えっかーさんの映画レビュー・感想・評価

えっかー

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(1960年製作の映画)

4.0

神は細部に宿る。ディテールを丁寧に執拗に描く事で画面の緊迫感がいや増す見事な演出。簡潔なストーリーと役者のクローズアップがまた効果的これぞ名画。

タイタンの戦い(1981年製作の映画)

3.6

ハリーハウゼンの遺作。彼のストップモーションアニメは私の映画鑑賞人生の原点。映画の出来はともかく、クリーチャー達の動きのなんと愛おしいこと!

大頭脳(1968年製作の映画)

3.8

英仏伊のクセつよ名優が真剣におバカを貫く姿勢が清々しい!アニメの使い方も洒落ていて欧州名車も勢揃い。現代映画のテンポとは違う緩さもご愛嬌。

殺したいほどアイ・ラブ・ユー(1990年製作の映画)

3.0

所々笑えるが、有り体に言えば豪華キャストの大量浪費。カスダン作品にも当たり外れあり、演者は楽しんでそうですが…T・ウルマン懐かしい。

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

4.0

吸血鬼あるあるを誠実に律儀にモキュメンタリー化した迷作。個々の場面が規律を逸脱しない精緻な演出に惚れ惚れ。ブラックコメディとはこういうことだ!

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.9

物語は普遍的展開ながら後見人制度を見事に皮肉った仕立てが秀逸。実際これに近い現実も有るのては?R・パイクは不屈の女を演らせたら天下一品、早くオスカーを取らせたい!

スローターハウス5(1972年製作の映画)

3.9

予想と全く異なる内容。無作為に異なる時間に翻弄される主人公の緩い一貫性と超人類の存在が「結局人生なんてままならない」という諦念に昇華しつつ、反戦映画でもあり結構深い。

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.0

最初は盲目の退役軍人に感情移入したが展開に伴いどのキャラにも関心が無くなり、クソ野郎の集まりによる殺戮合戦なのだと腹落ちした。ユニークな設定だけに残念。

彼のオートバイ、彼女の島(1986年製作の映画)

4.0

映研作品的な大林監督らしい瑞々しい迷作。チラ見していた妻は棒読み台詞に呆れて途中退場、でも私はこの世界観大好き。勿論原田貴和子加点有り。

プロフェッショナル(1981年製作の映画)

3.5

昨今の無敵ヒーロー物とは一線を画すベルモンド流の緩くも切ない80年代らしい作品。ベルモンドって体を張った骨太の良い役者だと再認識、他作も観返したい。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

キラーコンテンツ鬼太郎の前日譚を戦後日本の雰囲気を伝えつつ見事に語る大人アニメ。人物設定等にやや粗い面もあるがラスト鬼太郎に繋げる流れや良し。

犯罪都市(2017年製作の映画)

3.3

思想的な背景は無くマブリーの為の凝った舞台装置を用意したという事に尽きる。残酷描写の必然性はある程度認めるが個人的にはそこまで求めない。

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

バーチャルの進化と自動車レースという舞台を借りて、精緻な人間ドラマとリアルなレースシーンで一級品のエンタメに仕立てあげた観ず嫌いは勿体ない作品。日の丸の凋落激しい昨今、日産とソニーのコラボが純粋に日本>>続きを読む

ウォルト・ディズニーの約束(2013年製作の映画)

3.3

熟練の俳優陣を配して不味くなる訳はないが、主人公の酷い幼少期をこれでもかと反芻する演出に辟易した。だからこそのラストがあるのだろうけれど、この話の映画化の狙いはW・ディズニーへの忖度なのかと勘ぐってし>>続きを読む

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.0

9年前の作品、CG の完成度は高く、アイデアも良く考えられているが時代を映す映画としての必然性は皆無。みんなで頑張って新しい作品を作ろうとしている意欲は買う。

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.3

相変わらず画は綺麗でキャラの動きや映像の新奇さも有り流石の日本アニメの最高峰。ただ物語の設定と構成に納得感が得られず物語に没入できないのは練り込み不足なのか?

アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.6

非アクションヒーロー物という新たなカテゴリーに挑戦した意欲作。B・ウイリスの葛藤演技も゙良いし、ジャクソンの悪役も゙斬新だが、我々一般観衆はもう少し映画的カタルシスを求めたいというのが本音。

市子(2023年製作の映画)

3.8

冒頭から???と引き込まれて、途中で辻褄があっていることになるほどとなり、腹落ちさせるルポルタージュ的な演出にハマって重いテーマをそのまま重く見せられた。俳優陣のリアリティは素晴らしい。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

こんなに熱く心揺さぶられる音楽映画、それもアニメは初めて。上原ひろみのライブの熱気を彷彿させる濃厚な音の洪水!ストーリーの骨格も手堅く若者の血潮とそれを支える大人の静かな寛容性を表現して嫌味がない、見>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

平山の丁寧に生きる姿はまさに禅。ヴェンダース監督らしいモノクロのイメージが彼の日々にアクセント、でも基本は変わらない。音楽が的確に平山の心情を写し、我らの心にほんのり滲みる。明日からもちゃんと生きて行>>続きを読む

オーケストラ!(2009年製作の映画)

3.5

想定外のドタバタコメディ、しっとり泣かされる期待が吹っ飛んだ。M・ロラン目当てで見た割に彼女もまだ青すぎて今の方が魅力的。日曜ドラマに影響を与えたのはわかりました。演奏シーンはマル。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

主人公の冒険&成長物語を皮肉と真実の万華鏡で魅せる。リアルかつ幻想的な世界観に男尊女卑的欲望が父性、誠実、放蕩、束縛などの明確なメタファーとして描かれる。魂より脳が揺さぶられる作品。E・ストーンはオス>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.2

まっすぐに生きられない今という面倒くさい時代を日本を役所広司という類稀な才能をフルに活かし尽くして描かれた西川監督ワールド。脇を固める俳優陣も素晴らしいが、何より主演俳優の涙にもらい泣きするのは久しぶ>>続きを読む

Dr.コトー診療所(2022年製作の映画)

3.4

ほぼTVシリーズのフルキャスト、ドローン空撮の風景も素晴らしい。孤島の高齢化・過疎化・医療不在を日本の最先端と言い切る潔さや良し。ただ色々起こり過ぎて後半はもはやSFっぽく感じられた。

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

4.1

服装やアイテム全ての質感が良い上にイタリアの太陽がドロンの危険な美貌を際立たせ、クライムノベルである事も忘れさせる。そしてラスト、半笑いで画面を去る彼の余韻…万人の認める名画。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.2

シンとはまた違う名作誕生!VFXのレベル高さは予想通り、カタストロフィ半端なし。ストーリーは少年ジャンプ的な王道でカタルシスからの愛の花(?)震電の大活躍も鳥肌!

地下室のメロディー(1963年製作の映画)

4.0

港街カンヌを舞台に、躰を張りまくるドロンと重厚なギャバンの佇まいが醸し出すフィルムノワールの名作。水面の効果的かつスタイリッシュな写し方や音楽など、今観ても素敵。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.8

常連俳優陣で起伏少なく淡々と進む展開はアキ監督節。ゴミ収集の仕事を丁寧に描く事で、小さな差別や不条理も浮彫りに…。煙草スパスパはクドカンの「不適切にも程がある」の設定年と同じだから?

シックス・センス(1999年製作の映画)

4.2

何度観ても発見があって、緻密に計算された構図や台詞に納得する名画。特にJH・オスメントの視線や瞳の演技に負う所が大きい。鑑賞後は色んな人を大事にしなきゃと思う、がすぐ忘れる。

ブリキの太鼓 ディレクターズカット版(1979年製作の映画)

4.3

高校生以来の視聴、うなぎや魚のシーンはほぼトラウマ。二次大戦とその民族性を背景に、人の生と性、死を一人称語り、心が持って行かれる。乾いたユーモアや絵画の比喩的な使い方が当時っぽい。

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

お話は完全にクライムノベルなのに台詞少なめ表情無しで淡々とした日常のように進む。冒頭のマッチ製造現場のしつこい描写からまたもやアキ監督の術中にはまってしまった。若きK・オウティネンがまだ初々しい。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.9

映像はまさに任天堂の世界!80年代洋楽もピッタリ、老若男女が安心して楽しめる快作。豪華声優陣の中でもJ ・ブラックの歌がまた良い。ヤッフー!

真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

本来ならクライムアクションと言える展開ながら、ホームドラマのように観せるのがアキ監督らしさ。人生ただ流されているようで何かをきっかけに変わる、ラストのOverTheRainbowが沁みる。

最後まで行く(2014年製作の映画)

4.0

ラストまで続く緊迫感、これでもか!のこわ~い展開、おもちゃのギミックも効いていて流石の韓流クオリティ。観ているこっちまでBPM上がってしまうぅ。こりゃあリメイクしたくなる。

街のあかり(2006年製作の映画)

3.7

不憫な物語を乾いたタッチで描きつつ、フォーカスする対象が風景だったり、レコードプレーヤーだったり、この写し方はアキ監督独自のテンポを作り出している。そしてラストの少しの希望、これは三部作共通の通奏低音>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

3.8

話自体は決して明るくないし、盛り上がりもないがこの淡々とした進み方はクセになる。ラストの線路に電車が被ってくる所良し!映像の質感もアキ監督の小津好きが垣間見える、お寿司に日本酒も良いね…。

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