qさんの映画レビュー・感想・評価

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美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

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ただひたすらに映画の中の身体に目を奪われるという代えのきかない治癒よ、がらがらの映画館でいつまでも見つめていたい

マグダレーナ・ヴィラガ(1986年製作の映画)

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"I like being where I am."
"God, let me love."
"Never let me tie."
物語は最後までよくわからないけど彼女の言動どれもがよくわかって
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鉄西区(2003年製作の映画)

5.0

待ちに待ったこの日、545分間限りなく透明な存在として彼らとわたしたちを繋ぐワンビンに脱帽、映画が終わってもわたしの中であの線路は続く

悪は存在しない(2023年製作の映画)

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久しぶりに彼を思い出した、父を失った幼いわたしの手を握ってくれたあたたかいひとを
濱口監督の映画を観ると、映画は現実からしか生まれないと改めて思う この世界のどこかで起こっているかもしれない現実に、物
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おてんとうさまがほしい(1995年製作の映画)

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佐藤真のいる時代に生きてみたかった、声が生を物語ること、ささいな光を鋭くとらえること、愛する妻の老いる姿は撮りたくないけれどそれでもここであなたと共に生きていたという事実を残したいと願うこと
+飯岡幸
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チーズとうじ虫(2005年製作の映画)

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最も身近な他者である母にカメラを向けるという行為の感覚やそれに伴うひと言ではあらわせない感情を、わたしはよく知っている

異人たち(2023年製作の映画)

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孤独から決して目をそらさないアンドリューヘイが希望を託したのがポールメスカルで本当によかった all of us strangers、最初に出会う他者である家族こそが誰よりも「異人」「他者」だなと改め>>続きを読む

パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)

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俳優の身体が光り輝く映画が好きでたまらない、フィクションに巻き込もうとする男たちの手を払って自らの過去と向き合おうとする女たちの鮮やかなステップよ ニノンのすべてが好きだ…

以下、安美さんのトークよ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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選ばなかった方の未来を想像してはどこか胸が痛むこと、それは今生きている確かな証だと思う 時差のあるスカイプを重ねていくうちにふたりは近づいてまた離れる、名前のつかない気持ちも過去を置いていけたらいいの>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

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いつか映画館で観たいと思って我慢していてついに! やはりとてもよかった ライカートは過剰なドラマも感動させることもなく、ただじんわりと心に足跡を残す わたしはそれを辿りながら、ウェンディが心を開いたも>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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「敗者としての幸運を掴むのだ」がいちばんずしりときた
「また映画を作れるだろうか」ゴダールの老いた、震えた声がその不在を物語り、わたしは今からでもその生を、その死から生を辿っていかないといけないのだと
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

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チョウドンユイのすべてが好き、強いて言うなら唇と笑った時の口角と泣き顔… やはり原作としてのこちらの方が台詞も表情も重たくてよかった、2人の人生を遡るきっかけも小説の方がいいな、子供の名前ではなくペン>>続きを読む

ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ(2023年製作の映画)

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小森監督は過剰に被写体と関わるのでも、傍観するのでもなく、いつも半透明な存在としてただそこにいる、共に人々の声を聞く、カメラは監督がここにいることも伝える 過去を思い出すことや今を見つめることでわたし>>続きを読む

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

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初日に行こうと思ってたくらい楽しみにしていたけれど、数少ない東京の居場所のひとつであるその映画館が誰かを傷つける判断をして、すぐに取り消したものの、溢れた水は元に戻らないからかなしかった 年の近い監督>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

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キムダミのぐしゃっとした泣き顔にいつも心がやられてしまう 長年一緒いるけどこの人のこういうところ嫌なんだよなと思っても憎みきれず、あなたをいちばん愛しているのはわたしじゃん、とあっさり言えてしまう、そ>>続きを読む

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

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あらゆる長回しの中で、映画の中のその時間と映画の外のわたしが今生きている時間が同時にゆっくりと流れるのが好き 物語を理解するよりずっと映画をそばに感じられる、そういう幸福な映画の中でも特別な一本だった

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

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踊りたいのを必死に我慢した、足は動いてたかもな かなり久しぶりに映画館でビール頼んでひたすらに「楽しい」映画を観た(わたしにとって映画は大抵楽しいものじゃなく、自分や世界を見つめる精神を鍛えたりぼろぼ>>続きを読む

永遠と一日(1998年製作の映画)

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「お母さん なぜ願うことが願いどおりにならない?なぜです なぜ我々は希望もなく腐ってゆくのか 苦痛と欲望に引き裂かれて なぜ私は一生よそ者なのか ここが我が家と思えるのはまれに自分の言葉が話せた時だけ>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

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エリセ3本観終わってもうしばらくは映画を観なくても大丈夫な気がしている、映画館を出てもあの静かで甘やかな映画の時間がわたしの生活に流れているから

瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

映画のこといつも抱きしめているけど、こんなにも抱きしめてもらったのははじめてだ 喪失と再生、やはり「ほんとうに出会ったものに別れはこない」のだと思う、再会するふたりたちのシーンは特にぼろぼろ涙が出た >>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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夜のように何もかも終わっていくことだけがやさしい真実、三宅監督は今ここにしかあらわれない光を見逃さない天才だよなあほんとうに… あと電車を撮る天才でもあるな 渋川清彦、光石研の人生のあらゆる経験を踏ま>>続きを読む

ランユー 4Kリマスター版(2001年製作の映画)

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身体が大きく動く映画を久しぶりに観て、わたしはもはや誰しも目に見える変化には関心がなく、感情と共に静かにじりじりと変わりゆくまなざしや声や皮膚こそ人間のうつくしさだと思っているのだと気づいた 身体が無>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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これまで観てきたすばらしい映画たちのさまざまなシーンがぶわわっと思い出されて、それらの源泉はここに流れていたのかとずっと驚いていた キアロスタミもセリーヌシアマもエドワードヤンもタルコフスキーもきっと>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

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力強いまなざしのフェミニズム、「死が手に触れた気がする」「あなたと同じ鼓動が聴こえる」「鼓動をやめた心臓ほど静かなものはない」

Here(2023年製作の映画)

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わたしにとって新たな光となる監督に出会えたのだと思う、まなざしや声は時々意味を超えてまっすぐにあなたへわたしへ届く 家族でも友人でも2度目の人でもその人から発せられるものすべてが静かにこの身体を満たし>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

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店員との車内の会話、初対面ゆえのやさしさがあってすばらしかった

ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

5.0

ほんとうに素晴らしい映画体験だった、映画館で観なければ何も届かないだろう、あの炎、あの涙、あの霧も雨も影も愛も死も 全カット凄まじいけれど史上最高のファーストカットとラストカットのひとつだ

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