iyさんの映画レビュー・感想・評価

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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.9

なんてことなく流れ、進んでいく日常。そんな中に溢れる、何気ない会話や選択のなかに人それぞれの「生」が滲む。
最悪な人生だって、本人がそれで良ければ一生懸命生きた証拠だ。

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.1

なんだかんだ最後まで観たけど、個人的には魅力が分からない。痛々しいシーンとエモーショナルが混沌としていて、その世界に一歩踏み入れ続けることを戸惑った。

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.5

なんと儚く脆い映画。細やかなカットからそれぞれのその時々の生を煌めかせる音楽まで、全てが広大に包み込んでくれる。自分にもまだある、消えない傷が溺れていく様だった。

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.7

ちゃんと怖さもありストーリー性もあり感情移入も出来る不可思議なホラー。ラストの終わり方もまた奇。自分の負の感情がもし確立してしまったら、こんな衝撃映像も現実になり得るな。

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.8

同じ場所・同じ時に起きるそれぞれの旅。ナイトオンプラネットのキーとなる様な作品。でも、同じ場所だからこそ異なる個性に色付けられていることに気付けて面白い。いつだって旅は「何かからの逃避行」という一面を>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

2.9

シックでクールな作品。もっと自分に英語の会話の随が分かる語学力があればと、こういう作品をみると無力さを実感。

岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.8

ドキュメンタリーを観てるくらいのリアリティと気まずさ。文字通り糞だらけになったって生活しようとしている人がいるのに自分は一体何様なのか、鏡のような映画だった。

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.0

何と艶めかしい映画。煙草の煙が揺らめるシーンが美しい。そして何より食欲が増す映画。
ウォン・カーウァイ監督の作品を見てると香港の人は随分変態的だと感じてしまうな。

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

2.6

アニメーションだから伝わる良さもあるよね。特に心象描写は。

怪物(2023年製作の映画)

4.8

小説に一文字たりとも不必要な言葉が無いように、どんなシーンにも意味があり重みのある本みたいな映画だった。「怪物だーれだ」って、こんなに刺さるフレーズあるだろうか。凄い。怪演だった。

法廷遊戯(2023年製作の映画)

2.9

伝えたいことは伝わるし散々振り回されたけど、何かが足りない。ただ、杉咲花さんの演技は凄かった。

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

4.0

妖艶で脆くて刹那的。同姓同士故か尚更なのか。美しいほど儚く脆い。たとえお互いの気持ちが100%分かりあえなくたって、50%だけでもすごいと、運命だと思えるようになりたい。いつだって、いい意味でみんな他>>続きを読む

恋する惑星(1994年製作の映画)

4.6

映像美の暴力。どこを切り取っても絵になる。考える隙間を与えてくれる遠回しな演出が大好き。恋ってこんなにチグハグで、生活に溶け込んでいて、それでいて宇宙人になってしまうのだな。

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

3.8

分かっていても、ちゃんと怖い良質なホラー。展開も結末も含みがあって楽しめる。昼じゃなかったら耐えられなかったかも。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.9

世界中のタクシーを起点に来たストーリーと説明してしまうには勿体無いほどのアイコニックが効いていた。それだけじゃ無く、土地の時間を活用した光と陰の使い方、街の裏表などギミックも高度で、考える余白がありつ>>続きを読む

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

3.0

初めは置いてけぼりで中断しようかと思ったけど、1時間くらいで急にこの世界に吸い込まれていた。アート特有の「観る側の理解」という文化がこの映画にも取り入れられており、不安定で混沌とした感情に楽しまされた>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.5

とても好き。静かに進む物語の中で、厳しい現実を生き抜く強さと愛情と人間味が溢れてる。最後の鼻歌に胸が苦しくなる。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.9

森林と身体パーツのカットが美しく意味を成してて思わず見惚れてしまうな。おかげで「悲しみは使い古した喜び」というワードが素直に入ってくる、帰り道の車をみて想像させられる、どんなに充実した旅だったのか。私>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.3

どうしたって自分が大切で、自分のせいじゃないを積み重ねて、見失った自分の代わりの「誰か」を求める。彼らの言い訳に共感出来てしまうほど自分も同じだと、胸を刺された。そんなこと忘れてしまうほどとにかく進ま>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.4

なんとも言えない心地よいリズムで流れていく逃避行劇と、ミスマッチな毒々しいラストが癖になる。異常環境下での愛も、主人公になれる犯罪も、一度味わうと戻れない蜜の味。

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.8

クラッチがカッコ良すぎる。ゾンビ映画としての純クオリティを求められると評価が変わってしまうけど、前作からの期待値を超える為としてのアクション要素は成功していたと思う。最後銃の音が鳴り響いてたらより感情>>続きを読む

犬神家の一族(1976年製作の映画)

3.0

ミステリーの固い根底に加え音楽やカットも巧妙で、時代を感じさせない面白さがあった。金田一耕助はここから始まってたんだな、知らなかった。確かになんとも言えない味がある。

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.9

世界観が確立されてて夢みたいだったな。少しやりすぎ感や派手感はあったけど、それさえ笑顔になれる。ティモシーが「政治的なレトリックが激しく、常に悪いニュースばかりで溢れた時代と風潮の中で、この作品がチョ>>続きを読む

彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

3.4

見えない世界を守ってくれる人、支えてくれる人、導いてくれる人、それぞれの愛の形があって、それをレオナルドが受け止めて進んでいく姿が眩しい。彼には愛が見えただろうな、あんなキスをしたら。

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.2

音楽、キャラクター、会話のそれぞれがバチっとハマっていてこれぞアメリカンという感じ。時系列のせいでついついまた観たくなる。ただ、ストーリー軸は癖が無くて、つまらなかった。

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

2.9

ある程度のストーリーは読めてしまうのが、このシリーズの残念なところだなあ。巧妙なキーフックをその大筋につけてるのがこの作品の良さでもあるけど。ただドラマのほうが少しテンポが良かったから好きだな。あとは>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

2.9

前作が良かったからかなり期待してしまっていた、残念。前回のアップテンポな展開と違って、今作は随分ゆっくり。多組織が同時刻で動いている故だろう。にしては、関係性が謎で、前半で軸を理解するのは難しい。後半>>続きを読む

百花(2022年製作の映画)

3.1

映像的なトリックが癖になる。自分も認知症の穴に迷い込んでしまうような、でもふと冷静になり感じる異常さが上手く認知症を表現していた。また、親子間で起こるほんの少しのうまく噛み合わない歯車が人間の不安定さ>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.6

バレエというのは何と美しいのか。最後、桜田一果が踊る姿に、彼女の生き様を観れた。それだけ俳優さんの演技が良かった。「私たちみたいなのは1人で生きていくしかないの。」と凪沙が桜田一果に言った言葉が胸を打>>続きを読む