こんなに優しい映画は見たことがない。ということもないはずだけれども、そう感じてしまう程、優しかった。
上白石萌音がPMSの影響でイライラしてしまう瞬間がいつ訪れるのか分からないハラハラを使ってサスペン>>続きを読む
演劇のオーディション合宿の設定で、そこで起きる事件の対応力を見る状況なので、殺人事件が起きても、それが本当に死んだのか、ただの仕込みなのかが明確でない。
それ故に事件が起きても、登場人物たちは動揺する>>続きを読む
終盤、綾瀬はるかと本能寺の木村拓哉のクロスカッティングがウケる。死ぬことが分かりきってる中で行われるクロスカッティングの煽りは野暮だろう。
離縁して去る綾瀬はるかを見る木村拓哉の顔をアップで撮るのは説>>続きを読む
序盤からメタ台詞により、Snow Manのうちの6名が6つ子を演じていることを押し通す上に、それにツッコミを入れた側が野暮になっていく点が、上手いことやっているなぁと感じた。
論理性から解き放たれた>>続きを読む
セカイ系をタルコフスキーがやったら……という映画。
「俺が見に行くと毎回負けるから、見に行かない」と言って、球場に行かない野球ファンみたいな話というか。
主人公が自らを犠牲にしたことで核戦争がなくなる>>続きを読む
ジムで練習中に、泣く声が聞こえてから、松浦慎一郎が泣いてる姿が映される。
音から情報が入ってくる。全編にわたって音の印象が強烈。
コロナ禍が終わり、40年後ぐらいにこの作品を若者が観たら、説明もなく>>続きを読む
認知症により混乱していく心情を、カットを切り替えることなく現実の延長として唐突に描いていくのは、観ていて混乱するが、
こちらも原田美枝子の混乱を追体験できるから感心したものの、「認知症の人間の不可解な>>続きを読む
青山真治にしてはずいぶん分かりやすくて、とっつきやすいので拍子抜けしたが、真夜中の森の漆黒と湖の煌めきはサスペンス全開で良かった。
東野圭吾の原作小説を映画に出来るのは、青山真治と西谷弘だけかもしれな>>続きを読む
濱口竜介は『PASSION』で、暴力について論理的に説く場面があったが、その論理的台詞の応酬が、第一話から見られる。
膨大な台詞の応酬と緊迫感が画面を支配しているけど、ところどころ笑える謎の作品。>>続きを読む
佐藤勝利は、顔が整い過ぎているのも相まって、マネキンのような、感情が表に出てこないように思う。声に感情が乗らないというか。
そんな彼の特徴が活きていないので観ていて辛い。
田中樹が、生徒から恐れられ>>続きを読む
「(ネームバリューがある)この人が、この程度の出番で終わるはずが無い」
と思って観てしまう上に、それが当たっているという不幸。
犯人は終盤で、「いかにも悪人です」という分かりやすい演技をさせられていて>>続きを読む
意外と音の映画だった。
自転車の音、ギアを変える音、息遣い、倒れ込んだ永瀬廉に駆け寄る時の車のドアが開く音、ハイタッチの音がドラマを生んでる。
せっかく音が活きるのに、音楽が多用されるのはもったいない>>続きを読む
原作ゲームを少し変えた総集編。
ビアンカと冒険した幼少期をはじめ、前半を全てサラっと済ませているから、ビアンカと再会してもドラマティック度は乏しい。ゲームをやったことが無い人は、序盤のあの省略の仕方で>>続きを読む
無実の罪で捕まった男性、彼の無実を証明するために奮闘する弁護士、被疑者の恋人や娘たち、裁判官などのインタビューで構築されてる。
嘘みたいな偶然が重なって、証拠が集まってくるのだけれども、単調な顔のアッ>>続きを読む
タコの生態を描いた作品かと思いきや、主観がタコを追いかけた成人男性であり、彼とタコとの交流を人間の視点で描いている。
人間に懐く動物といえば、哺乳類のイメージだったが、タコが彼を認識することに驚いた>>続きを読む
不条理な黒人差別はどう立ち振る舞っても変わらないというのを描くためには、タイムループを使うのは適切。
上司の1人が事件を起こすまでの出来事の組み立てが上手い。もの凄い逆算の発想が行われてる。
携帯電話を持ち出すのも「上司の情報を得る為」という物語上の理由付けがあるけど、事件に繋げる為でしかない。アレル>>続きを読む
河原崎建三と賀来敦子が話している冒頭のシーンで、賀来敦子の顔に当たる光が不気味で、とても良いショットだった。
佐藤慶と小山明子が対峙してる場面で小山明子を照らす光、終盤での通夜シーンにおいての特異な光>>続きを読む
書店で勤務中に柄本佑と石橋静河がSMSのやり取りをして、突如、次のシーンでラブシーンへ繋ぐのが最高。
2018年9月号『シナリオ』に本作のシナリオが掲載されているのを読むと、勤務を終えて外へ出て、移動>>続きを読む
面白いのだけれど、いらちだから、タランティーノ作品ではお馴染みの意味のない会話のやり取りがツラい。
久々に見返してみたら、やっぱり面白くて最高だった。
夜、トム・クルーズがキャメロン・ディアスに車の中で状況の説明をしていて、
トム・クルーズが「そして君と出会った」と言った後のカットで、キャメロン・>>続きを読む
三益愛子が息子に絶縁を告げられ、画面奥へ走り去る息子を追い掛ける時、息子と三益愛子の間を車が通る。その車が絶妙なタイミングで走って行き、2人の断絶ぶりを顕著に視覚化してるのが凄い。
川上康子が控えめに>>続きを読む
岩田剛典が涙を流す瞬間だけ良かった。
あと、強いて言えば、岩田剛典が初めて部屋に来た時、光がキレイに当たって、顔が美しく撮られてた気がする。
獣医の口元をどアップにするのは効果的とは思えないし、岩田>>続きを読む
人を動かしても、陰影にこだわっても、ダメなものはダメ。
日本のためを想って行動する時だけ蒼井優が和服を着てるのも白々しく感じる程にダメ。
高橋一生と蒼井優の食事シーンで、蒼井優の顔の半分だけ光が当た>>続きを読む
あまりのバカバカしさが爽快で傑作。ここまでやられると清々しい。
新幹線内のシーンで、ずっとトンネルを通ってるわけでもないのに外は真っ暗。時々現れる緑や赤の薄い光だけで新幹線が走ってる感じを出すデタラ>>続きを読む
人物の配置も画面の奥行きも最高にキマッてる。
序盤で、車に乗ってる山本未來の顔が一切見えないことから始まり、前半の不穏な雰囲気バリバリで素晴らしい。
原爆が落ちる時の光が岡田茉莉子にとってトラウマな>>続きを読む
川島雄三『しとやかな獣』が96分で描いたことを『パラサイト 半地下の家族』は132分かけている。
低い位置にある街と高台の高級住宅街、階段で高低差を視覚で見せてるけど、そういう細部よりも話の展開によ>>続きを読む
母子が互いに依存し合っていく様がしっかり描かれてるから、依存モードが深まっていく描写が出て来る度に辛くなる。阿部サダヲが去った時、長澤まさみが落ち込み、それを支えなければならない状態に陥る息子。息子が>>続きを読む
序盤で、車を運転する錦戸亮が、後部座席に乗る北川景子を気にしながら運転してたら、「前を見て運転してもらえます?また事故に遭うのが嫌なんで。」と言うのが凄い。この台詞だけで、事故に遭ったのが原因で障害者>>続きを読む
冒頭、「お化け煙突」が見る位置によって、煙突の本数が変わるというのを丁寧に説明する。お化け煙突同様に「人間も多面性がある」というネタ振りがしっかりし過ぎてて、逆に冷める。
傷の舐め合い系人情ドラマだっ>>続きを読む
近松門左衛門の人形浄瑠璃が元だから、黒子が劇中に登場するといえば、それはそうではあるけれど、
本作で黒子が登場するのは、「神の遣いのように、人間を操る」という逃げようのない宿命が感じられるので、単なる>>続きを読む
暴力から始まって、主役2人の出会いは、片方のイカれた泣き芸がキッカケで、感情の昂りで突き進んでて良い。
フランスパンで殴り合って、部屋の中で10年の時空を飛び越えて、盛大なダンスで終わった。アンゲロプ>>続きを読む
主人公が義弟と性行為に及んだ後、家のシーンになり、養母との会話で、義弟からのプロポーズを断ったという話をして、養母が主人公の衣服の汚れを払うのが印象的で、母は2人が既に肉体的な関係があることを知ってる>>続きを読む
主人公が死へ向かってるような中で、抑えきれない性行為が行われる。性衝動から発せられるはずの「生」が、死にゆく退廃的な雰囲気に呑まれてる。
伊藤猛がショベルを手にして画面奥から手前へ走ってくる時、画面>>続きを読む
冒頭、画面奥から手前へ主人公が歩いて来るのを引きで撮ってて、手に何か持ってるのだけど、その正体が最後で分かるのはちょっと笑った。
序盤、2人が出会い、暴行が行われる路地裏シーンが良い。路地裏の狭さや>>続きを読む
電車内での出会いのシーンが良い。
若い青年が主人公の肩に寄り掛かって眠っていて、はじめは主人公がその青年を鬱陶しく感じてて、振り払いきれずに自分の降りる駅を乗り過ごした後、彼の顔を見て、愛しい表情をす>>続きを読む