オープニングで少しうとうとしたが、物語が進むと自分が現実で置かれる立場もあいまって見入った。まぁそれは「悪」でしょうと思うことがいくつか出てくるものの、タイトルの『悪は存在しない』に引っ張られて「悪」>>続きを読む
ドキュメンタリーが作られるべくして作られたピアニストだなあと。でもその必然性はデイビッドが才能あふれる天才的ピアニストだからではなく、普遍的で誰もが持ちうる「優しさ」だったり「愛」を見たことないほどピ>>続きを読む
素敵な空気が流れる作品だった。何年経っても、その人を想えるというのは素晴らしいよなあと思いました。あと、光の捉え方とか含めて見惚れてしまうショットがたくさんあったのがよかった。
伝記である原作に基づいて客観的につくられていると理解していても、この作品が根本的に孕む政治性に納得がいかないのは、やっぱり日本で生まれ育ったからだなと感じる。アカデミー賞7部門受賞していて技術的に優れ>>続きを読む
スパイものは好きなんだけど、ロケーションが上海に移ってから警察沙汰の乱戦ばかりなのが残念。
制度やマジョリティにとっての常識を超えた形で家族をつくろうと試みる作品と思って見ていました。特にクィア映画として素晴らしかった。マイノリティの人々がごく自然に溶け込んで生きるような光景を描く作品は希望>>続きを読む
ダニエル・デイ=ルイスの狂気と孤独感がすごいな。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』もよかったが、この作品は人生って感じが好きだった。
長編4作目めちゃくちゃアクセル踏んでる感じ。金髪4人組とかリナのアパートの構造とか整えられたものを破壊していくバリーが恐怖。キスシーンの絵が気持ち良すぎた。
家族とか愛みたいなリアルなところからラストの蛙がぶっ飛びすぎていて、映画って自由だなあと思いました。クローディアとジムのキスシーンこれまで見たキスシーンの中でいちばん好きかもしれない。
大傑作。最高の映像と音楽を浴びられる幸せ。『メッセージ』以降SF大作を撮り続けてきたヴィルヌーヴがまた到達点を更新している。
スパイスが舞う美しい砂漠、サンドワームの迫力、モノクロの中響く歓声と見た>>続きを読む
アニメシリーズは「強さがインフレしている…」とか微妙な感想を持ってたが、映画はかなりよかった。呪いが何を表象してるのか、映画だとかなり深く突っ込んでたので、呪術廻戦という作品自体への理解が一気に進んだ>>続きを読む
狭くて暗い空間で退廃的な描かれ方をするアキ側と、明るくて開放感のある海が繋がる瞬間が訪れず、結局父の言葉も救いにはなっていないんじゃないか。男性側の加害性が際立ちすぎて見てて嫌になった。
リメイクされた韓国版と比べると劣る感じがする。韓国版では2人が共に過ごした時間の長さを象徴するような演出として猫を登場させてたり、2人の関係性という主題に対するストーリーテリングが丁寧な印象がある。オ>>続きを読む
こういう関係性は心に残り続けるよね。今の日本でこの映画は撮れないだろうなあと思うと、すごく意味のある作品だなって感じがする。
バスルームのシーンでハウンがミソとの関係性に「愛」という言葉を与えたとき、なるほどそう捉えるのかと思った。太陽が差しているような学生時代で愛が生まれ、だんだんと影が目立つようになって憎しみが混ざり複雑>>続きを読む
それぞれのキャラクターの人間としての器量が凄すぎる。再会した時のライトなやりとりを見て、2人の関係性の尊さにやられてしまった。谷での逃走やダムでの戦闘は舞台設定が良くて緊張感がものすごく高まったし、ア>>続きを読む
少年視点で話が進んでいって、少女たちが考えてることを見せていない形式なのに、命を落とす背景に明確な因果があるように捉えられてしまうのがうーんという感じ。
脚本すごい。中盤の展開で「?」となったが、そこからがケリー・ライカートだった。
ケリー・ライカート作品を集中して見てみて、何を映し撮るかの絵に対するこだわりが強いなあと。主題としては差異を埋めていく方法を考え続けているような。それは思い出だったり純粋な善意だったりするのだけど、本>>続きを読む
大切な存在との別れを決意してまで生きるための選択をしなければならない世界があまりに残酷すぎる。エサを買えないのに犬を飼うなという主張はもっともすぎて反論の余地はないが、ルーシーとともに生きることがウェ>>続きを読む
構築された世界観、画面の作り込みは素晴らしいのだが、手放しでいい映画!とは言えない感覚。ベラの実験していくことで学びを得ていく個人の視点に共感しながらも、進歩や改善の向かう先ってそっちで大丈夫なんだっ>>続きを読む
寂寥感が漂い、淡々とした会話が続いていくロードムービーも、快晴の中2人が歩き出し、ルーシーがしっぽを振って動き回るのを見るとなんだか楽しい気持ちになってくるのがおもしろい。自分を縛るものを避けてきたカ>>続きを読む
リジーには上手くいかないことだらけ。どうにもならない陶芸、成功を掴み始める隣人と壊れた給湯器、家族のこと。それでも自分が大切に手をかけたことは無駄にはならない。鳩だって飛んでいく。
ままならない心や身体を抱えて生きる2人が出会い、周囲の人とともに生きていく様を描いた素晴らしい作品。そこにある関係性は簡単に名前を与えられるものではなく、誰かを思いやり、自分が見ていられる範囲で助け合>>続きを読む
このままがいいと思っていても他者との関わりの中で変化の機会は訪れるもので、何を選び取るのかは自分に委ねられている。迫られても変化しない選択をすることはできるが、もし何かしら感情が動いて身体がリアクショ>>続きを読む