Enaさんの映画レビュー・感想・評価

Ena

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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

4.0

アメリカ人脚本家が恋人とパリに遊びに来たところ、20年代にタイムスリップしてしまい、憧れの文化人と夜な夜な親交を深めるという夢のある話。ウディアレンにしては辛辣なセリフが少ないけど、心穏やかに楽しめる>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.3

自然豊かな町に突如として持ち上がったグランピング場建設計画をめぐる衝突とその余波を描いた物語。町の説明会に現れたいかにも都会風の人間たちの人柄が徐々に見えてくる感じはなかなかリアルで面白かった。悪は存>>続きを読む

メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

3.8

メトロポリタン美術館で開催されるファッションイベントの舞台裏に迫ったドキュメンタリー。中国をイメージしたファッション展を同時開催ということで、王家衛が起用されて意見していたのが興味深かった。アジア系の>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

3.6

強制収容所の横で優雅に暮らしていた所長一家の日常を、残忍な行為を想起させる不快音とともに淡々と綴る映画。概ね想像通りだったけど、思った以上に静かな映画で、息を殺して気配を感じなきゃいけない緊張感があっ>>続きを読む

ソイレント・グリーン デジタル・リマスター版(1973年製作の映画)

3.8

人口増加により貧富が拡大した近未来(2022年!)を描いたディストピアもの。家具と呼ばれる美女が備え付けられたモダンな部屋で暮らす富裕層とは対照的に、貧民層は不味そうな食料を奪い合って外階段で雑魚寝し>>続きを読む

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.0

不倫相手の社長夫人と共謀し、自殺と見せかけて勤め先の社長を殺害した男が、思いもよらぬ出来事に巻き込まれていく話。緊張感あるモノクロの画面に、乾いたトランペットの音色が鳴り響く。嘘に嘘を塗り重ねた挙句、>>続きを読む

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

3.3

ラスタファリ思想に基づいて愛と平和を歌ったレゲエの神様ボブ・マーリーの半生を描いた物語。真面目に作った再現ドラマのようで映画としては正直退屈。ジャマイカの海を背景に、テケテケテケっと軽快な打楽器のリズ>>続きを読む

ブルージャスミン(2013年製作の映画)

3.8

都会的で洗練された服を着こなす見栄っ張りな姉と、刺青の男たちに囲まれ地に足のついた生活を送る妹。服装からデート相手まで、異母姉妹の生き方が意地悪なくらい対照的に描かれていて、自分のことのようにグサグサ>>続きを読む

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版(1975年製作の映画)

4.1

お嬢様寄宿舎学校の生徒たちが岩山にピクニックに行って失踪してしまう話。ごつごつした岩肌に、見慣れぬ形の植物に、ニュルニュルと現れるトカゲ。不穏な効果音とともにジワジワと忍び寄る不気味な影。いかにも実話>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.0

美人FBI研修生が元精神科医の連続殺人鬼レクター博士の助言を受けながら別の連続殺人事件の解決を試みる話。レクター博士の立ち位置はわりと謎なんだけど、サイコパス特有の冷めた目つきで鋭い質問をしてくるあた>>続きを読む

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

3.3

全然娼婦に見えないオードリーの天真爛漫なキャラを楽しむ映画、なのかなあ。ベタな恋愛ものかと思いきや、なかなかに俗っぽい話で、B級的な面白さはあった。主題歌は素敵だけど、あんまりストーリーに合っていない>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

3.5

妻が何者かに殺されたことで短期的な記憶を無くしてしまった男が、証拠を辿りながら犯人に復讐しようとする話。主人公はすぐ忘れちゃうんだけど、私たちには過去の事実が巻き戻しのように見えてくる。覚えているのも>>続きを読む

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

4.5

全編ミュージカルで綴られる、戦争によって引き離された若い男女の悲恋。壁紙までトータルコーディネートされたファッションとエモーショナルな楽曲で御伽話のよう。ラスト、いかにも裕福そうなのに全然幸せじゃなさ>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

3.7

ひょんなことからスーパースターに見初められてしまう女の子のお話。セレブ街道を突っ走るプリシラの服がいちいち可愛い。プリシラ目線なのもあると思うけど、ロリコン、モラハラ、DV、薬物と、エルビスのクズっぷ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.6

原爆を作った科学者の葛藤を描いた物語(と理解)。複雑な時系列の中でたくさんの人物が入れ替わり立ち替わり会話劇を繰り広げる三時間。これを理解するための歴史的科学的知識が圧倒的に足りなかったにも関わらず、>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.7

一目惚れした女の子をデートに誘うも嫌われてしまい、自暴自棄になる男の話。『ジョーカー』的な狂気を期待してたんだけど、時折挿入されるジャジーな音楽のせいか、思ったよりゆるっとしていて、後半はいつの間にか>>続きを読む

下妻物語(2004年製作の映画)

3.9

私の青春映画が劇場でやってたので再鑑賞。この映画をバイブルと言うには歳を重ね過ぎてしまったけど、やっぱり好きだなあ。水野晴郎は笑った。みんな大人になったなあとしみじみしたところで、ラストのTommy >>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

2時間超えの法廷劇ということで覚悟して臨んだけど、思ったより長くは感じなかった。ただ想像してたのとはちょっと違ったかな。えええ、ほんとにそれで終わり?って思ってたらほんとに終わっちゃった。真実なんてあ>>続きを読む

ひなぎく(1966年製作の映画)

3.7

可愛い格好でやりたい放題やる女子2人組のお話。ほぼほぼナンセンス。たまに挿入される爆撃映像によって風刺であることを匂わせてはいるけど、このいかにも女子的な世界観が楽しめない人には退屈かも(隣の殿方は爆>>続きを読む

アニー・ホール(1977年製作の映画)

4.4

ふと思い立って久々に観たけどやっぱり面白かった。あんな早口だったっけ。ロブスターでわちゃわちゃしてるところが最高に好き。ああいうくだらないことで笑い合える関係って、恋人に限らず友達でも意外と見つからな>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.8

予告編で聴いたヘタウマな『Burn』の歌声に釣られて鑑賞。一見幸せそうな家族のところに謎の青年が現れる話。たぶんホラー。不気味なカメラワークと不協和音で終始ゾワゾワ。人間の嫌なところを炙り出していて、>>続きを読む

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

3.6

男を悦ばせることだけが生き甲斐(でもキッスはダメ)というよく分からない価値観の女の子の物語。加賀まりこがお人形のように可愛い。和製ブリジット・バルドーと呼ばれたようだけど、少なくともこの映画においては>>続きを読む

マダムと女房(1931年製作の映画)

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時間潰しがてら、いつかの『スワロウテイル』ぶりの神保町シアター。年齢層高めのお客さんで大賑わい。日本初のトーキーということで想像以上に台詞が聞き取れず、加えて眠気を誘うかすかな雑音があり、何度もウトウ>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.9

『Stop Making Sense』でデビッド・バーンに興味を持ち、再上映に滑り込み。曲ごとに演出上の工夫が凝らされていて面白かった。ユーモアを交えて観客に社会問題を問いかける姿を見てると、この40>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

3.7

好色な男性(=監督自身)の脳内を覗いたような作品、であることを眠気に耐え抜いた2回目の鑑賞でようやく理解。色んな女性がいるけど、アヌーク・エメ演じるショートカットに眼鏡の知性派妻が圧倒的に素敵。

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

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暴君に疲弊したロシア市民が、勇気ある彼に希望を見出したんだろうなということが痛いほど伝わる迫真のドキュメンタリー。ユーモアを交えて気丈に振る舞う姿は心を揺さぶる。けど、撮ってる側も彼を利用している感が>>続きを読む

ひまわり デジタルリマスター版(1970年製作の映画)

3.7

そんな都合いいことあるかいって何度も心の中で突っ込んだけど、そんなことどうでもよくなるくらいのソフィア・ローレンの迫力。対照的なロシア娘の純真無垢な佇まい。車窓から見えるひまわり畑の映像はぶれてるのか>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

3.8

『哀れなるものたち』で物足りなかったような意見が散見されたので鑑賞。なるほどこれはたしかに狂ってる。とくに前半はブラックコメディとしてキレキレ。後半は救いがなさ過ぎて観てて辛くなってきたけど、ラストは>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

ポスタービジュアルから奇想天外な冒険譚期待してたんだけど、思ったより説教臭いというか、月並みな話だったような。面白いけど。未来都市的に描かれたリスボンもパリも魅力的だけど、今日びAIでサクッと作れそう>>続きを読む

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

3.8

沼野女史の解説付き会で初鑑賞。忍耐と犠牲ならぬ忍耐と集中力が試される2時間。考え抜かれた構図でどの一場面も絵画のように美しい(けど内容はよく分かってなかったことが解説で判明)。4K修復版ポスターは妙に>>続きを読む

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.6

偏屈で皮肉屋のめんどくさいアレンが可愛くて仕方ない人向け。昔映画祭開催中のカンヌに滞在したとき、アレンにバッタリ会えないかなと期待したこと思い出した(会えなかった)。いつか会えたら傑作ではないかもだけ>>続きを読む