
今の時代でも余裕で通用するテーマだし、田中絹代が若い!! 95年も前の映画が観られる有り難さを噛み締めました

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.0

加東大介が古谷実の漫画に出てきそうすぎてもしかしてモデルにしてたりするのかなと思うレベル 本当名バイプレイヤー

高峰秀子は困ったり辛そうな顔してる時が最も輝いて見える。森雅之と組んでるとより際立つよ
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ハズバンズ(1970年製作の映画)

3.8

男を捨てたくなるほど不快なシーンの連発で参ったが、目が覚めるほど奇跡みたいなシーンも多くて参った。特に雨のロンドン…
良くも悪くも毎回見たこともないような作品を作る

エキサイトする長回しと急に異様に
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宗方姉妹(1950年製作の映画)

3.8

昨日見た「山の音」と同じく暗い…そしてラスト余韻を残して終わろうとするが、この先どうしたって暗雲は晴れないよなとしか思えず何とも言えない感情になった

何度か繰り返される「新しいってことはいつまでたっ
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山の音(1954年製作の映画)

3.6

「めし」の原節子上原謙コンビのより関係性悪化Verという感じで、全体的に登場人物もノンデリ大集合…いつ乱闘に発展してもおかしくないだろというぐらい心ない言動の連発でなかなか辛くなった

でもラストカッ
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