Yuさんの映画レビュー・感想・評価

Yu

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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

4.0

お互いの価値観を語り合う両夫婦。

穏やかな時間の中で生じる
僅かな違和感の連続に
価値観の不一致では片付けられない
不穏な恐怖と対峙できる北欧ホラー。

ホラー演出のジャブ打ちが
後々のスリラーに繋
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

4.0

前作と同じ監督の製作により
世界観の統一性を感じさせると共に
ホラー要素のスケールアップもあり
続編として成功した典型的な例。

とある場面から
家族が二手三手に分かれて行動するが
各々が別の脅威と戦
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魔法にかけられて(2007年製作の映画)

4.0

「アニメのプリンセスが
現実世界のNWに迷い込む」

これだけで充分なインパクトだが
ジゼルが現実の生活環境に慣れると
更に一段階の捻りが加わるという
コメディとして秀逸を極めた設定で
アニメ世界同様
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バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

3.5

アリスとアンブレラ社による
人類絶滅を懸けた最終決戦…
そして彼らの全てが明らかになる。

レーザールームの再登場や
新型アンデッド・巨大通気口など
ゾンビ映画に留まらない仕掛けの数々は
シリーズ最終
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ジャケットにもなっている
マグショットの数分間により
登場キャラ5人の性格が
非常に見え易くなっている分
先で起こる出来事に対し
彼らが取る行動の動機付けを
観ている側が勝手に想像してしまう。

だか
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ウォーリー(2008年製作の映画)

3.5

"口"を持たないロボット達を
ピクサーお得意の表情管理で操り
台詞という台詞が用意されずとも
童貞ロボットの純愛に心が温まる。

周囲との関わりが遮断され
AIやロボットに主導権を握られる…
そんな皮
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キラー・カート(2012年製作の映画)

3.0

題名とジャケット通り
殺人ショッピングカートが
閉店後のスーパーで暴れ回ります。

見た目の軽さに相反する
異常なパワーを持つカートを前に
抵抗という概念を失いかけた人間が
いちいち絶叫するカオスな構
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ミッシング(2024年製作の映画)

3.5

産休明けの女優復帰作で
今の彼女だからこそ引き出せた
石原さとみの咽び泣く演技に震える。

胸が張り裂けそうになる展開の中で
要所の小ネタが緊張の糸を解き
感情が細かく揺れ動く感覚があった。

中村倫
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祝日(2023年製作の映画)

3.5

素敵な縁あって本作を知り
初日舞台挨拶付き上映での鑑賞。

主人公の希穂やカフェの店員、
マジシャンの男にアフロの料理人、
皆が"とある"共通の傷を抱えているが
全員がとにかく「優しい」。

中学生に
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

相手の知らない一面が見えたり
相手から見た自分の一面に気付く時
人間の面白さが浮かび上がってくる。

まさに群像劇の醍醐味で
視点が変わる毎に人の印象が変化し
その分だけ共感の対象が増えていく…
様々
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あなた、そこにいてくれますか(2016年製作の映画)

4.0

あまりにも整い狂った顔面達と
現実味の薄い世界観が掛け合わさるも
タイムスリップの設定に
違和感のないキャスティングが見事。

更にタイムリープとは異なり
回数に限りのある時間旅行だからこそ
現在と未
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.5

公開当時は劇場鑑賞したが
無音の緊張感を他の観客と共有し
作品を一貫して静寂を楽しむ
貴重な映画体験だった記憶がある。

"音を立てたら、即死。"

単純明快な設定だからこそ
緩急の付けづらさが欠点で
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ルイスと未来泥棒(2007年製作の映画)

4.0

ピクサーを買収したディズニーが
ジョン・ラセター総指揮の元
初めて制作・公開したWDAS作品。

孤児院で育った少年ルイスが
母親に会いたい一心で"ある発明"をし
未来から来たという謎の少年と出会う…
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7番房の奇跡(2013年製作の映画)

4.0

誤認逮捕により殺人罪に問われた
知的障碍を持つ父のヨングと
父との再会を願う娘イェスンの物語。

目新しい設定等は無くとも
胸を打つ箇所が明白に用意された
良い意味で"THE 映画"的な作品。

イェ
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

怪物の姉妹と相対する
いじめっ子といじめられっ子…
人間が怪物を捕獲する設定により
恐怖対象が人間に逆転する様が面白い。

ただリベンジものとしては
想像し易い結末であったが故に
怪物による無関係な人
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.5

説明不足な人物相関も
殺られる目的で登場するキャラが多い
この手の作品ならノンストレス。

クマのキマリ具合が程度良く
コメディに寄り過ぎていない事で
"来ると分かっていても怖い"
そんなホラーに仕上
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.5

何処かで見覚えがある様な
"冴えない主人公の逆襲"と
"立ちはだかるライバルとの決闘"

…的な物語を長々と見せられ
ある種ゴールを予想できるからこそ
ラストへの伏線が非常に効いてくる。

あらすじ等
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

4.0

悪天候でのフライトによる
機体トラブルで不時着した島が
反政府組織が支配する無法地帯…
パニックものから様変わりを見せる
緊迫のサバイバルアクション。

護送犯のガスパールが
非常に重要な役どころを担
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

カラオケはとても楽しいが
俯瞰的に見ると恥ずかしい一面もあり
コメディ調に描かれる事も多い
ヤクザと組み合わせる事で
コメディ映画として壁の厚みが増す。

劇場と配信で評価の温度差があるのは
カラオケ
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ライアンを探せ!(2006年製作の映画)

2.5

DreamWorksが前年に制作した
「マダガスカル」とコンセプトが被り
奇しくも下位互換的作品となった本作。

"動物園を抜け出す"という
絶好の設定が全く生かされず
動物達のみで繰り広げられる
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

グランピング場の建設を巡り
コロナ助成金目当ての疑いがある
運営会社側の思惑と町民の意見が交錯。

鹿の屍や陸ワサビの視点など
定点の使い方が非常にユニークで
車のフロントライトですら
イルミネーショ
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変な家(2024年製作の映画)

3.0

作中で起こる不幸を
全て背負ってしまう間宮祥太朗と
その現場へ確実に現れる
ウルトラマンばりの佐藤二朗が
奇妙な間取りの家の謎を解く。

川栄李奈が登場する
"最序盤"の一展開をピークとして
全てが想
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

ノスタルジックな時間を過ごし
過去の恋心と友情で揺れる2人の会話が
スロー且つ長回しな台詞により紡がれ
繊細な一言一言に緊張感が走る。

別れを経験した少年少女が
24年越しに再会するまでの過程が
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.0

ファンサービスの応酬と
サプライズ演出のカードを使い切り
前作からの真価が問われた本作。

謎の骨董品を持ち込んだ男と
氷をパワーを操るゴースト
"ガラッカ"に焦点が当たる訳だが
オリジナルキャストが
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ジュリアン(2017年製作の映画)

3.0

離婚したブレッソン夫妻が
息子の共同親権を巡って争う中
家族から異常に嫌われている父親と
子を守る母親の目線が交互に描かれ
観ている我々を見事に惑わす。

地獄の様な家族関係に至った
背景が見えてくる
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.5

「孤独」とは
影響力を失った事を知る事。

不器用で真っ直ぐな恋愛も
泥沼な関係性によりすれ違い
運命に導かれし人生を歩んでいく。

"未来で変えられる過去"と
"過去によって変えられた未来"を
如何
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.5

柔和な色彩の"魂の世界"に対し
白黒を基調とした"死後の世界"は
死への恐怖すら感じる世界観で
リアリティのある人や風景等
安心安全なピクサー製の映像美を
より際立たせるものであった。

挫折を乗り越
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夏へのトンネル、さよならの出口(2022年製作の映画)

3.5

会社の後輩から勧められた
主題歌のeill『フィナーレ。』を
きっかけに鑑賞してみた。

主人公の塔野カオルが
転校生の花城あんずと協力し
田舎町で噂になっている
ウラシマトンネルの謎を調査する。
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カーズ(2006年製作の映画)

3.5

自信家で傲慢なマックィーンが
迷い行き着いた過疎地域で
友情や愛情と触れ合い成長する。

友情•師弟•愛情のバランスが良く
全てを1作品内で綺麗に回収すると共に
続編への昇華の準備も見事な一作。

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チェイサー(2008年製作の映画)

4.0

名誉挽回に必死な警察が
真の狂人を前に振り回され
捜査が難航するお決まり展開。

ただ本作が特筆すべきなのは
ミジンの生存状況が効果的に差し込まれ
ミジンの娘が同伴する事で
捜査が進まない焦燥と絶望が
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

オッペンハイマーの生涯や
歴史的背景の理解は勿論
「演者が誰を演じているのか」を
把握しておくと非常にスムーズ。

オッペンハイマーと
ストローズの確執に焦点が当たり
両者が水爆に対して異論を抱く中
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

"最強の敵"であったT-800が
続編を通して"最強の味方"となる…
映画史に残る極上の続編作品。

「人間が涙を流す理由がわかった。
俺には泣くことはできないが…。」

500Marks!🎉

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「難解映画である」という情報を
念頭に置いた上で鑑賞した事で
目の前で起こる事象全てに
疑いの目を持てていたはずだった…。

胡散臭い祈祷師の登場には
何処かビジネス臭を感じていたし
國村隼演じる"日
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バーレスク(2010年製作の映画)

4.0

隠しきれないアリのスター性が
バーレスクを通して存分に描かれる
一直線で王道な展開の中
舞台上の凛々しさとの乖離として
使ったタオルを床に置くズボラさを
敢えて中盤で出す描き方が素晴らしい。

"支配
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処刑人(1999年製作の映画)

3.0

精肉工場で働く2人の兄弟が
神からのお告げを受けマフィアを
殺しまくるクライムコメディ。

鋭くも何処か緩いFBIの捜査を経て
厨二心を擽る台詞の数々と
一辺倒な殺戮シーンが繰り返される。

良い意味
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チキン・リトル(2005年製作の映画)

3.5

ディズニー映画としては
最後のVHS版販売作品にして
WDAS初のフル3G長編アニメ。

主人公のチキン・リトルは
愛嬌満点な見た目にも関わらず
作中でも悉く恵まれなければ
ファン人気も殆ど得ていない
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