Pianoさんの映画レビュー・感想・評価

Piano

Piano

関心領域(2023年製作の映画)

4.4

空間の切り取り方や、色使いが洒落ている。
事ごとへの皮肉っぽい視点もアートで
「落下の解剖学」系。
我々が仕事後は家族が待つ家へ帰るように、アウシュビッツで働いてる人も1日の〝仕事〝が終わると帰宅する
>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.8

「バービー」のちょいキモいライアン-ゴズリングと、「セッション」のちょいパワハラのJKシモンズが、なんと2人とも「ラ-ラ-ランド」に出ている!と2度目の視聴。
4年前の初鑑賞時よりも今回の方が楽しめた
>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.0

鬼才の指揮者が鬼才のドラマーを見付け、グイグイ鍛えて最高のセッションに到達する。
音響体感シートから来るドラムの振動と音に、クールなジャズでラストは感極まった。
アンドリューが鬼才か見極める為にダシに
>>続きを読む

人間の境界(2023年製作の映画)

4.3

人間の境界というタイトルが絶妙。
色々なラインが人間を取り巻いていることに気付かされる。
移民達が中立地帯をパチンコ玉のように跳ね返される非人道的状態を、命がけで助けようと走り回る活動家達や、見逃すこ
>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.2

フォードVSフェラーリというより、フォード内の競争かな。
純粋な技術者達を大企業が取り込んで利用して手柄を横取りするって、ずるいけれどありそうだ。
物作りへの愛ある創始者ならこんな酷い仕打ちはしないだ
>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

3.6

実写版だけれど、漫画っぽくて気楽に楽しめる。
鈴木亮平さんのガン捌きとデレ表情がテンポよくて釘付け。
元バディの妹が、素朴でお色気さんじゃないのが息抜き。
橋爪功さんの裏ボスぶりが、優しい役とのギャッ
>>続きを読む

教えて? ネコのココロ(2022年製作の映画)

3.8

犬は叱って育て、猫はおだてて育てるとか、アメリカの猫は社交的だけれど、日本は人見知りとか、まるで人間のようだ。
そして愛情たっぷりかければ芸も覚えるなんて健気。
モフモフの猫ちゃん達がいっぱい出て来て
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.6

自分をよく見つめて、自分に合った歌を歌えよと、強面のヤクザ達に真面目な合唱部長が良き指導。
えぐい抗争シーンは無く、只々優しくお父さんの眼差しのヤクザと、清楚な悩める高校生の交流にホッと観ていられる。
>>続きを読む

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.4

「ウィンター-オン-ファイヤー ウクライナ 自由への戦い」を2年前に観て、何故ロシアがこんなにも執拗なのかを垣間見た。
でもここまで戦争が続くとは思いもしなかった。
息が苦しくなるような衝撃的な映像。
>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

最後に夢が覚めたようにスッとくる〝ちょっと思い出しただけ〝感。
うまい。
脚本の工夫だけでなく、伊藤沙莉さんと池松君の誰にも身に覚えのありそうな、他愛無いイチャイチャが自然で、より一層〝ちょっと思い出
>>続きを読む

アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

4.2

「オッペンハイマー」鑑賞後に観た。
逆に辿った形だが、話が繋がった。
アインシュタインの言動が、マンハッタン計画に繋がり、一般市民への原爆投下という結果をもたらしたとしたら、最早単なる研究者ではない。
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

緊張極まった最後に、突如ほうっと穏やかになるところは、やっぱりノーラン。
原爆実験の白い光やオレンジ色のキノコ雲も、奥の方に座って憂いた表情のオッペンハイマーの聴聞シーンも、画に迫力があって、いつの間
>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.7

ノア-バームバック&グレタ-ガーウィグの脚本コンビにつられて観た。
「フランシス-ハ」とか「マリッジストーリー」からは、このワチャワチャ感は想像つかない。
ダイバーシティに配慮するあまり、訳分からなく
>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

4.0

大事な人が居なくなる時の、家族や恋人や友人達の其々の気持ちに共感。
思い出して涙が込み上げた。
そしてあの世に行く前に、幸せな未来の夢が見られるって良いな。
〝パレード〝といい、藤井監督の描く死生観に
>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.4

タイトルが意味深で洒落ている。
人が裁くってそういうことかも。
〝シカゴ裁判〝の直球系と違って、正義を疑ってかかる皮肉な捉え方がフランスらしい。
観ている側も陪審員になったかのように引き込まれる作りは
>>続きを読む

SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

4.0

オリジナル好きだけれど、シングは日本語吹き替えも結構良い。
今までのメンバーに加えてアイナ-ジ-エンドもジェシーも声色が良い。
〝コアラ-ジ-エンド〝は吹き替え版ならではのジョーク?
音楽も映像も楽し
>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.3

不思議な世界観にずっと引き込まれた。
俳優達の瞳が語る力と写真のカットのような美しい絵の力が、静かな物語を支えている。
映画の中の娘探しと、映画の外の友人探しがラストに合わさった瞬間、ほうっと合点がい
>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.0

上原ひろみさんが演奏してる!
声優陣も今をときめく若手人気俳優達だしとにかく豪華!
バックで奏でている演奏家が本格派だから、ジャズ好きは聴いてるだけでも楽しめる。
アニメーションは絵が綺麗で表情や動き
>>続きを読む

そして、見失ったのは(2023年製作の映画)

3.8

SNS に依存せず、リアルに人との関係を築くことが大切と説く、若者への示唆を与えるストーリーはインド映画っぽい。
男女間の友情も自然で良い。
〝不揃いの林檎たち〝とか〝青が散る〝的。
音楽はいつもの爆
>>続きを読む

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

4.0

人は死に際すると、こんな究極な時でも大切な人達に、思いを残そうとするんだな。
愛してる、有難う、伝えられて良かった。

パレード(2024年製作の映画)

4.0

大人のファンタジー。
ラストへの繋がりにグッときた。
親しい人が亡くなると、花々を飛び交う蝶々やベランダに飛来した鳥がその人に思えたりする。
現世とあの世の間があるのではと思うこともある。
1.5世界
>>続きを読む

キャンバス(2020年製作の映画)

3.8

アニメでの現実と回想の使い分けに、成る程なと思った。
台詞が無い分、絵の力でダイレクトに心に届いた。

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.0

思いの丈をぶちまけ合っても分かり合える友達がいるって良いな。ショーンもウィルも家族のような友がいる。
そして自身も色々な制約を乗り越えてきた、親のように導いてくれる大人達に見つけてもらえてラッキー。
>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.8

人間の姿を〝一筋縄ではないよね〝って描くところが、実在の人物ものっぽくなくてモヤモヤするなぁと思ったら、成る程「セブン」とか「ファイトクラブ」のデビットフィンチャー監督なのか。
思い込みが強くて、周り
>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.2

プラン75が制度化され、施行されている以外は今、いやもっと前から起きている現実。
ドキュメンタリータッチなので、リアルな感情がずっしりと伸し掛かる。
自分だったらどう選択するかな。
ただ生きていくだけ
>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

4.2

飲み込みたい衝動のインパクトが強くてホラーかと思いきや、実際は自分勝手な家族達に翻弄される人間の心の動きを描いている。
美しい住宅建築と川縁の風景に、主人公の透き通るような清廉さが似合っており、映像の
>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

どのクラスにも、良い事と悩み事がある。自分のチャレンジに真っ直ぐ向き合う女性達は、出自は違えど向かう先の世界はひとつ。
凄い貴族の話かと思ったら、凡人にも想像つく範囲のクラスだった。
高校の同級生達は
>>続きを読む

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

3.8

〝We are the world 〝の作られた背景を今更知った。何気なく聴いていたけれど、社会的に意味を持ったアクションだったのだと。
昭和アーティスト達のコラボが世代ドンピシャで懐かしいし、一節で
>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.8

ストーリー的に出てきそうな、意地悪でずるい人がいない。其々が夢や目標に向かって一生懸命で、先輩も後輩も素直だから気持ちよく応援できる、ホリデーにピッタリなハッピー映画。
アン-ハサウェイやメリル-スト
>>続きを読む

シティ・オブ・ジョイ ~世界を変える真実の声~(2016年製作の映画)

4.0

レイプは卑劣な戦法。
しかし紛争の根源が大国たちの経済競争にある事を知って、私達が止めなければいけない問題なのだと分かった。
衣料や珈琲などエシカルを謳った製品が流行っているけれど、携帯やパソコンにも
>>続きを読む

トラスト・ノー・ワン:消えた巨額仮想通貨を追え!(2022年製作の映画)

4.0

ワイヤーカード破綻劇に続いて、企業倫理や社会的責任に欠けるリーダーの話。
ビットコインに於いてはビジネスモデルとしての良さがわからない。ただのマネーゲーム?
それ自体では美味しいランチにありつけない点
>>続きを読む

衝撃実録! ワイヤーカード破綻劇の内幕(2022年製作の映画)

4.0

日本も、政府が〝あぶく銭社会〝に誘導する政策を打ち出しているが、〝ご用心〝と思わせるドキュメンタリーだった。
政治家として順調に見えたメルケルさんが落とし穴に落ちたのも、競争心という邪念でワイヤーカー
>>続きを読む

フレッチ/死体のいる迷路(2022年製作の映画)

3.6

アメリカの古き良き空気感の、鼠小僧的ドラマ?刑事コロンボ臭もする。
でも2022年なんだ。
特に犯人追求せずとも気楽に〝なり〝で観ることが出来る。
ちょいちょい挟まるコメディタッチもクスッと笑える。
>>続きを読む

クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

3.6

坂元さんものだからと期待していた〝感じ〝が見つからなかった。何でだ?
いつもの恋心の機微とか、グッと心を掴まれる展開とかが無いままフィナーレへ。
紙吹雪に混じって舞うトイレットペーパーは、オッと思うが
>>続きを読む

アーチーズ(2023年製作の映画)

3.8

インド映画らしい、若者達の進むべき将来を明るい音楽とダンスで描く学園ミュージカル。
皆が力を合わせて、自分達の歴史でありアイデンティティである公園を守るべく奔走する。反省が早い親達も柔軟で良い。
アン
>>続きを読む

雪山の絆(2023年製作の映画)

3.8

これでもかというくらい災難が重なっても、その先の生きている自分達を信じて手を打ち、観念すべきは割り切る強さに感服。死んだら私を食べて良いとは、中々言い残せない。
自分が得意な役割でスピーディに協力し合
>>続きを読む