ポーランド系ユダヤ人作家のレオポルド・ティルマンドが42年のドイツで過ごした実体験をもとに執筆した自伝的な小説を映画化した『フィリップ』。ワルシャワのゲットーで家族と恋人をナチスに殺された青年フィリッ>>続きを読む
**「私たちは名もなき忘れ去られし者。でも私たちは忘れない。」**
終戦直後に生まれたキーファーは1969年に、ナチス式敬礼のポーズをとったセルフ・ポートレイトを発表したことで反発を生みながらも注目さ>>続きを読む
プレ・ヘイズコード期アメリカのキュートで洒脱なスクリューボール・コメディ。ヴェネチアで意気投合した紳士淑女の泥棒カップル、ガストンとリリーが狙うのは、パリの大富豪で若き未亡人マリアンヌ。しかし、ガスト>>続きを読む
麗しのシドニー・スウィニーめちゃくちゃよかったね。みんなでハイキングに行った途中、ビーとベンがまわりから恋人同士だと信じてもらうためにおたがいをまさぐりあうシーンを後景に、肝心の友人たちは出現したコア>>続きを読む
Sight & Sound誌「史上最高の映画」リストやVariety誌「史上最高の映画100本」など、世界的に確固たる地位を築いているフランスの映画監督クレール・ドゥニによる幻の傑作🫶🏻🥹❤️🩹 2>>続きを読む
158分という長さは、悲劇的なエピソードや悲惨さ・苦痛を伴う部分もかなり多く、冗長さを感じさせる部分もあるけれど、それがなんだか「人生」という壮大さを描くには適切な気が感じがするし、時折挿入される彼女>>続きを読む
傑作。🥲🥲🥀♥️
1900年、セイント・ヴァレンタインデーの日に、ピクニックにでかけた女子学生たちと教師の倦怠な午後は、生徒3人と教師1人の失踪によって暗転。寄宿学校として規律を重視してきた学園内の歯>>続きを読む
タイカ・ワイティティはどうしてこんなに優しいんだろう。「愛している」と言われること、愛されていると認識できること。そういったことを描いてきたティーンエイジャーの物語はこれまでもたくさん作られてきた/そ>>続きを読む
第72回ベルリン国際映画祭銀熊賞(主演俳優賞/脚本賞)作品。『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』(2018)のアンドレアス・ドレーゼン監督。米国9・11テロから20年以上が経過した今、グアンタナモ収容>>続きを読む
『オクス駅お化け』脚色の新鋭キム・スイン監督長編デビュー作。もともとは脚本だけを任されたらしいけど、キム・スイン自身も監督志望ときいて監督にも抜擢されたらしい。女性監督がどんどんとおもしろい作品を作っ>>続きを読む
監督アラン・モイルが購入した中古のソファに詰め込まれていた路上生活をしていた女の子の日記をもとに書かれた映画らしい。本来はもっとレズビアン的な描写があったけれど、ポスプロの段階でカットされまくったとか>>続きを読む
対話可能性と対話不可能性のバランスの危うさを描いているのはなんだか『ハッピーアワー』を彷彿させた。撮影に『ハッピーアワー』の北川喜雄が参加しているので、もう一度『ハッピーアワー』を観たくなる。
物語>>続きを読む
国と国の策略に翻弄される難民一家、まもなく父になろうとしている若き国境警備隊の男性、難民を救うために最善を尽くす活動家グループ、国境付近に住む一般女性ユリア。多角的に描かれた個々の視点からの問題提起が>>続きを読む
モルターラ家で使用人として働いていたクリスチャンである女性が、病気になったエドガルドが、受洗しないまま死んだら辺獄(リンボ)に行くという忠告のもとユダヤ人一家の両親に内緒で洗礼を行ったことに端を発し、>>続きを読む
目覚まし時計と早朝の支度。シャワーを浴びる43歳の身体をゆっくりと捉えるオープニング。工場で働く彼女の身体につく木片。工場の様子を、主人公カタの身体だけでなく、そのほかの女たちの手つき(乾燥した手や腕>>続きを読む
メーサーロシュ・マールタ監督の長編3作目。劇場公開時はおそらく、残暑きびしい、蒸し蒸しとした日々のなかで、なんとか心を奮い立たせて映画館に行こうとしたものの、ぜんぜんだめで、ひたすら天井を眺めていたの>>続きを読む
三宅唱の『夜明けのすべて』で主人公ふたりが勤めている栗田科学の内部がすごかったな〜と思い起こしている。これは撮影の月永さんの画面の収め方が三宅監督との前作『ケイコ』では、ケイコひとりを画面内にいれるこ>>続きを読む
アメリカのインディペンデント映画監督アベル・フェラーラの初期傑作。都市部にはびこる暴力を描くのは、ショッキングな内容でありつつ、これまでにあったレイプリベンジ・エクスプロイテーションものの扇動的な描き>>続きを読む
2024年、ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門作品賞、主演女優賞(グレタ・リー)、監督賞(セリーヌ・ソン)、脚本賞(セリーヌ・ソン)、非英語映画賞の5部門ノミネート。アカデミー賞でも作品賞、脚本賞の2部>>続きを読む
逃亡犯として逃げているのはもちろん、彼女たちは戻ることで「女性の役割」に押し込まれる現実や、「女性」であるがゆえに虐げられる現実から逃亡する。亭主関白な夫のもとで抑圧され、どこか子どもっぽさを伴ってい>>続きを読む
「ピアノ」=高度なメソッドが必要とされるもの=エイダは言葉の代わりとして使う=言葉(元来、男性のものとされたもの)を自らのものにすること(内在化させること)に抵抗をしつつ、社会で生きるうえで規範のなか>>続きを読む
2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品、作品賞受賞。バス・ドゥヴォス監督の長編4作目とのこと。バス・ドゥヴォスと出会えたことは、2023年映画にまつわる一番のうれしい出来事だったように思>>続きを読む
あの日、あの場所で、いったい何があったのか?第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞、第81回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、主演女優賞(ドラマ部門/ザンドラ・ヒュラー)、脚本賞、>>続きを読む
エリセ、31年ぶりの長編映画発表。169分はがんばったね。とおもった。「カンヌ・プレミア部門」での上映で、「コンペティション」入りは果たされず、物議を醸していたらしい。当然「コンペ」入りを望んでいたエ>>続きを読む