自身の語る生い立ちがことごとく嘘八百であるという「嘘つきみっちゃん」だけれども、その周りに集まる人の心酔具合はすさまじく、いわば「人たらし」の極致。
葬儀での瀬戸内寂聴のスピーチがすごい。
カウリスマキにしては劇的な出来事がおこる映画だけど、全体的にはいつものトーンで気軽に見られる。それでいて最後にはなんとも言えない余韻が残る。マッティ・ペロンパーがかっこいい。
最初から最後まで全シーンが感情に響き、笑ったり泣いたり、疲れてしまった。父親を「父!」と呼ぶ子どもたちがとにかく眩しい。
一つ一つのカットが全部キマりにキマっていて超かっこいいし、音楽もすごい。そして人間くさいキャラクターや、クスリと笑える不思議なユーモア。最後には爆笑!最高!!
ドキュメンタリーというより前衛映画という印象を与える、強烈なイメージの数々。人混みの中、地を這いずりまわるCP当事者を捉えるカメラは「見世物的」ですらあるけど、その時代と、その後の活動を含めた「青い芝>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
タイトルから、こんなに切ない映画だと思わないよ!まあ邦題も直訳だし、内容に全く偽りはないし、トンデモ設定と展開のヘンテコなストーリーなんだけど、とにかく演出が渋い!
ヒトラーを殺したことも、ビッグフッ>>続きを読む
鈴木亮平のキャラ造形は本当に完璧。声まで神谷明になっちゃうのすごい
映画としては、漫画的表現がちょっと寒くなっちゃってるのが残念。アケションはかっこいい。
序盤のちょっと間抜けなやり取りも最高だし、中盤の、いかに休憩を挟みながら馬と徒歩で荒野を進んでいくかというしんどい旅路も、リアリティを追求していて上手い。そして終盤の恐ろしいバイオレンスと緊迫する戦い>>続きを読む
劇伴がいい!伊福部昭リスペクトを思わせる怪獣映画的なのとか、コカインで覚醒する熊の後ろで流れる妙に猛々しく英雄然とした曲とか。
マッコールさんの愛溢れる第二作。戦闘シーンは少しでいいので、街の人々とニコニコで交流してるだけの人情モノとして延々と観ていたい。
しんどい題材でどうしても辛気臭いんだけど、マッティペロンパーだけはこの時から最高にキャラが立ってて嬉しい。
夢で見る世界滅亡の様子に似ている。ああ、こんなにあっけなく終わってしまうのかと、現実味のない現実を見るような。
バカでくだらない設定と裏腹に、意外なほどしっかりしているカンフーアクションと、素朴で愛おしいテーマ曲が最高。
やっぱり黒澤明!という、画づくりとシーンの流れが美しいお手本みたいな映画。戦後のリアルな町と人々が映し出されている感じもいい。
そしてダンスホールでの笠置シヅ子の「ジャングル・ブギ」。謎の凄い迫力にや>>続きを読む
ストレートな反戦のメッセージを背景に、それによる父不在と母の過保護で狂っていく主人公。セリフはほとんどなく、MVのようでもあるけれど、苦しみはしっかり伝わってくる・・・つらい!
ロックファンの熱狂とフ>>続きを読む
10年ぶりくらい?に再鑑賞。
全く色褪せない、愛おしさMAXのボンクラ感。でもライブシーンは普通にかっこいい。
好き。
夢の中のように場面と時系列がぐちゃぐちゃになる編集が、錯乱した脳内を表しているようで面白い。「ロスト・ハイウェイ」の頭グワングワンはここからきてるのか〜!
風刺的で痛々しくも笑える、ある意味コテコテなコメディだった。フェリーニ、そんなに映画関係者にムカついてたの?
途中で”「8 1/2」って精神分析の映画なの?”と茶化したような自己言及があるのも面白い。
よくあるシチュエーションスリラーと思いきや、清々しいほど血が出まくるスラッシャームービーで、満腹。
「カウリスマキ作による”ロッキー6”」 というメタ情報だけでお腹いっぱい。中身は期待通りのバカ映画。なんだこりゃ!
ジョンウィック的「殺し方見本市」とでもいうべき前半から、怒涛の後半までテンションが落ちることなし。何かを突き抜けた感がある。
静かな語り口で、でも既存の映画をコケにしたような挑戦的なイメージもある。とにかくみんな気弱なくせに虚勢を張る感じが可愛くてたまらない。
白人至上主義者の悲しい身の上が招く悲劇・・・かと思いきや、純粋なバカがバカやってはちゃめちゃになる話だった。酷すぎる・・・笑
緊迫感と居心地の悪さをワンカット撮影がうまく演出していると思う。
リアリティのあるファウンドフッテージもので、真相を追いかけるサスペンスと気味の悪いザワザワ感が絶妙。後半のホラー映画的盛り上がりも抜群。
キモくてヘンテコなエロスとサスペンス。でも意外と丁寧なつくりで、なんだこれ!を愉快に楽しむちょうど良さ。肉肉しいマシンをはじめ、ビジュアルの狂い方は至高。
ヒリヒリ痛いけど、ゲラゲラ笑えもする、ある意味痛快なブラックコメディ。浮世離れした家族に入り込んだ、ただ一人の「リアル」なバリー・コーガンの壊れっぷりに拍手。
ゴジラが街を破壊するシーンのクオリティは歴代トップかも。戦争における特攻精神へのカウンター的な描き方も悪くないと思う。ドラマパートにもう少しリアリティがあればなあ・・・