hrmさんの映画レビュー・感想・評価

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水平線(2023年製作の映画)

4.0

静かなヒューマンドラマがとても好きだし、日本人監督の感性と相性がいいジャンルだとも思う。
噛めば噛むほど味が出て、後味が口に残るするめみたいな映画。
するめより、唐揚げとかピザ食べたい!っていう層には
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.8

とてもシンプルだった前作より、キャラクター数が多くて少し複雑な展開に途中から頭が混乱気味。
前作ではっきりと見て取れたフェミニズム色が引き続がれてはいるものの、フュリオサ以外の女性キャラクター登場シー
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帰ってきた あぶない刑事(2024年製作の映画)

4.0

ど田舎のちびっこだった私は、たぶん保育園から帰ってきた夕方の時間帯に再放送を浴びる洗礼を受けていた。
劇場版の前作以外は、たぶん全部鑑賞済み。
おかげで、記憶にある中で最初に好きになった芸能人は柴田恭
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そばかす(2022年製作の映画)

3.8

映画が終わってから「めっちゃよかったなぁ…」とつぶやいていた自分に「ほんとうに響いたんだね」と思いました。
とても、感情移入しました。

序盤は、実家や職場の雰囲気の、イメージとしての「普通さ」をコメ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.3

なんだかんだ監督作品だいたい観ていた、デヴィッド・フィンチャーの新作。

「自分は特別な人間」と自己暗示をかけるように、呪文のように言葉を繰り返すも思い描いた通りにはいかず、平均的な人間のひとりだと気
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アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

4.2

家で何十回も観ている映画を、初めてスクリーンで観られていることがしあわせで涙が出そうになった序盤。
中盤以降、ジャン=ピエール・ジュネのブラックさは、スクリーンで観た方が強く感じられてそこも良かった。
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.1

「え。なにこれ、めちゃくちゃおもしろい。」

映画評も聞いてはいたけれど情報を入れないように耳が流していたため、「主人公の目の特徴」という言葉と「かなり暗い画面が多い」ことしか記憶に残っておらず。
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関心領域(2023年製作の映画)

4.2

エンドロールで流れる、ホロコーストで命を奪われたひとたちの悲鳴のような曲を聴きながら、この空間で私は何をしているんだろうと思った。
劇場を出てトイレの鏡で自分の顔を見た時も、湿度を含んだ外の空気と町行
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.9

1992年公開、タランティーノの長編初監督作品。
撮影当時の彼は28歳。

ずいぶん前に一度観たきりで、内容に関する記憶はほとんどどこかへ行ってしまっていた。
スクリーンで改めて観ると、1stアルバム
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無名(2023年製作の映画)

3.5

日本以外のアジア圏の映画には、歴史を題材にしているものが多いように思います。
そういった作品を見るたび、歴史をきちんと学びたくなりながらもどうにもインプットされない自分がもどかしい。
第二次世界大戦前
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.5

「小さな違和感をスルーし続けると、大変なことが起こりますよ」というおはなし。
ざっくりの展開は予想しやすく、どう転んでも悪いことしか起こらないであろう緊迫感は「ありふれた教室」と似ていた。
エンドロー
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.3

8年前のアカデミー賞6部門受賞作品だったけれど、その当時は一切食指が動かず未見のままだった映画。
観てみたら、すごーくおもしろかった!
今作でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサの若き日を、大好きな
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.8

学校という小さい世界が舞台の緊張感に包まれたサスペンス。
学校に限らず、職場やその他コミュニティで起こり得ることだろうなと思う。

板挟みで精神的にどんどん追い詰められていく、赴任一年目の主人公教師。
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またヴィンセントは襲われる(2023年製作の映画)

3.8

ネット社会のメタファーだと感じたけれど、分断と対立と戦争、それから最近観た2本の映画「悪は存在しない」と「異人たちとの夏」も思い出していた鑑賞中。
直前に見ていたネット上の少し不安になる星の数は杞憂に
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

楽しみにしていた「悪は存在しない」。
「ドライブ・マイ・カー」は観たけれど「偶然と想像」は観ていない濱口竜介監督作品。
予告も観ずに臨めた幸運。

一般的なイメージとはおそらく違った意味での社会派、文
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キラー・ナマケモノ(2023年製作の映画)

3.0

ポップコーンとジュース片手にC級ホラーを観る会🦥

内容には全く期待をしておらず、こんなもんだろうな感は強かったけれど、CGに頼らずに作っている点(ナマケモノの、グレムリンやチャッキーみたいな動きにき
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

ギャル服ブランドと男の子と浜崎あゆみの話しかせず、本を読んでいると小馬鹿にしてくる女の子たちに辟易して引きこもりになってた頃の私がリアルタイムで観たかった。
実際に初めて観たのは20代後半で、20歳前
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーラン長編デビュー作。
全編モノクロの映像とクラシカルなスクリーンサイズ、女性俳優のヘアメイク、ファッションにより古い映画みたいな雰囲気。
4Kレストアとは言えあたたかいざらつきの残
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

映画評を聞いて(聞き流して)はいたものの、内容は全く忘れておりまして。
単純にミステリーのイメージで観始めたら、ごりごりのヒューマンドラマ、法廷劇。
アカデミー賞ノミネートの印象が強かったけどカンヌも
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異人たち(2023年製作の映画)

4.0

春休み前に飽きるほど流されていたペットショップボーイズとの邂逅。
この映画で伏線回収されたなら悪くない。

休前夜にソファでくっついてジャンクフード食べながらだらだらするの、私もやりたい。
アダムが声
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

タイトルの「PAST LIVES」は「前世」という意味だそうです。
ノラ一家の海外移住により離れ離れになった、幼馴染のノラとヘソン。
ふたりの心情や生活の変化を、12年後、24年後(現在)を舞台として
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.5

プリシラが14歳でエルヴィス・プレスリーと出会い、28歳で別離を選ぶまでのおはなし。
ソフィア・コッポラのガールズムービーカラーたっぷりに描かれています。
私みたいな60年代ファッション好きにはたまら
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貴公子(2023年製作の映画)

3.9



「THE WITCH / 魔女 -増殖-」の監督、主演のキム・ソンホは実力派の舞台出身俳優という部分に惹かれて観ました。
韓国映画の知識はまだあまりないため、映画自体の情報はあまり入れずに監督や主
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0



「プロレスかぁ…(三沢が生きていた頃、女子も男子もテレビで見ていたものの、今は全く離れてる)」→「A24なのか!」→「実話ベースの、毒親の呪い系ヒューマン!観やすっ🫡」という経緯があり、本日はこち
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.8

1968年アメリカ。
婚姻関係にある男女間の避妊さえ認められていなかった時代に、望まない妊娠をした富裕層の主婦ジョイ。
医師たちが認めた特例を除いて中絶さえ許されない中で、違法だが安全な中絶手術を提供
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.6

苦しさの中にある幸福なシーンを目にしたら、「ぐるりのこと」のふたりの未来を見られたみたいで嬉しくなった。
二度目をなかなか観られないけど、とても好きな映画です。
あれを映画館に観に行った23歳の私を褒
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

公開初日がおやすみでIMAX上映もあるのなら、観に行くに決まってる。
ということで、朝一で一仕事終えてから「オッペンハイマー」。

事前にいろんな声を目に耳にしていたけれど、私は肯定的な感情を抱いた映
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下女(1960年製作の映画)

3.8

こつこつ読んでいる韓国映画本でたびたび見かける「下女」。

ポン・ジュノが影響を受けたというのがすごくよく解るし、60'sファッションがめちゃくちゃ素敵で今の韓国語より耳障りがやわらかい。
なんとなく
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.9

日常にふと起きるちょっとしたアクシデントから始まる、ささやかなロードムービー。
発端の「ちょっとした」感じは、たとえば車が急に動かなくなったとき。1時間寝坊してしまったとき。
壮大であれささやかであれ
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

3.5

ゴダールの作品は初期作数本と、前作「イメージの本」を観た程度。
彼の思想なんかにも全く詳しくはない。
でも、同じ時代を生きたこの人が「映画」として遺した作品ならばスクリーンで観ておくべきだと思った。
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

3.9

以前何度か観たことのある「テルマ&ルイーズ」、今観たら感じ方が随分違った。
こんなにフェミニズム映画だとは思っていなくて、ここ数年で自分が吸収したものの偉力を感じた。
ハーヴェイ・カイテル演じる刑事の
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.5

シャルロット・ゲンズブールによる、「母への手紙」的ドキュメンタリー。

かなり私的で、会話の補足のようなモノローグも入らない。
観ながら知ったことも幾つか。
ジェーン・バーキンの1人目の夫との子どもが
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