Joeさんの映画レビュー・感想・評価

Joe

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からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.1

じんわり温かい。

今、最も信頼する今泉力哉監督と、見るしかない魅力MAXな永野芽郁さんの組合せに、初日に駆けつけました。

漫画原作で、男の子が女の子にからかわれ続けている、そのやり取りがかわいい作
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.3

ドキュメンタリーの面白み

フィクションだけれども、ドキュメンタリーを見ている時の面白さを感じます。吉田恵輔監督への評価と期待を改めて増すように思わせてくれました。

物語性は求めません。まるで実際に
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ハピネス(2024年製作の映画)

3.0

重たい。

予備知識なく、蒔田彩珠さん目当てで見ました。いきなりロリータ衣裳と重たい話がセリフで始まり、窪塚愛流さん演じる主人公と同じような気分に。あまりにも若いトーンに、なかなかついていけませんでし
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あまろっく(2024年製作の映画)

3.7

関西人に向けた家族映画。

笑福亭笑瓶(駿河学)さんと駿河太郎さんが出演していることを頭から離すことができず、そこに輪をかけて松尾愉さんをぶっ込んでくるという卑怯この上ない(褒めてます)。無職の娘に江
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.4

優しく付き合いたい嘘。

短調と長調の不思議な掛け合わせです。落ち着いたトーンの画づくりとキラキラ輝く見上愛さんの真っ直ぐキャラが合わさった特異なラブストーリー。原作漫画は拝見していませんけれど、これ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

極上の映像体験。

シーンの緻密な編み方、畳み掛けるセリフ、少ない説明、多重する文脈。目が離せない3時間です。シーンやセリフの構成は「ソーシャル・ネットワーク」を思い起こします。編み込みを重ねた濃厚な
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.3

心が汚れていると楽しめません。

過去と向き合う。病の悲しみ。勇気が出せない。傷つきたく無い。幸せになって良いのだろうか。人の弱さに×つけこむ◯寄り添う作品でした。…ほら、こうやって心が汚れているのを
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.3

洒落たマンガのようです。

作り手への信頼感を再確認しました。男女関係のもつれを楽しく笑える味付けで届けてくれています。根っからの悪人とか、バイオレンスは全くないとはいえ、みんないい人かといえば、裏切
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愛なのに(2021年製作の映画)

4.2

面白い。

男女の「いけない」関係をドロドロさせずに笑いを織り交ぜて楽しませてくれる傑作。間違っちゃう登場人物たち。あんまり大っぴらに言えない本音。主人公(アラサー書店員)の優しさや倫理観に支えられ、
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.0

昭和レトロ。

とにかく岡田将生さんの芝居が魅せてくれます。そして星乃あんなさんの美少女ぷり。

設定も話もよく出来ていますけれど、警察に影響があるぐらい地域の中心になっているファミリー企業のことや、
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映画 マイホームヒーロー(2024年製作の映画)

3.0

良い要素、揃ってます。

漫画原作、テレビドラマを経て劇場映画。キャラ立ち、見せ場あり。ファンが確実にいるキャストを散りばめる。ヒットする要素をふんだんに散りばめた作品です。誰も悪く無い、テンポもいい
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

痴話喧嘩。

予備知識なしに見ました。「ソレっぽい」「意味深」「ミステリー風・法廷劇風・痴話喧嘩」です。2.5時間もかけて見せるものでしょうか。

人は嘘もつくし、科学的な客観も手に入らないと主観しか
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.5

振り返りムービー。

笑わない杉咲花さんの魅力に気づいてしまった人たちによる、本当は志尊淳さん役の物語。介護、毒親、ネグレクト、ジェンダー、しんどい環境です。

端折っているのか、フィクションの嘘のつ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

2.8

余裕があると楽しめる。

ヒューマンミステリーという感じの作品です。失踪した俳優を追う。ものすごく丁寧。

誤解を恐れず記しますと、年配向け人生振り返りストーリー。60超えた人向けかな。たぶん若いと面
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りりィ 私は泣いています(2023年製作の映画)

3.5

りりィさんのドキュメンタリー。

撮影監督・高間賢治さんの"初"監督作品。

以前、本を読んだりで勝手に注目していた撮影監督・高間賢治さんの初監督作品にして、りりィさんのドキュメンタリーということで拝
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身代わり忠臣蔵(2024年製作の映画)

3.5

ムロツヨシです。

とても悩ましいです。楽しくムロツヨシパワーもありますし、身代わりアイデアも面白いです。ですけれど、圧倒やドキドキがもうちょっと欲しかったです。

ムロツヨシさんは小さい小屋で目の前
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風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)

3.3

伊藤野枝を通じた明治・大正。

映画という媒体があって良かったと思うと同時に、訴える内容や製作意図に注意を向けなければいけない作品。

正直、役者さんで見続けられる映像です。吉高由里子さんと永山瑛太さ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.8

媚びないことに媚びる。

理解されにくい持病を抱えた主人公が、また理解されにくい持病を持つ者との触れ合いを描いています。

薄氷を踏むように、「何かが間引かれて」います。それは男女関係や職場の人間関係
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罪と悪(2024年製作の映画)

4.3

面白い。オリジナル作品、初監督作とは思えない。なんで上映館がこんなに少ないのか?????

これは劇場で見るべき作品です。主役の高良健吾さんが…なかなか出てきません。集中力が持つとはいえ、長めの導入を
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熱のあとに(2023年製作の映画)

3.0

愛とは。

橋本愛さんと仲野太賀さんがメインキャストということと、実際の事件に着想を得て作られたということ、内面的なお話が地方都市で描かれるということで拝見しました。

偏愛というのでしょうか。いろい
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クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

3.0

鑑賞記録。
なにか嚙み合ってない印象が残っています。

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

2.9

深夜にテレビで流していて欲しい。

音楽とスロー編集でラッピングされた日常風フィクション。中だるみも許せるテイストです。煮え切らない。嫌いじゃないですけれど何度も寝そうになりました。

中島歩さんが集
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

甘えを感じます。

山荘で泊まり込みで行われる劇団のオーディション。劇団員6名と、劇団外から参加する主人公、合計7名のお話です。随所に、形式に頼った言い訳のような設定、展開、キャラクターの振る舞い。エ
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.9

面白くないワケがない。

ヒット漫画をしっかり実写化しています。「実写化して失敗」などと言われようがない原作感。これがゴールデンカムイでしょ?「はい」しかないです。

丁寧かつ良く実写でこのシーン作る
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

決戦はスナック

日常と非日常の境目が分からなくなる新しいトーンの作品でした。原作パワーと、大阪の異世界感が成立させていると思います。混ざることの無かった人々が、混ざってしまっています。

綾野剛さん
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.9

迫真。

訴えかける人の様にえぐられます。数少ない場所や人で、この時間を見せつけられます。見逃してはならない圧が素晴らしい。

戦争で貧しく、哀しく、寂しく、力無く。身も心もボロボロになった人々の生き
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.8

生きにくい。

笑いのネタをひたすら書き留め続ける男が主人公です。原作は、伝説のハガキ職人が自らを題材にした私小説。そのようなことは全く知らずに映画を見ました。

家やショッピングモールでひたすら面白
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市子(2023年製作の映画)

4.1

上手い。

2024年最初に劇場で見た作品となりました。2023年に見るのが間に合わなかった作品のひとつ。上手い脚本と配役で、とても満足しました。

作品のトーンを明確に書き記すと、面白い、上手い。楽
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

ささやかな2人の馴れ初め。

気づく人には気付けばいい、気づかなくても人物描写を追って欲しい。そんな、好きに観ればいいさ、を提供してくれました。

不器用でアナログな登場人物たち。カメラを意識した人物
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

映画に求めているもののひとつ。

名前と賞が大きくて、事前に心構えを悩ませてくれました。拝見すると、見事な実直表現。「そういえば、映画ってこうだったな」と思ってしまいました。

無口な清掃員の主人公。
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

4.1

見事な脚本。

大人気マンガのアニメ、劇場版です。原作読んで、テレビアニメも見ています。そこに、何ヶ月も予告を打っての、年末公開。期待値を上げ過ぎないで認知を浸透させるという偉業です。その上で、原作も
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.9

簡単に言葉にしては伝わらない良作。

黒柳徹子さん原作。ご自身の幼少期を通じて戦争に巻き込まれていく市民たちを描いています。

ストレートに言って、あまり期待せずに拝見しました。見事に裏切られた良作。
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ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

4.0

監督の意思と実現力のたまものです。

予備知識なしで、告知で若さ溢れそうな作品かと思いまして、拝見しました。まさにその通りで、役者さんも作り手も若さ溢れてます。

素朴さ・無骨さを感じます。金魚や万華
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ファンファーレ(2023年製作の映画)

4.1

少しドキュメントタッチなフィクション。

作品の告知に「あきらめる」「セカンドキャリア」などの言葉があって、テーマが良さそうなので拝見しました。正解でした。

なにより中島歩さんです。また振り回される
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.5

何も知らずに見たかった。

人の「業」というものを直視させられました。世に訴えてくれて、有難い作品です。このテーマ、内容、時代で、このキャストを実現する製作陣に頭を下げるほかありません。なかなか見る機
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