PARLIAMENTさんの映画レビュー・感想・評価

PARLIAMENT

PARLIAMENT

関心領域(2023年製作の映画)

4.5

2024 48
映画館 10

【無関心が取り返しのつかない悲劇を生む】

不気味な音響が鳴り響き終始不愉快な気分にさせられた。アウシュビッツ収容所で悲劇が起こっているすぐ隣で、幸せに暮らす家
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枯れ葉(2023年製作の映画)

5.0

2024 47

ささやかな 幸せこそが 生きる糧

哀愁漂う雰囲気、無表情、詩的で粋な台詞にユーモアのセンス、選曲の素晴らしさとカウリスマキ節炸裂の新作。労働者三部作に連なる物語。
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野いちご(1957年製作の映画)

4.5

2024 46

野いちごに 呼び起こされる 我が人生

医学会での長年の功績から名誉博士号を授与される事となったイーサク教授は、義理の娘と共に会場へ向かう。途中若き頃の思い出
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

4.5

2024 45
映画館 9

【北欧映画会のミヒャエル・ハネケが誕生】

オープニングから不穏な雰囲気と音楽でガンガン攻めてきて、文字通り胸騒ぎがする展開が続く。

旅先で意気投合したくらい
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アレックス STRAIGHT CUT(2020年製作の映画)

4.0

2024 44

オリジナルの方がもちろん良いけど、 STRAIGHT CUTでも絶望感もグロさも長回しもカメラグルグルも健在。やっぱモニカ・ベルッチすごいわ。

ギャング・カルテット 世紀の怪盗アンサンブル(2019年製作の映画)

3.5

2024 43

音楽と平行してテンポ良く盗みが展開していく様子が面白い。レナ・オリンの登場にはビックリ。ありがちな展開ではあるが、猫と遊びながらでも気軽に楽しめる良質なコメディだ。

LOVE【3D】(2015年製作の映画)

4.0

2024 42

観客に おたまじゃくしが 突撃だ

マーフィーは回想する。ドラッグとセックスに溺れた元恋人エレクトラとの情熱の日々を。

内容はほぼセックス。だが決して嫌らしさ
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エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)

4.0

2024 41

ドラッグの売人オスカーは、警察に銃撃され死亡すると幽体離脱、東京の街を彷徨いながら自分の人生を回想する。

目チカチカのオープニングに麻薬中毒者の擬似体験かのような映像、独特のカ
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

2024 40

終焉は 余力を残し 迎えたい

心臓に病を抱える夫と、認知症の妻。この老夫婦が終焉を迎える様子が二分割された画面で展開していく。もぬけの殻になっていくアパートの一室の
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あるメイドの密かな欲望(2015年製作の映画)

3.5

2024 39

ルイス・ブニュエル監督、ジャンヌ・モロー主演の「小間使の日記」の方が断然面白かったが、偉そうで不機嫌な小間使という設定がレア・セドゥにピッタリでこちらもなかなか面白かった。

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.5

2024 38

束の間の 癒しを求む 人の性

年を重ねていくと仕事に子育てに両親の介護問題となかなか自分の時間がとれなくなるものだが、それらよりも不倫色の強いドラマ。相変わらず
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.0

2024 37

正直何を見せられてるんだって感じで、自分には良さが分からなかった。でも中学生の時ってこんな気持ちだったのかなあと思ってみたり。

ただ、小梅と磯辺の演技が上手くて見入った。

コピーキャット(1995年製作の映画)

3.5

2024 36

細部まで 妥協許さぬ 模倣犯

ホリー・ハンターさん目当てだったが、意外と重厚感のあるサスペンスで楽しめた。

ヘレンが追い詰められていく展開や、トイレでの首吊り
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ブラス!(1996年製作の映画)

4.0

2024 35

末端の 意見が届く 事はない

途中までは王道の音楽映画かなと思いきや、ラストで全て持っていかれた。演奏は素晴らしかったし、ピート・ポスルスウェイトの演説にはこの映
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ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

4.0

2024 34

色情に 現を抜かす 色男

綺麗な音楽と映像と共に、ギリシャ神話を元に描かれるメロドラマ。

北アフリカに赴任した外交官の男は謎の美女と出会う。遊びのつもりが次第
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

2024 33
映画館 8

オッペンハイマーがソ連のスパイ疑惑をかけられ尋問されているシーンから回想していき、時系列がバラバラで展開していく。伝記物でありながら、音と光を駆使した映像の迫力
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シャンドライの恋(1998年製作の映画)

4.0

2024 32

幸福の 最中に響く ベルの音

独特のカメラワークと映像美、ピアノの音にうっとりする静かな作品。

いきなりの求婚に最初は何というキモい奴やと思ったが、シャンドライ
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

2024 31

計画の 上書きをする お嬢さん

何となく結末は予想はできたし、若干無理やり感はあったものの、ストーリーが二転三転するため全く目が離せない。三部構成となっているのも面
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時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!(1993年製作の映画)

3.5

2024 30

サーカスが 思わぬ力 発揮する

「ベルリン・天使の詩」の続編。前作に引き続き詩的な台詞に白黒とカラーの使い分けが美しい。

ナスターシャ・キンスキーとデフォーの
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.5

2024 29

人は皆 心の声で しゃべってる

白黒とカラーの使い分け、天から見た地上の景色が抜群に美しい。ほとんどのシーンは人々の心の声を読み取る演出。その台詞が詩的でとても面白
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ミッション(1986年製作の映画)

4.0

2024 28

困ったら 神のご意志と 言えば良い

スペイン・ポルトガルの植民地支配、イエズス会の宣教師による布教活動の実情が描かれる。

信仰心のない自分からしたら神のご意志
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ウェディング・ベルを鳴らせ!(2007年製作の映画)

4.0

2024 27

セルビアの農村で暮らす少年ツァーネは、余命わずかと悟った祖父との約束を守るため、街へ花嫁探しに出かける。

陽気な音楽に可愛い動物たち、ヘンテコな登場人物に綺麗なヒロインに音楽隊
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バートン・フィンク(1991年製作の映画)

4.0

2024 26

何事も 自分の意思で 動くべし

考察読むとメタファー効いてて難解かもしれないけど、演技は上手いし現実か妄想か分からない演出やちょいちょい挟む小ボケが最高に面白い。
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5

2024 25
映画館 6

【解剖によって暴かれる現代社会の課題】

事故か、自殺か、殺人か。そんな事はどうでもよくて、裁判によって次第に暴かれていく夫婦関係から現代社会の課題が見えてくる。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

2024 24
映画館 5

不安症の人の脳内をひたすら見せられているかのような三時間。やりたい事は分かるのだが残念ながら内容が面白いとは思えず、もう一度観たいとは思えない。

ミッドサマーや
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声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

4.0

2024 23

長年の 夫婦の絆に 敵はなし

ソ連では声優の仕事で順風満帆だったが、移民としてやって来たイスラエルでは声優は需要はなく、次第に夫婦関係に綻びが出てくる。

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希望の灯り(2018年製作の映画)

4.5

2024 22

統一で 取り残された 東側

まずオープニングの演出がとてもオシャレ。舞台は旧東ドイツのライプツィヒ。美しい映像と音楽と共に、クリスティアン、マリオン、ブルーノの三人
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

4.0

2024 21

救いなき 絶望的な 選択肢

選択とはなんぞや?
どっちの男を選ぶとかいう選択か?

そんな事を思いながら鑑賞していたがとんでもない。これほどまで絶望的でどちらも選
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ハード キャンディ(2005年製作の映画)

4.0

2024 20

美少女が 華麗に施す 外科手術

エリオット・ペイジとパトリック・ウィルソンという実力派二人による演技合戦。特にエリオットのスイッチが入ってからの演技は素晴らしく
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.5

2024 19

原付きを 移動に使う 神父様

原付を運転するラッセル・クロウがシュールだったし、あの巨体を支える原付も大変そうだった。

ストーリーはありきたりだが、悪魔祓い
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

4.0

2024 18

汚れなき 信仰心が 悲劇生む

孤児院時代の恋人ヴォイキツァと一緒に暮らすためドイツから戻ったアリーナ。しかし彼女は宗教にドハマりしていた。

終始不穏な空気が漂い、
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.0

2024 17

究極の 寂しがり屋の シグネさん

自分が注目されていないと気が済まない女性が次第に暴走していく姿を少々大袈裟に描く。

シグネまではいかなくても、自分が会話の中
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4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

4.5

2024 16

身勝手で 他人任せの 張本人

中絶が禁止されていた独裁政権下のルーマニアで、ルームメイトの違法中絶を手助けする女子大生の一日を描く。チャウシェスク独裁政権について
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.0

2024 15

家族より 絆の強い 疑似姉弟

アフリカからベルギーに移民としてやって来たトリとロキタが偽の姉弟として生きていく苦悩をドキュメンタリータッチで描く。

移民として無事
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

2024 14
映画館 4

【見た目は大人、頭脳は子供。その名は…】

そんな女性が世界を旅するにつれ知性や理性を身に付け成長していく物語。ヘンテコなストーリーだがランティモスの世界観にマッ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.5

2024 13

戦地から 生還するも 即撃沈

パールの若き頃を描く前日譚。サイコパスの片鱗を見せるオープニングが完璧に決まってた。
ミア・ゴスから終始恐ろしさが滲み出て上手かったし
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