高野順さんの映画レビュー・感想・評価

高野順

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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.5

 フュリオサが林檎を採り楽園追放され林檎を差し出し楽園追放を促すという綺麗な円環構造になっている。前作よりも神話の背景がかなり強い。
 前作はカラーリングをいじって澄んだ空や砂漠の色を映していたが今回
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.3

 この映画以降ジョージ・ミラーがマッドマックス一本で作家性を語られるようになることが増えたらしい。それは大変気の毒なことだがいや…これは…凄いよ…そりゃそうだよ…といった気分。ここまで圧倒的な活劇の暴>>続きを読む

アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.3

 苦手な、嫌いと言ってもいいくらいの主題の映画をそれなりに面白く観れたのは監督の演出の手腕だと素直に賞賛したい。お話がゴミほどにつまらないが。先住民の霊によるリベンジ的筋書きの方がまだ面白い。

17歳のカルテ(1999年製作の映画)

3.0

 「コップランド」なんかと比べると格段に下手なのは題材による難しさか。クラブシーンはよく撮れていた。
 特にこの時期が特別酷いのもあるが西洋医学は本当にゴミクズだなとしみじみと感じる。
 

絞殺魔(1968年製作の映画)

4.0

 スプリットの織りなすサスペンス、真っ白な病棟でのサイコスリラー、と見事に前半と後半とで主題が分かれており演出もそれに付随して変化している。同情の余地もないように思われるであろう人物にここまで角度を変>>続きを読む

ストロンボリ/神の土地(1949年製作の映画)

2.5

 撮影なのか編集なのか何が要因なのかはっきりとは分からないが全くこの映画から官能性を感じず画面の何を観たら良いのか分からなかった。非常に曖昧な自身の感性とやらを根拠にしてとやかく言うのは申し訳ないが、>>続きを読む

美しきセルジュ(1957年製作の映画)

4.3

 フイルムの流麗な運動。高潔でひたむきな善行の達成が成しうるもの。

江戸川乱歩の 陰獣(1977年製作の映画)

4.6

 話にさして魅力を感じなかったがこれは…凄いな…と言葉が出ない。揃いも揃って悪魔憑きのような面だった。

コップランド(1997年製作の映画)

3.8

 猫の捜索や交通事故の後始末などの雑用ばかりではつまらんだろうとデニーロは言う。今立ち上がるんだ、そのために今日があるんだ、英雄を為せと周りは囁く。けれど川辺のほとりで橋を見上げながらいつしかの小さく>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.0

 冒頭5分を観て成程大体わかったと感じシークバーを動かしながらパッパッと飛ばし飛ばしシーンを観ていった。
 日本映画産業におけるこの映画の功績は大きくあるだろうが映画そのものは凡百のそれと同じゴミであ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.3

 ウェスアンダーソンに感じるチャールズ・M・シュルツ「ピーナッツ」、三原順「ルーとソロモン」。良くない犬、噛み付く犬。

オーシャンズ11(2001年製作の映画)

3.7

 やや鈍重な気がするが楽しんだ。ソダーバーグはスピルバーグの子なんだなといった感慨。

ハッスル(1975年製作の映画)

3.8

 昼間にも関わらず顔に落ちる黒々とした影。全体的に画面が深々と黒い。
 主人公は古きものを愛するある種の時代遅れな男として描かれているが、75年にもなってこんな古臭い型のはまった映画を撮ったオルドリッ
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ナイト&デイ(2010年製作の映画)

3.9

 こんなアメリカ映画を死ぬまでにたくさん見たい。個人的にいかなるマイケルマンの傑作よりマンゴールドの秀作の方が優れていると感じる。冒頭の飛行機のシーンは明らかにインディージョーンズ魔宮の伝説の引用であ>>続きを読む

ケン パーク(2002年製作の映画)

1.0

 冒頭、画面が酷い、動きが酷い、色々酷い。突飛なことをして安易に芸術を気取るゴミ。死んでしまえと思った。

アパッチ(1954年製作の映画)

4.3

 撃たれて瞬時に死体となり崖から滑り落ちていくリズムが素晴らしい。3回ほど場面を観たのでこれが撮りたかったのだろう。
 最後にあれだけサスペンスを引っ張って引っ張ってカタルシスで締めずにあそこで終わる
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勇者の赤いバッヂ(1950年製作の映画)

4.1

 斜めに手前奥と2、3人人物を配置した構図が多い。スタンダードサイズだと二つほど大きく顔を映しても収まりが良い。
 大いなる死に触れ、死は死でしかないと知ったのだ。単純な勇敢な戦士讃歌だと思って観たが
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緑色の髪の少年(1948年製作の映画)

3.4

 大した映画ではないと思うんです。メタファーとしての機能や意味を言葉で説明してしまっているに加えてやや安直で直接的すぎるとも感じる。ただポスターに落ちる影や画面外のバットや対峙する二人の周りを駆け抜け>>続きを読む

ドミノ(2005年製作の映画)

-

 カット割りすぎて何だかなと辟易した。心不全になりそうな映画。

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

3.6

 突然のミュージカルは気が触れたのかと思った。そもそもあれをミュージカルと言っていいのかも怪しい。ゴダールよりも唐突なミュージカルの挿入。

パッション(1982年製作の映画)

3.7

 この映画の画面にあまり乗れなかった。光が駄目だと終始映画内で叫ばれているがこの映画の光もよくわからないところが点々とあり、おそらく意識的ではあるのだろうと思うのだが何とも乗れないのであった。

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.6

 ヴィルヌーヴの映画に興奮したことはないのですが嫌いでもなく結構好きです。今作はこれまでのヴィルヌーヴ作品にはなかった要素が沢山ありつつしかしながら芯は変わらないといったかなり興味深い映画でした。序盤>>続きを読む

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

4.5

 柔らかな自然光に包まれながらも微細な緊張感が画面を覆っている不思議な素晴らしい映画。常に苛烈さを画面に出してきたゴダールの円熟を感じる。しかしながらゴダール、女好きだな笑と強く思った。

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.8

 再見。今となってはこの映画もウェスにしては緩いなと感じる。結果的に2人はめでたしめでたしな訳だが少女の退屈そうな顔とあまり長続きしなさそうな感じが不思議だ。

万事快調(1972年製作の映画)

4.5

 印象的な横移動が多い。微妙な差異をつけた反復の演出も目立つ。
 最近初期ゴダールと自分との相性の悪さを考えていたがこの時期のゴダールは自分にとって格別なのだなと再確認。

ドライヴ(2011年製作の映画)

-

 車の映画であるのに走行シーンが撮れていないのは致命的。撮影のルックはやや光が一面的だが悪く無い。

女は女である(1961年製作の映画)

3.7

 初期ゴダールと自分は相容れないな。特にこの作品。

軽蔑(1963年製作の映画)

3.6

 今作を鑑賞する前、ゴダール作品の中で最も商業的な作品というふれこみの言葉の意味がよくわからなかったが鑑賞して良くわかった。人の撮り方なんかゴダールの映画とは思えないくらいオーセンティック。普段のゴダ>>続きを読む

草原の輝き(1961年製作の映画)

3.9

 トゥルーディテクティブS2にてかなり大々的な引用をされていたので鑑賞。
 親から子への呪縛についての物語でもあるが親もまた親の子だったのだという開けた視点も提示され安易な一面的な展開にはならない。し
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テオレマ(1968年製作の映画)

3.7

 唐突でぶつ切りのシーン、会話の不在。奇妙な間と空白を感じる。不思議。

ウラジミールとローザ(1970年製作の映画)

4.2

 「シカゴ7裁判」と合わせて観ると面白いかもしれない。

東風(1969年製作の映画)

4.2

 この時期のゴダールにしては見やすい。鏡に映る女性をあんな素朴に綺麗に撮れるのは何なんだろうか。

ありきたりの映画(1968年製作の映画)

4.0

 半分聞き流してぼーっと映像の編集を見ているだけでも楽しい。確かにこの映画は字幕を消した方がいい。フランス語ネイティブだとより素晴しく感じるのかもしれない。

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