けーてぃーさんの映画レビュー・感想・評価

けーてぃー

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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

5.0

伝説的大傑作
逃避行から戻ってくる、行って帰ってくる話が超面白い

兎にも角にも作品世界、世界観の作りこみが凄まじい
決して説明的でないのに何がどうなっているのかきちんと把握出来る
配下を熱狂的に狂信
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.7

引き締まったコンパクトな作品で視点が非常に鋭い
全くと言っていい程無駄が見受けられず、監督の手腕に脱帽
TAR(特に中盤)と近い手触りで、高密度の緊張感が最後まで持続する
まるで胃と心臓を締め上げられ
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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.8

手堅いエンタメ大作
正直シーザー3部作が完璧な着地をした中で後日譚どうするの?という不安の方が強く期待値低めだったが概ね良かった

話の背骨が主人公ノアのシンプルなオリジン物語になっていて非常に見やす
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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

4.4

そして伝説へ
本作は前作以上に宗教要素が濃いように感じた
またかなり地獄の黙示録的でもある
ウディ・ハレルソンはカーツ大佐にしか見えないし、作中でモロに出てくる部分もある
星条旗や国歌が出たり奴隷の強
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トラペジウム(2024年製作の映画)

2.7

超高速事務処理版ラブライブ
アイドルグループの物語だから群像劇なのかと思いきや、ほぼ独裁的な主人公視点のみと言う驚きの作劇

序盤から説明セリフが多く、キャラの掘り下げも少ないままどんどん話が進行する
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猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

4.4

優等生的一品
超スマートなOPのウイルス蔓延ダイジェストから掴まれる
そして直後の眼のアップ 前作もそうだが見る見られるの関係を強く意識させられる(猿たちに自分たちが見られる)

善悪論ではなく組織と
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猿の惑星:創世記(ジェネシス)(2011年製作の映画)

4.2

優秀な一品
囚人脱獄ものだしニンゲン最悪じゃんものだしキングコングと言うかフランケンシュタインの怪物っぽいというか、そんな感じの手触りもある

とにかくニンゲンの醜さが目立つ一方で猿たちは檻からの解放
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.9

両雄激突
怪獣大集合の反面人物描写がとんでもなさ過ぎたKOMから一転して、
シンプルな怪獣プロレスものとなるべくノイズにならない様な範囲の人間ドラマのバランス感
んな訳あるかwなSF設定もノレてしまえ
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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

3.8

5/4、25周年4K上映にて
クローンの攻撃以降は劇場鑑賞しているが本作は初劇場

改めて見ると全体的にやや悠長感があったり、ナブーの戦いのシークエンスが複雑に絡み合いすぎだな感があるが概ね満足
Du
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.8

確かにヤンキーものだった
前作に続いて怪獣プロレス爆盛り、ドラマはぼちぼちだしご都合展開含めて粗い
良くも悪くも「んな訳あるかいw」なおバカ展開に乗れるかどうかな気がした
個人的には愛すべきバカ枠と言
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

4.1

モロに地獄の黙示録
言い出すとキリはないがベトナム、サイゴン、ヘリ部隊、音楽放送、ナパーム、夕陽・・・・
中盤以降のモンスターパニック感はロストワールドやジュラシックパーク3っぽい
あと今見るとトム・
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.2

突き放されたように見えて実は全編通して周到に用意されていたように思える

バランスを整える青と乱す赤、地方と都市などが張り巡らされ、上流(物語序盤)で起きたさざなみが下流(終盤)で決定的な事態を招く 
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.6

こんなに優しい映画に巡り会えた事、制作してくれた事に感謝しかない
全てが適切で心地よい

全編抑制された語り口で、取り扱う内容に対して真摯に思える
特に主人公たちの関係性をフォロワーシップにしたのが素
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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.1

ネオンピンクの破壊者
大人も誰も分かっちゃくれないものの秀作

静と動の振り幅が凄まじい
ベニーのふとした瞬間の優しさとキレてしまってからの惨劇、静寂と爆音、いつ発動してしまうのかと気が気じゃない 緊
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.3

ぱっと見瑞々しい一夏ものなのだが初恋と失恋から病に倒れる高齢期まで人生が映っている
結婚式出産から始まって葬式で終わる
「映画は人生を映す鏡だ」とか、「映画が発明されて人生が3倍になった」とセリフで言
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.6

都市生活と人間性と孤独
94年の作品である事が信じられない程今の社会に生きる我々の事を映していると思えた
「真実よりも見せかけ」をはじめとした名台詞の数々に加え、各キャラクターが仕事や都市生活の中で人
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

4.1

午前十時の映画祭にて
小さい時から好きだった作品が劇場でやってるなら行くしかない

改めて見返すとやはり旧シリーズはアクションシーンのつるべ打ちっぷりが半端じゃない 冒険活劇の代表シリーズたる所以が良
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.8

大傑作
あの時もしこうしていたなら・・・なwhat ifはマルチバースやパラレルワールドで描かれる事が多いが、それらに対する一つの解と思った

繊細かつ抑制された演出が強烈に感情を揺さぶる
キャラクタ
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

4.5

伝説のロードムービーと遂に相まみえる
バディものでありシスターフッドものでもある

逃避行の旅路は彼女たちを縛り付ける頸木からの解放
本当の自分に近づいて行き、終着地点でついに自由になる
最悪な野郎が
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

天才科学者はパンドラの箱を開けプロメテウスとなってしまう
全セクションのクオリティが素晴らしいのは間違いないが、恐ろしさと絶望感虚無感に襲われた
特にトリニティ実験の地獄のカウントダウンと、聴聞会が一
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過去を逃れて(1947年製作の映画)

3.7

古典的名作
ノーラン関係
過去の過ちを告白し過去から追われる主人公(記録)

深夜の告白(1944年製作の映画)

3.8

古典的名作
ノーラン関係
己の過去の罪を告白する主人公、ファムファタール(記録)

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.3

ノーラン節炸裂
監督が「戦争の映画ではなく、イギリスにとってとても伝説的な意味を持つ撤退のドラマだ」と言っている通り、こんな語り口はノーランじゃないとやらないんじゃないか?と思える

リッチな映像、音
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ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

3.3

伝説の終わり なのだが・・・
リアルタイムで鑑賞した際は長いけど良かったな位の感じだったが、今観ると色々とよろしくない印象

前作までのリアル志向はついに証券、金融危機までストーリーに取り込み加速され
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.3

ゲームチェンジャー
転換点
本作がアメコミ映画やヒーロー映画界隈を大きく変化させた事は今更言うまでもない

前作から見られたリアル志向、9.11以降(のアメリカ)を反映したような、曖昧な善悪の境界の要
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バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

3.7

手堅く生真面目

後2作は結構見たが本作見たのはいつぶりか分からん
改めて見るとオリジンものとして手堅いし真面目
超面白いわけでもないが特段つまらないわけでもない
眠くなるとか悠長とは言わないが長さを
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

5.0

伝説的神話
観るスパイス
完全に自分にはキャパオーバーで、エンドロールを見ながら茫然自失
脳みそがショートし心がアラキスに置き去りにされた
全てが最上級、映画"体験"としてこの上ない

精緻に作られた
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メッセージ(2016年製作の映画)

5.0

伝説的傑作
パラダイムシフト
言語と認知
映画という表意文字

肝は中盤できちんとセリフで明らかにされる
”思考は話す言語で形成される”
ルイーズ達がヘプタポッドの表意文字を理解するプロセスは、観客が
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ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.4

善悪、白と黒の境界線上
全容も責任範囲もロクに分からない絶対的な上位の存在から決められた作戦
観客は主人公と同化しカオスの渦中に投下され、
その中で真実を知りたい、見届けたいと、底なし沼の奥の奥へと向
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複製された男(2013年製作の映画)

4.0

支配が全て
世界的に重要な事は二度起こる
初回は悲劇だが2度目は笑劇
コインの表と裏
抑圧的な母親とクモ(ママン)

強烈に突き放されたぶつ切りエンディングに見えるが、ある意味冒頭20分くらいで大体説
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

色んな意味で居心地が悪すぎる3時間
ミッドサマーも大概だったが本作の方が直接的に刺してくる感覚があった

冒頭の出生シーン以降、羊水だと言わんばかりの水モチーフ、フロイト的な精神分析と神経症スリラーが
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.1

血縁と宿命
ツリーハウスとミニチュアと家族
俯瞰視点で見る崩壊
地獄の扉が開き光が差し込む

終盤までじわじわと恐怖を高めるオカルトホラー
多分自分はこういう耐性がないんだろうなと、大分怖え怖え言いな
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.0

この店でしか味わえない味
リアルタイムで鑑賞した人たちの衝撃度が自分には到底想像つかない

見せ方がハイセンスでクールでスタイリッシュ、特にオープニングが超痺れる
(思わず心の中の中学2年生が狂喜乱舞
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

無難に面白い
エピソード0なのでここから見れるし、犬神家の一族的な内容にバディものやアニメ的要素まで完備しメッセージ性もある 骨組みが強固なタイプ

日本は敗戦国である事、戦争の悲惨さや愚かさが繰り返
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5

重層的で多面的
シチュエーションあらすじから一定の面白さが保証されているなと思ったが、期待以上だし良かった

信頼できない語り手ものでありつつ法廷劇に家族ドラマが織り込まれているが、脚本とキャラクター
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

4.8

恐ろしくヘビーな傑作
赦しと救済

見せ方演出脚本どれを取っても引き締まって薄味方向なのがかなり好み
非常に重層的で解釈の幅もあると思う
何よりキャラクター造形が素晴らしい まさにキャラクターが生きて
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