ケーティーさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ケーティー

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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

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原作よりもよく出来ている。しかし、無難を越えるほどではなく、原作が一部もっていた心情描写の深い部分を十分に描写できていないことは、惜しまれる。だが、終盤の手紙のシーンはお約束だが泣かされた。


※以
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幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

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よく練られた脚本と俳優三人の輝き、ラストを何度観ても感動する名作。

勇作のストーリー、そして欽也と朱美のストーリーどちらも三幕構成になっていて(※1、2)、そのストーリーが徐々に重なり合い盛り上がっ
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劇場版ポケットモンスター キミにきめた!(2017年製作の映画)

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ポケモンとの友情をテーマに、色んな要素を詰め込みつつも、よく練られた構成・演出で見せきる単純ながらも快作のアニメ映画。

あまり比較で話したくないが、同時期に公開した某アニメ映画が出来ていなかった欠点
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キセキ あの日のソビト(2017年製作の映画)

4.5

邦画らしい日常の渇いた現実感の描写が、主人公たちのリアルな夢への葛藤を描き出し、ラストには心温まる映画。

まず冒頭、いきなり兄のジンがバリバリのロックをライブハウスで歌うシーンから始まる。曲の名は、
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

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精神疾患をもつ少女の再生と新たなる旅立ちの物語に心打たれる名作。

本作を観る上でまず重要なのは、主人公が精神的な疾患(あるいは発達障害)を抱えているという前提を理解した上で、観ることである。
普通の
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メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

3.9

魔法なんて使えなくてもいい。
人には抗えない力がある。
全知全能になれないことを理解することが人間にとって大切。

こうしたテーマとメッセージがよく、一部良くない前評判もあって心配していたが、予想以上
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昼顔(2017年製作の映画)

4.4

誰もが正しくて、誰もが正しくない。だからこそ、切なくて考えさせられるラストが見事。
個人的には、絶望の中でも、それでも生きていく紗和の姿、女の力強さに感動した。

観る前の最大の懸念が、映画館でテレビ
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グッドモーニングショー(2016年製作の映画)

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昨今の何かと白か黒かしかないかのように決めつける風潮や、ネットでの炎上などに象徴される大衆の異様な状況への警鐘・批判を感じる作品。
優しさや人間味は白か黒かはっきりしないところにある。それを主人公の人
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セッション(2014年製作の映画)

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映画館で感動し、BSの放送も観て、DVDで三回目の鑑賞。何度観ても面白く、エキサイティングな作品。

初めて観たときは、J・Kシモンズの狂気と迫力に圧倒されつつ、ラストのドラム演奏のシーンで感動しっぱ
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兄に愛されすぎて困ってます(2017年製作の映画)

4.0

ベタだけど、役者の個性がしっかり出ていて、マンガらしいデフォルメもよく、めちゃくちゃだけど楽しく面白い作品。

構成は連ドラの総集編のよう。見せ場の連続。普通に連ドラでやれば、わくわくするしいいのにと
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

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序盤はコメディ的な展開ながらも、次第に社会批判をさりげなく練り込んでいることがわかる名作。

まず序盤は、素人がたどたどしく銀行強盗を行う姿が何ともたどたどしく、おかしい。普段は玄人がやっているとこし
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

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こんなに笑えて、こんなに感動できて、こんなに味わい深い映画はそうそうない。

まず家族の一人一人の人物設定が秀逸で、このメンバーが一緒にいるところを観るだけで面白くないはずはないと思わせるほどである。
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眠狂四郎 勝負(1964年製作の映画)

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一作目はアクション映画としての作りなのに対し、この二作目はドラマ性重視のつくりとなっている。

それは、オープニングでも明らか。
一作目は、患者にいきなり襲われるところから始まり、凄腕の剣士である眠狂
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ギターを持った渡り鳥(1959年製作の映画)

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冒頭のアメリカの荒野のようなシーンから、こんなの日本であり得ないだろの連続。ひたすら、ハリウッドのような海外映画のような世界を日本でやりきる潔さ。小林旭さんや浅丘ルリ子さんのデファルメした演技・設定も>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

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改めて見直すとこれほどすごい作品はない。
企画、アイディアの面白さ、息をつかせぬ展開で決して飽きさせない。それでいて、架空のアイディアだけで話を進めず、メイン3人の人物をしっかりつくり、その人物たちな
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眠狂四郎 殺法帖(1963年製作の映画)

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とにかく一昔前の大衆向け映画は設定がぶっとんでいて、面白い。
本作も敵役が少林寺拳法の達人で、主人公が初めからくそ真面目に、さも皆さんよくご存じのという調子で、お前は少林寺拳法の達人だなと話すのが何と
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Believer ビリーバー(2004年製作の映画)

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かつてスプーン曲げに失敗し天才少年から嘘つきに転落した過去をもつ青年が、渋谷で詐欺師として生きている。この設定が面白い。

特に一瞬オシャレで今風な若者と思いきや、箸でカレーを食べたり、古びたアパート
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砂の器(1974年製作の映画)

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中高生の頃、TBSの連ドラ版が放送されたときにに初めて観たが、脚本を読んで改めて観賞。

ほぼ脚本に忠実で、脚本段階で映像描写がしっかり設定されており、いかに脚本が秀逸かを感じさせる。それでいて、脚本
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後妻業の女(2016年製作の映画)

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一つ一つのアイデアが面白く、楽しい作品。
トヨエツさんの胡散臭さや小心者ぶりがいい。
大竹さんはやはりうまいのだが、欲を言えば華がない。例えば、同じ役を宮本信子さんがやったら、もっと絵だけで笑わせたり
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

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世間では子ども時代のストーリーが評判よい。しかし個人的には、実の親と引き裂かれて暮らした男たちの内面の葛藤を描いた青年期からのドラマからぐいぐい引き込まれた。

映画を観る前は、あらすじからGoogl
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サイコ(1998年製作の映画)

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オリジナルは未鑑賞の状態で観た。
実質的には、お話が2つあるようなないような感じ。

真ん中までが長いが、え、この人死んじゃうのという驚きがあった。おそらく、これをやりたかったのだろう。
ただ、ラスト
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ピーチガール(2017年製作の映画)

4.1

ベタだけど、緩急がすごいあって、面白い作品。

おそらく長い原作をうまくまとめたんだろうなと観ていて思ったのですが、原作が18巻あるんですね。どの巻までかはわかりませんが、色んな内容を限られた時間で捌
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

1.0

正直なところ、個人的には全くカタルシスを感じない作品だった。
しかし、それは突き詰めれば自分が同性愛者でないからだと感じる。

先に断っておくが、何も同性愛者を否定するつもりはない。むしろ、ミュージカ
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

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明らかに黒沢映画など、往年の名作を意識したつくり。

ただ、なんといっても見物はアクションシーンと役所さんや幸四郎さん、平さんなどベテランの見せ場のシーン。そして、松方さんひとりが活劇のプロで、殺陣や
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金メダル男(2016年製作の映画)

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正直観る前は期待していなかったが、思ったより面白く楽しい作品。
まさしく内村版「フォレフト・ガンプ」。

特にバブル頃までの話しは、その時代の匂いとストーリーが絡んでいて、面白い。2000年代の象徴と
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四月は君の嘘(2016年製作の映画)

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とにかく広瀬すずがチャーミング。
正直、他の女優さんだったら観れたかなという内容。

ただ、広瀬すずの本作で出したかったであろうどこか男を振り回しつつもかわいく、時に真面目でけなげ。そんな魅力を出すに
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

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とにかく見事な構成。見事なセリフ。

基本はサスペンスで骨太な作品なのだが、時にロマンスあり、ちょっと笑わせる描写ありとビリー・ワイルダーの底力、その多彩さをそこはかとなく感じさせる作品。
セリフも口
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追憶(2017年製作の映画)

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一人一人の人物の過去を掘り下げ、それを絡ませドラマをつくる姿勢が、味のある作品につながっている。
主演の岡田さんはじめ、俳優陣の芝居もよく、それぞれの役がいい。安藤さくらさんは正直なところ、もう少しキ
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恋愛戯曲 〜私と恋におちてください。〜(2010年製作の映画)

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三重の劇構造など、いかにも演劇らしい脚本の作品。
恋に落ちないと仕事ができないという脚本家をあの手この手で説得し、テレビドラマの脚本を書いてもらうという設定は面白く、深田恭子さんの可愛さと椎名桔平のダ
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美女と野獣(2017年製作の映画)

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※吹替2Dにて観賞

吹替版の声優陣が、東宝ミュージカルのメンバー中心で手堅く、特にベルの昆夏美さんがすごいくいい。
個人的には、アンサンブルがなかなか豪華で、野獣を殺しに行くところの村人たちのソロパ
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

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巧妙な伏線、洒落た会話、コメディとしての可笑しさ……etc。
とにかく色んな脚本家が好きな作品に挙げる理由がわかる。

日本の月9とかトレンディドラマは、この作品を参考にしてるんだなって思わせるくらい
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ハンサム★スーツ(2008年製作の映画)

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はっきりいって、展開はだいたい予想がつきます。
しかし、ラストの落ちは想像していたのと逆で、なるほどのひねりでした。

ハンサムスーツという設定だけなら他の人でも考えられそうですが、ラストのひねりが作
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評決(1982年製作の映画)

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映画がは始まってすぐ、静かなんだけどインパクトのある挿入。
本作の脚本と同じデヴィッド・マメットの「摩天楼を夢見て」もどしゃぶりの夜にひたすら電話をかけるシーンが印象的だったが、マメットの脚本は行動で
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

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いわゆる神話の構造。観たときには、人間的な神の存在など、どこか歌舞伎的(スーパー歌舞伎ならそのまま出来そうな話)で、舞台化したほうが面白い題材だなという印象を受けた。(もちろん、舞台化するならラストの>>続きを読む

HK 変態仮面(2013年製作の映画)

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はっきり言って、話自体はかなりベタ。しかし、パンティーを頭に被ると変身するという設定をつくるだけで、こんなに面白くなるのかと驚いた。

そして、主人公が終盤でヒロインに向かって、俺は変態じゃないと語る
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愚行録(2017年製作の映画)

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日本は格差社会じゃなくて、階級社会だから……。

階級社会という言葉は原作には出てこない。しかし、脚本に加えられたこの言葉こそ、映画「愚行録」の中で大きなキーポイントとなっている。

原作物を映画化す
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