きっしーさんの映画レビュー・感想・評価

きっしー

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(2023年製作の映画)

4.0

いつものことながら役者たちが実に生き生きと演じていて、それぞれの役柄がもうそこに居た感じが凄いのだ。
美術も素晴らしいし、黒澤明が観たらなんと言うかなあ、なんて妄想してしまった。
寺島進のアドリブにつ
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私が私である場所(2023年製作の映画)

3.8

ドキュメンタリーフィルムは、カメラを回すまで何が撮れるかわからない。

この作品もおそらくそうだったろう。
映画『シンデレラガール』に出演する俳優たちを複数並行して追いかけていくドキュメンタリー。オー
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

母親からの愛情を充分に受けられなかったという思いは男子の心にトラウマとなって残っていて、おっぱい信奉とか膝枕好きとかに現れたりする。
表現者なら、それが作品に表出するし、宮﨑駿の場合、これまでもずっと
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怪物(2023年製作の映画)

5.0

ずっと誰かと分け合いたいと思っていたけど、いつまで経っても分け合える誰かには会えずに来たように思う。
分け合って、わからないけど認め合って、それでもそのままで生きていけたら、いつか雨が止んで、明日がく
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.6

取り戻せない未来ってあるよなぁ。

そんな風に思いそうになる、大人になってだいぶ経つ自分に水をぶっかけられて目が覚めた。

世界中の人に見てほしいと思うけど、あの嫌な警報音が鳴った時の気持ちって伝わら
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.8

映画でしかできないあり得ない設定で、良い脚本と良い役者が揃い、破綻の無い演出で仕上げたとき、映画はファンタジーの向こう側に人生の真実を描きだし、いつの間にか観客の心の中に入り込んで記憶と感情を揺さぶり>>続きを読む

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

5.0

これまで何度観ただろう。映画館でしか観たくない映画で、名画座や回顧上映で劇場にかかるたびに観にいった。何年振りだろう、レストア版で音響も新しくなって上映するというので夜の池袋でひとり観た。

とてつも
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

バズ・ラーマンらしいカメラワークのギミックは控えめで、その分エルヴィス自身の葛藤にフォーカスが当たる。音楽と編集、映像の融合はさすがで、観ているこちらは画と音のグルーヴに浸りながらエルヴィス自身の感覚>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

IMAX全然チケット取れなくて日比谷の大画面ノーマルで鑑賞。
まぁ面白かったけど、正直そこまでは乗れなかったんですよね。むしろ自分の感覚に自信が無くなった。。
とても分かりやすく分かりやすいように王道
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

3.4

いつも思うのだけど、この人はこう演技をするだろうなぁというパターンが見えすぎる邦画はどうも苦手だ。この映画も脇役の面々がいつも通りの予定調和な芝居で、そこが前半入り込めなかった理由かも。主演の2人はし>>続きを読む

2分の1の魔法(2020年製作の映画)

3.8

Pixarのシナリオの完成度にはもう誰も追いつけないのでは無いかと思う。伏線回収、破綻のない設定、無理のないキャラクター描写。
複数人で脚本を仕上げ、多角的で多様な価値観から研ぎ澄ましていくプロセスが
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さいはてにて やさしい香りと待ちながら(2014年製作の映画)

4.8

能登半島の先端にある、本州で最も人口の少なくなった市、珠洲市を舞台にした映画。珠洲にご縁があって、そこで撮られた作品ということで興味を持って内容ノーアイディアで観ました。
とても胸にせまる映画でした。
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猫、かえる Cat’s Home(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

主演のモトーラさんが、猫だ。
と、冒頭の跨線橋から思わせる。猫の眼には世界の記憶はどう見えるか?

猫にはテリトリーがあって、自分が気に入ったその見えない囲いから出ようとしない。と誰かが言った。

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クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

4.6

50年代、60年代のハリウッドのラブコメ見てるみたいな安心感と大団円が心地よかった。
シンガポールの元住人としては登場する風景が懐かしく、それもよかったんだけど、なんといってもヘンリー・ゴールディング
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

死ぬまで多分何度も思い出すんだろうと思う、そんな映画だった。

裏社会の映画というと、ほとんどの作品が最後に誰かが裏切って、表社会の安全な映画館で観ている私たち観客をどこか安心させて終わることが多いと
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.5

『ブレード・ランナー』がアンドロイド側がヒトの自覚を持つのか? という問いを描いているのに対して、『エクス・マキナ』は逆に、ヒトは人工知能に相対した時、ヒトの自覚を持てるのか? という問いかけの映画だ>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

これは「終活」の話だ。

あのパート3の先に、どう話を続けていくのか、どこにテーマを持ってくるのか? そこがとても気になっていた。

若い時から、周囲に、誰かに、求められる期待に応えてよろこびを与える
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愛と法(2017年製作の映画)

5.0

「家族」とは? 「社会」とは?
ゲイカップルのドキュメンタリーと侮るべからずですよー。揺さぶられます!

それから(1985年製作の映画)

4.0

梅林茂の音楽が、囁き声中心のセリフと見事に合っていて、それだけでもひとつの奇跡的瞬間に立ち会える映画だと思います。

オリジナルの脚本ではラスト、三千代が百合の花を貪り食べる、というシーンだったそうで
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花様年華(2000年製作の映画)

5.0

最高の演技、ぴったりの音楽、美しい表情、煽情的な視線。本棚の奥の見つけにくい場所にそっと隠されたまま、持ち主の死後発見された古い写真アルバムをパラパラとめくっていくうちにその世界に迷い込んだような、そ>>続きを読む

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

5.0

せつなさ、ってどういう風に表現したらいい? そう聞かれたらこの映画を観ることを勧めると思います。
ハーモニカの主題曲、いつまでも記憶に残ります。

ファンダンゴ(1985年製作の映画)

4.5

公開当時、配給が確かフジテレビだったこともあり、ハチャメチャ青春コメディみたいな売り方でしたが実際は全然そうでなく、ケビン・コスナーの陰のある笑顔がとてもハマった愛すべき傑作。失恋と成長の物語。
花火
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主人公は僕だった(2006年製作の映画)

4.0

この手のコメディって日本でなかなかヒットしないんだけど僕はスキ。
実写にオーバーレイするモーショングラフィックスは、世界中のテレビCMにパクられましたね。

華麗なる賭け(1968年製作の映画)

4.0

まずは主題歌。
フェイ・ダナウェイの艶。
そしてマクイーンの渋みと、あの声。

名作。

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

5.0

映画は、作りものを積み重ね、嘘をつき続けた向こう側に、現実よりもリアルな真実を描き出すものだと思っています。この映画は、まさにウソ、というかそもそもCGで作られた完全なるフィクションで、映画でしか成立>>続きを読む