はるかわさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

はるかわ

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何者(2016年製作の映画)

4.2

寝不足だったからか、ラストの背中に号泣した。就活の映画だけど、いかに内定を勝ち取るかという話ではない。より普遍的な人間としての成長の物語。観察者ぶって他人を批評しているうちは、どこにもいけない。

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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

4.0

白岩の口癖は「俺は最低な人間」。
「俺のせいでこうなった」と過去を振り返るけど、聡から「そりゃそうでしょ」と返されると、表情を変えて「お前に何がわかるんだよ」。このやりとり、すごく良かった。

妻が病
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

5.0

床に寝そべる亮平の靴下を朝子が脱がせるシーン。
濱口作品の特徴の一つはセックスシーンがないこと。『寝ても覚めても』でもキスシーンはたくさんあるけどセックスはない。きっと映画の中でのセックスは強すぎて、
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

4.5

達夫と拓児のいちゃつきが良い。
知り合ってすぐ拓児は達夫を好きになる。家に連れて行ったのは、ご馳走したかっただけでなく、多分、姉に会わせたかったのだと思う。もしかしたら、家に縛られる自分たちの状況に変
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川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

3.0

後半の病室での満島ひかりの演技、
「お父さん、なんとかならないかな」
このワンシーンが映画全体をぐっと引き締めてる。不意打ちをくらうと、けっこう刺さる。
あとは満島ひかりの顔の小ささ。350mlのビー
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怒り(2016年製作の映画)

2.5

犯人か誰なのか最後までわからず、飽きずにぐいぐいみれたが、冷める要素もあった。まず「怒」の文字。怒りに震えている人は、その心情を「怒」の文字であらわすかな。表現が素直すぎて、だいぶ違和感あった。あと、>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

2.5

おもしろいけど、山田孝之がこの事件にのめり込んでいく理由はいまいちピンと来なかった。

公務執行妨害で捕まり、妻と面会。
「ねえ、この記事を出せれば殺人犯を死刑にできるかもしれないんだよ 死んでった人
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.0

久しぶりにみた。
トラヴィスの孤独と苛立ちとコミュ障っぷりが、他人事には感じられない。世界とうまくかかわれなくて、傷つき、しだいに世界が憎くなっていく感覚。誰か抱きしめてくれないか…

映画の前半、武
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セトウツミ(2016年製作の映画)

3.0

2人が座ってる場所がいい。川べりの遊歩道へ降りる短い階段。視界が開けていて、道からはちょっとだけ死角になってて、くつろげる。

映像はしゃべる2人を正面からとらえる画が多いが、2人の目の前にはずっと小
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娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.5

スコアなんて本当はつけられない、衝撃的な映像だった。

空爆の音、振動、視界を覆う埃、運びこまれる血だらけの子どもたち、うめき声。空爆の下にいるということがどういう身体的体験であるか、これ以上ない強さ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

大好きなシーンばかり。シーンを重ねるごとに、すずさんたちの生活がどんどん愛おしくなる。節約料理、丘から見下ろす戦艦。原爆があの距離感で描かれているのもすごく新鮮だった。何度みても心震える映画。

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.7

ぶっ飛んだ展開に没入し、揺さぶられ、あっという間の至福の時間だった。
夫の視点で物語を追ってしまうが、後半、感情が揺れ動くのはむしろ妻の方。高慢や狡猾さだけでなく、怯えや未練、狂気など、シーンごとに移
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.0

ロバート・デ・ニーロの佇まいは、どこか気高く優雅で、画面に出てくるだけで惹きつけられる。その優雅さがそのまま若きヴィトーの魅力として現れ、一代でドンに成り上がったという設定に説得力を与えている。

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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.5

何度も繰り返しみた映画。どのシーンを切り取っても荘厳で美しい。
異常に長いファーストカットが最高。静かなズームバックに合わせて、すーっと映画の世界に引き込まれる。ルイズレストランも好きだし、老いたドン
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GO(2001年製作の映画)

4.0

私たちひとりひとりに染み込んだ差別を、杉原が正面から飛び越えてくれる。爽やかで、励まされる映画。

「今まで差別とかされても全然平気だったんすけど、彼女と出会ってから急にびびっちゃって…よく考えたら今
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.0

ドアポスト越しのてっこの豹変がすごすぎて、それ以降のゾンビ化シーンはだいぶ霞んだ。物語は「誰かのヒーローでありたい」と望んできた男の精神的な成熟に着地するが、そもそもの「ヒーローでありたい」に全然共感>>続きを読む

プリズン・サークル(2019年製作の映画)

3.8

詐欺や傷害などの罪を犯した受刑者が、約20人のユニットを作り「対話」を通して自分自身を見つめ直す更生プログラム。加害者の多くが、子ども時代に家庭や学校で凄惨な暴力の被害者だった過去を持ち、そのつらい経>>続きを読む

舟を編む(2013年製作の映画)

4.0

一生を捧げたいと思える「仕事」に出会えることの幸せと、尊敬する仲間と一つのものを作りあげることの喜びを、ストレートに伝えてくれる映画。

「ほかの人の気持ちがわかんないなんて当たり前じゃないか。わかん
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

3.5

多分4回目ぐらい。久々にみた。
すごくおもしろくてスカッとする。ラストの海での再会は本当に気持ち良い。屋上のビールやレコードのシーンが人間の尊厳のようなものを感じられて特に好き。
話の要素はかなり多め
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

冒頭の樹木希林とYOUが立つ台所に引き込まれる。是枝監督は、生活感の染み込んだ風呂場や台所などの水まわりが大好きなんだと思う。ザルの枝豆に塩をふったりミョウガを刻んだり、手元のカットが美しい。
兄の死
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

10歳の視点を通して戦争を描く映画。チャーミングな「ヒトラー」が新鮮だった。
子どもたちが戦争に駆り出されることのむごさをもう少し感じたかった。連合軍が攻めてきていよいよ敗戦というときに、子どもたちに
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.4

激しく感動した。
多分、この映画のテーマは、権力やメディアがいかに酷いかを暴くことではない。より大切なのは、権力やメディアに理不尽に人生を踏みにじられたとき、リチャード・ジュエルがどう振る舞い、何を守
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.5

ラストカットの運転する横顔が頭から離れない。『わたしはダニエル・ブレイク』もそうだけど、なにも好転しないまま唐突に終わる。終わり方が強い。

終始リッキーが仕事に対して誠実なのが良かった。最初「妻の車
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

深夜の回をほろ酔いでみたけど、一気に引き込まれた。社会的なテーマとか理屈を超えて単純にめっちゃおもしろい。笑えて、ゾッとして、ハラハラして、最後悲しくなる。展開に一切ゆるみがなく、映像も音楽も最高だっ>>続きを読む

何食わぬ顔(2003年製作の映画)

3.5

電車のシーン、車窓の光が良かった。
画質は荒く、仲間で作った感は強いけど、爽やかで引き込まれた。

親密さ(2012年製作の映画)

4.3

夜明け前の橋のワンカット10分超のシーン。映画館で見られて幸せでした。

ジョーカー(2019年製作の映画)

2.5

偏見を助長しかねない映画のように感じた。精神疾患のある人への偏見と、デモで声を上げる人たちへの偏見。映像には引き込まれた。骨張ったいびつな身体と、見ていてつらくなるような苦しい笑い方がすごかった。

紙の月(2014年製作の映画)

3.8

転落の原因のひとつは夫との関係だが、それを物語る腕時計のシーンがすごい。2人が決定的にうまくいってないことが端的に伝わってきてヒリヒリする。

池松壮亮とのシーンは全部最高だった。特に、スイートルーム
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ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

1.5

友人に誘われてみたけど、夜勤明けだったこともあり、途中で寝てしまった。

海街diary(2015年製作の映画)

3.0

『万引き家族』もそうだけど「家」の存在感がすごい。障子や水まわりや床下収納に今までの生活が全て蓄積されていて、すごく説得力がある。けど、姉妹たちには家ほどの実在感は感じなかった。みている私の問題かもし>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

2.0

展開には正直ちょっとついてけなかったけど、線路を走る帆高はよかった。雨に浸かった東京も劇場でみてよかった。

凪待ち(2019年製作の映画)

3.5

どん底に落ちた人間が再び前を向く話にしては、いつまでもギャンブル中毒から立ち直れない。その遅さが良い映画。

けど、香取慎吾が立ち直るきっかけは、結局ギャンブルのまぐれ勝ちの結果に過ぎない。これだけ執
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メランコリック(2018年製作の映画)

1.0

面白いのは「銭湯は死体処理に最適」という着想だけなのに、銭湯を生かした死体処理の具体的な描写が全く出てこない。

人間の体はそんなに簡単に消し去れないでしょ… 締め殺して、ブラシでシャカシャカしたら
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