はたさんの映画レビュー・感想・評価

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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.8

ガイリッチー働きすぎ問題。
いつものクレイジーカメラワークと男の友情ドラマでいつものファンは喜ばせつつも、シリアスさは凄まじい。

百花(2022年製作の映画)

3.5

1シーン1カットというトリッキーな演出が結構ハマっていたと思う。自分の感覚として、心に残る会話や体験の一つ一つは前後を飛ばしたその瞬間だけ頭に残っていることがある。その記憶を思い出した時の質感がこの映>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

2.8

話は無難なラブコメだが、シドニースウィーニーとグレン・パウエルの魅力で何十倍も底上げされている映画だった。
原作はシェイクスピアの「から騒ぎ」で、来賓客が主演二人をくっつけようとする下りがいかにも劇っ
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

面白かった。これまでの是枝監督の作品の中で最もエンタメに振った作品だなと感じた。是枝監督は社会性の強い話題をテーマにすることに長けている監督だが、今作もそうした強みが発揮させられている。しかし、そこに>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.5

フュリオサに対する制作陣の強い愛情を感じた。具体的には、もっと派手なアクションが見れるかなと思っていたが、そんなになかったのだ。まあ、この映画の主人公が強く聡明なフュリオサである時点でそれは明白だ。彼>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

2.8

寝てしまった・・・。
音響がデヴィッドリンチ作品らしく不気味でおぞましく、隠しカメラによるドキュメンタリーチックな映像もいい雰囲気を醸し出しているが、テーマが先行しすぎていて、映画としてはあまり面白く
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.5

モンスターたちの奏でる勇壮なドラマに、守られる側の人間たちはひたすら解説に回るのみ。ゴジラ-1.0を観たある映画監督は「もっと人間ドラマが見たい」と言ったらしいが、この映画は逆。もっとコングとスーコの>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.4

棒読み演技や車の後ろからカメラを回すなど、トリッキーな演出が見てとれるが、実は「ファーゴ」や「スリービルボード」に似た物語だと感じた。

田舎町にグランピング施設を作るという騒動から、目先のことに頭が
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異人たち(2023年製作の映画)

4.3

果てしない孤独の静けさに打ちのめされ、うなずかされた。

日本のノスタルジックな幽霊譚「異人たちとの夏」をリメイクした本作は、主人公をゲイの男性にするなどの様々な変更点を加えることで、過去の思い出に出
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.3

新海誠の「秒速5センチメートル」やリチャードリンクレイターの「ビフォアシリーズ」を想起させる切なさマシマシの恋愛映画。NYの美しい風景を映しつつも、アジア系の我々ならわかるあの奥ゆかしい雰囲気で過去の>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

父親の無言の圧力に押しつぶされるような気分にさせられた。
映画を観ていて、最も雰囲気が似てるなと感じたのは、アーサーミラーの戯曲「セールスマンの死」だった。この劇の主人公ウィリーローマンは、セールスマ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

ノーラン映画史上もっとも人間臭い人の多い映画。

繰り返し見れば見るほどわかる主人公オッペンハイマーのダメっぷり。彼はあらゆるところで人を無視したり冷徹に接して敵を作っている。それ以上に興味のある事柄
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タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

3.5

ちょうどいいアクション映画だった。
ストーリーはありきたりで、むしろテコ入れが雑ですらあるが、アクションシーンがすごいのて中和。中盤の長回しがすごかった分、終盤の肉弾戦で予算が尽きちゃったのかなと思っ
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俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー(2024年製作の映画)

3.5

ジョンシナがとにかく輝いてる一本。ユダヤ人の割礼の儀式や主人公の過去に、「グリーンブック」を撮ったピーターファレリーの真面目さが見えるが、それを上回るジョンシナのアホっぷりに全てがかき消される。アクシ>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

「スターウォーズ」かと思ったら「ゴッドファーザー」だった。

「DUNE」シリーズを批判する人の声で見受けられる意見の一つに「シンプルすぎる」という声があった。確かに、この映画シリーズはスペース・オペ
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.0

スピルバーグが80年代に撮った映画のミュージカルアレンジ。パワフルな歌唱シーンに対して、ストーリーは80年代版と変わらず非常にシリアスなので、高低差に驚くこと間違いなし。具体的に言えば、皆で楽しく歌っ>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.3

前半寝てしまった、、、。
この映画で大事なのは、母が殺したか殺してないかではなく、観客が何を信じるかということだと思う。息子は父親の視点で屋根裏から見下ろした時に、何かに気づいたのかもしれない。

荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて(2014年製作の映画)

3.1

「テッド」~「テッド2」の合間にセス・マクファーレンが顔出しで作ったこの一本。
西部劇がメインジャンルなのに時代考証なんてそっちのけの世界観がステキ。ストーリーの深みなんてこの手のコメディではあるよう
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オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

4.0

「もう終わりにしよう。」「脳内ニューヨーク」のチャーリーカウフマンがこんなに優しい映画を作るとは。

この映画は怖がりな少年オリオンが、恐怖を克服する旅に出るところから始まるが、話は二転三転し、オリオ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

ランティモス版「フォレスト・ガンプ」?
エマストーン演じる脳みそが赤ん坊のベラが、さまざまな出来事(ほとんどsex関連の)を通じて成長していく。

テーマは「バービー」で描かれていたような現代社会にお
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最‘狂’絶叫計画(2003年製作の映画)

3.3

絶叫計画シリーズの中では一番好きな作品。
「ホットショット」で散々笑かしてくれたチャーリーシーンの登場シーンはハズレがない。

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

鑑賞後に原作購読。

脚色がとにかく丁寧。1〜3巻ぐらいの内容をうまく整理して程よく緊張と緩和が保たれるようにしている。今後重要な鍵を握ってくるあのキャラクターやこのキャラクターも、露骨に出番がない分
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.4

バーンスタインの功績をたたえる映画と言うよりは、夫婦の絆を表現した物語のように感じた。アンドリュー・ヘイの「さざ波」のように、妻の悲しい片思いが描かれている。冒頭のバーンスタインがホールに駆け込むシー>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.5

すごい!これは本当にすごい映画!
この映画は和山やまの同名コミックを原作に、原作の魅力はそのまま、原作ファンならさらに楽しめる作りになっている!

シンプルなBGMに、抑えた演出、ヤクザたちの絶"妙"
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

2.3

フィンチャーは、合う作品と合わない作品があるが、今作は合わない方の作品だった。

いつも通りのスタイリッシュなOPから、ファスベンダー扮する主人公の無機質なモノローグ。この時点ではなかなかワクワクして
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.0

古き良きミュージカルの形式を踏まえつつ、後半ではポールキングらしい怒涛の伏線回収が楽しめる。ティモシーシャラメの見事な演技に関してはいうまでもなし。企業のカルテル化や弱者の搾取などに、ロアルドダールと>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.0

凄まじく面白い。ワンカットによりレストランの緊張感が見事に表現されていて、主人公の追い詰められていく様が生々しく映る。 「the bear」や「ディナーラッシュ」など、三つ星レストランを題材とした映画>>続きを読む

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)

3.5

「ジョーカー」や「グラディエーター」のイメージが濃いホアキンフェニックスだが、こうした繊細でやさしい演技が彼の本質だと信じてる。
シャッフルされた時間軸や、時折挿入されるアニメーションでジョンキャラハ
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