「ありきたり」や「人生の不可逆性」をちゃんと凝視しながら、丁寧に作られた映画です。
クリストファー・ノーラン好きのマインドは、大画面、大音響(単に音がデカい、ではなく静かな音までつぶさに聴こえる)で満たされた。人類の終わりの始まりを告げるプロジェクトX。美しい数式と物理学に宿る謎に魅>>続きを読む
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元プロレスファンとして伝説のレスラー、フリッツ・フォン・エリック一家に起きた悲劇は知っていた。てか、それ以前に、男4人兄弟で、そのうち3人が両親より早く死ぬ、ってひどい物語だ。でも目が離せなかった。兄>>続きを読む
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レイチェル・マクアダムス、オーウェン・ウィルソン、クリストファー・ウォーケン。好きな3人が揃ってなかったら見なかった。実際、その3人のおかげで楽しく見れる。チョイ役のウィル・フェレルが終盤を持っていっ>>続きを読む
演奏シーンがめちゃかっこいいし、それをもっと盛り込んでたらファン向け映画を超えられた気もする。
三船と原節子でいちゃいちゃカップル物なんてパーフェクトヒューマンすぎるだろという事前の予想を覆し、戦後まもない東京を生き抜いていく者たちの姿を低い目線で(けしてシリアスになりすぎずに)とらえた佳作だっ>>続きを読む
時間を間違えてきてしまったので、今年1本目がこれになってしまった。気分的には、今日はこれくらいのゆるさでよござんした。殺陣はお見事。秘伝の巻物にわざわざタイトルが書いてあるのがおかしかった。
帰国便の機内映画にあったドナ・サマーのドキュメンタリー「Love to Love You, Donna Summer」。70年代のミュンヘンやアメリカのディスコカルチャー映像が結構見られるかもというく>>続きを読む
饒舌、ハイテンション、内気、いいひとぶり、一国二制度、4Kでさらにコントラストを強くした闇と光。この群像劇で思い出してたのは、なぜかウディ・アレン。新作ももう望めないし、エドワード・ヤンもとっくにいな>>続きを読む
シャマランの場合、点数が低いから嫌いとは限らない……。めずらしく辻褄も(ある程度)合ってるし……。
先週、LAにいるあいだに「バービー」見ました。控えめに言っても、今後何十年か議論の対象になりながらも堂々としたエンターティンメント作品として輝き、人間たちの道しるべとして残る作品。才能あるひとに予算と>>続きを読む
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ジブリクラスタでもないのに初日に行こうと思ったのは、82歳の映画監督による弾き語り(線を引き語り)にとても興味があったから。27年後の自分がどう生きてるか、みたいな。(以下はネタばれではないけど、何も>>続きを読む
「ミュージック・マガジン」2023年8月号にレビューを書きました。
俳優として「イカとクジラ」にも出てたオーウェン・クラインの初監督作「Funny Pages」。この監督の、というより「A24の」で紹介しがちになる傾向は慎みたいと思いつつ、感触としては「ザ・A24」な>>続きを読む
アル・ヤンコヴィックの伝記映画なんて無茶な企画が通ったのか。という驚きだけでなく、ヤンコヴィックたっての希望で本人役はあのダニエル・ラドクリフで2度びっくり! ハリー・ポッターも30代なわけだけど、よ>>続きを読む
女性を撮る監督としてのアルトマンのすごみを思い知らされた。楳図かずお「おろち」のエピソード、とりわけ「姉妹」の映像化がもし叶うとしたら最適解はこの時期のアルトマンだったとすら思った。エンドロール、マジ>>続きを読む
監督デビュー作「アメリカの影」同様に、社会の底でうごめくジャズマンのいけてない暮らしぶりがモチーフ。
ボビー・ダーリン率いるコンボの演奏をアテているのはジミー・ロウルズ、シェリー・マンら当時のウェス>>続きを読む
ついに見てしまった。22歳の田村正和主演、日本初のモッズ映画との触れ込みだった「空いっぱいの涙」。主題歌の破壊力のみ結構知られていた作品だが、レコード化されてない曲がほかにも2曲あるとは知らなんだ。「>>続きを読む
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腐ったメキシコ社会でパカっと口を開けた乾ききった地獄。ホラーやスリラーとは思わなかった。「パラサイト」が生ぬるく思えるし、ディストピアなんてワードすらまだロマンチックに思えたわ。でも、助けや情けを信じ>>続きを読む