がくさんの映画レビュー・感想・評価

がく

がく

映画(795)
ドラマ(1)
アニメ(0)

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家(2023年製作の映画)

5.0

スクリーンが窓となって、暗幕の先に自然な奥行きが広がり、現代美術家アンゼルム・キーファーのアトリエ探訪が叶う。

想像を超えた巨大な空間で作家がダイナミックに制作する様子や実孫の姿を通して来歴が語られ
>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

1.5

全く心が動かされることがなかった。
むしろ冷え切ってしまった。

本作で盛り上がる観客層と冷静な観客層を見ていて、自分には合わない可能性が高いだろうと劇場鑑賞はスルーしたが、ようやく放送で観る機会を得
>>続きを読む

フィフス・シーズン 春の来ない村(2012年製作の映画)

5.0

寂れた農村。ささやかな村中行事を村人みんなで楽しみ、新しい季節を迎える習わし。突然変異とも言える巡らない季節、自然の急変化による自給自足生活の終焉。まさしくディストピア。

美しい季節を知っているが故
>>続きを読む

タタミ(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

国家や宗教観に統制された市民の物語
個人に自由が保障されない社会の実像
スポーツの世界大会で実際に起きている実話に基づく物語
女性の物語
緊迫感に与える音楽の特筆すべき素晴らしさ
効果的なカメラワーク
>>続きを読む

君は行く先を知らない(2021年製作の映画)

4.3

とても良質。

家族で旅するロードムービー。
まだ小さな下の子だけが旅の目的を知らされないまま無邪気に振る舞い続ける。

停車するたび変化する素晴らしい風景の広がりが徐々に進むドラマと対置される。
>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

偏狭な趣味をもつ人間を喜ばせるために都合良く描かれたファンタジーが苦手な自分でも、わくわくした!楽しめた!

わかりやすく、飲み込みやすい、シンプルでストレートな作品だった。

知識人であり芯のある思
>>続きを読む

埋葬(2022年製作の映画)

4.6

このプロジェクトが無ければ拝めなかったであろう脅威の映像の数々。

このようなアーティスティックな映像こそ価値があると感じる観たかったもの。

天空からの視点。水中を這うような視点。揺れのない空中を水
>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

本作は、観る人のレベルが測れる。テストのようなもの。

指揮者が読むスコアには、複数の楽器パートが書かれているけれど、自パートしか見えてないような一面的な感想が溢れ返りそう。トッド・フィールド監督はス
>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.6

人間社会と人間を大きな瞳で静かに見つめる“眼差しの映画”

静かで穏やかな動物の黙々と歩き佇み喰む姿。対比される人間の姿。人間の不自然さ。

そこに現れる人間たちはまさに私たちがよく知る人間たち。
>>続きを読む

Tomorrow's Leaves(2021年製作の映画)

4.5

自然の美しさ、生命力。
子どもの好奇心、溢れる活力。
ワクワクする世界の広がり。
素晴らしいアニメーションだと思う。

オリンピック広報のための作品とのことだが、
オリンピックも終わり、dentsuの
>>続きを読む

一発逆転のディベートレッスン(2017年製作の映画)

4.0

本作の感想を見てると、いかに日本の教育に「議論の機会」が欠けているかを感じクラクラしてしまう。教育におけるディベートの必要性に関する問題意識を持つために必見の作品と言えるかもしれない。

論拠をもち、
>>続きを読む