tupelohoneyさんの映画レビュー・感想・評価

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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

3.5

完全なる皮肉で、ブラックユーモアなんだろうけど、全然笑えない。だからこそ恐ろしさが増す気がするし、公開当時よりむしろ状況が悪くなってるんだろうと思うと目を背けたくなる。

スケアクロウ(1973年製作の映画)

3.6

前半から中盤まではマックスのだらしなさに寛容なフランシスの対比だったけど、後半からは立場が変わってしまうのがつらかった。二人の名優の演技はさすがだけに、最後まで丁寧に描いてほしかった。ちょっと物足りな>>続きを読む

手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.8

こんなにどこにも救いがない話あるんだろうか。ってくらいの終わり方。ただ、後味悪いかって言われてると余韻みたいなのはあって色々考えさせられてしまう。残された人たちの辛さを思うとやるせない。

男たちの挽歌(1986年製作の映画)

4.0

すごい。見たことないのに、なぜか全部が懐かしくて泣きそうになる。映画そのものもそうだけど、この時代を凝縮したような、哀しく不幸な生い立ちから逃れられない運命みたいな雰囲気を前にすると、子どもの頃に感じ>>続きを読む

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.7

ファッションも音楽も時代は感じるけど、古びてなくてセンスがいいから、全然普通に見れた。パトリシアは現代にいても素敵。当時のパリの風景もいいし、構えて見なくても楽しめる映画でした。

ラジオ・デイズ(1987年製作の映画)

3.5

真珠湾攻撃のニュースよりも、井戸に落ちた子ども救出実況中継のほうが、みんな一斉に耳を傾けてるシーンがラジオの生きた時代を表してるなと感じた。ウディ・アレンらしさはそこまで感じなかったけど、ラジオへの愛>>続きを読む

暴力脱獄(1967年製作の映画)

4.0

脱獄エンタメと思って見たら、人間の尊厳とか信仰についてとか真っ当なヒューマンドラマでいい意味でやられた。ポール・ニューマンの飄々としながらも不屈な姿勢はらしさそのものだし、何よりラストの笑顔総集編はカ>>続きを読む

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

3.9

芸術家はいつだって最高の仕事をしてこそ生きる喜びを感じる。貧しくて慎ましい生活を過ごしている敬虔な村人も、時を経るごとに心が荒んでいくなかで、バベットの晩餐会はひとつの奇蹟だったのだろう。
お客さんが
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ホノカアボーイ(2008年製作の映画)

2.5

原作とはまったくの別物。映画化するにはある程度の改変が必要にしても、ストーリーも設定もいじり過ぎ感満載。映画館や街への愛着がテーマでないならそもそもホノカアでなくても成立する凡庸な内容に辟易した。倍賞>>続きを読む

プラトーン(1986年製作の映画)

4.0

トラウマになるくらいのリアルな描写と展開。映画でこれだから、ほんとはもっと何倍も凄まじくて生還してもPTSDになるの当たり前だよな。数あるベトナム戦争映画の中でも、ダントツに有名なのはダテじゃない。ウ>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

2.8

カラフルな色合いと空の青さがきれいで印象的だったけど。ラストに至るまで1ミリも同情できず、そらそうだろという展開。モーテル支配人のウィレム・デフォーの苦しい表情がなんとも言えず渋かった。

アーティスト(2011年製作の映画)

4.3

サイレントとかトーキーという前情報で食わず嫌いしてたの後悔。もっと早く見ておきたかったくらい素敵な作品だった。
映画への、映画人への愛溢れる内容で、展開はベタそのものだけど、シンプルで誰もが楽しめて最
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インソムニア(2002年製作の映画)

3.7

ノーラン監督作品でアラスカが舞台でアル・パチーノとロビン・ウィリアムスの共演なのに、なんだろうこの消化不良感は。サスペンスから早々に転換した展開なのか、ラストの物足りなさなのか。全体的にもったいないと>>続きを読む

SHADOW/影武者(2018年製作の映画)

3.6

映像も音楽も内容もかつての英雄/HEROを思わせるのだが、いかんせん俳優陣の存在感が薄い。せっかくのチャン・イーモウ作品なのに惜しい。もう少し説得力のあるスターが演じていればなと思ってしまう。

ロブスター(2015年製作の映画)

3.5

なんじゃこれ系の作品で、最後までヒネリ続けて終わりも?な感じ。
独特な感性なのか、現代社会への強烈な皮肉なのかわかりにくいけど、きっと後者なんだろうか。同監督の哀れなるものたちも見てみたくはなったけど
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

ずっと避けてきたけど、ついに見てしまった。思ったとおりキツイし辛い。肉体的な苦痛はもちろんだけどそれより精神的な拷問で信仰をも削いでいくさまが苦しかった。なんてことだ。こんなことあってはならないけど、>>続きを読む

小説家を見つけたら(2000年製作の映画)

4.7

素晴らしかった。ベタな展開といえばそれまでだけど、それを上回る説得力はショーン・コネリーの存在感と主役の子の渾身の演技だと思う。バスタのお兄ちゃん役もハマってるし、心があったかくなる。天賦の才があるか>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

3.9

何ともいじらしい全然進展しない二人の関係が、赤を基調とした色彩と印象に残る音楽とともに流れていく不思議な感覚。さすがの名演で魅せる主演2人。ラストのカンボジアのシーンはなんとも言えない寂寥感がすごかっ>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.1

アメイジングエイミー再び!と思わせるほどのロザムンド・パイクのサイコキャラ。徹頭徹尾胸くそ悪いのがサイコーにおもしろい。ラストは誰もが気分爽快になるだろう展開でオチもよかった。現代社会の闇だね。

ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

リドリー・スコット監督作品らしく鮮烈で美しい映像で綴るナポレオン物語。ラストに行けば行くほど、実はジョセフィーヌに捧げた一生だったことがわかる。あとフランスに。まぁこの映画ではだけど。それほどジョセフ>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

小気味よく進む5つのショートストーリー。最初はいい感じ?と思ってみてたけど、次第になんだかよく分からなくなった。それにしても運転手はみんなよくタバコ吸うなというのが一番の感想。映像は素敵だった。

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

3.6

結局何が何だったのかよく分からないまま終わってしまった印象。病院から子を抱えて出て行くシーンは神秘的というか神々しいまでの雰囲気はあった。想像するしかないけど、この設定が生み出す週末感は救いがなくて辛>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ホラーじゃなくなっちゃった笑。ツリーがこんなに頑張る子だとは、タイムループでの成長ってすごい。亡き母との別れを選ぶところはよかったけど、その後の無駄なわちゃわちゃしたラストが余計だったかな。

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.7

タイムループものあるある要素満載で、振り返ってみると設定変えれば似たような映画がいくつも思い浮かぶ。けど、見てる間はハラハラしながら楽しめた。この手の映画に出てくる意識高いけど頭弱い女性キャラが愛らし>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

夫婦、親子の心の葛藤、交流を描くための架空の話をわかりやすく、わかりづらく見せるための仕掛けがマルチバース設定なのかな。冗長気味で悪ノリが過ぎる中盤を超えると見どころあります。ラストは分かってても泣け>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.5

A24ど真ん中としか言いようのない作品。解像度の高い映像も、国中の子どもにインタビューしていく展開も、ハイセンス過ぎて早々にお腹いっぱいに。ジェシーの拗らせ方、特に親のいない子の設定でごっこ遊びを迫る>>続きを読む

ブラッド・シンプル(1984年製作の映画)

3.7

言われなければコーエン兄弟作品とはわからないかも。だけどすれ違いや勘違いから生まれるドラマや題名のとおりシンプルな展開など、その後のファーゴやノーカントリーを思わせるような雰囲気もあった。一番びっくり>>続きを読む

トランセンデンス(2014年製作の映画)

3.6

公開当時は早過ぎたかもだけど、完全に現代が追いついてきてる。時代を先取りしたハリウッドによるAI脅威論で、しかも現実味があるやつ。前半の展開は良かったけど、結局この手の映画にありがちな倫理・哲学オチで>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.1

デ・ニーロとディカプリオ主演のスコセッシ作品が悪いわけない。後半以降はともするとサスペンス調でありきたりな展開になりそうだけど、あくまでもギャングもの仕立てにハードボイルドに描いていたのはさすが。たぶ>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

4.3

カズオ・イシグロ脚本のリメイク版を見てから気になって原作を後追いで。びっくりするほどリメイクがまんまだった。ショックなくらい。原作のほうがより生々しくて感情の逃げ場がないような切迫感があった。リメイク>>続きを読む

50/50 フィフティ・フィフティ(2011年製作の映画)

3.9

カイルみたいなやつを親友って呼ぶんだろう。酔い潰れて送ったときに読みかけの本発見するとこベタすぎやろー笑。アナ・ケンドリックならではの妙な説得力もよかった。この頃のゴードン・レヴィット最高だな。

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

3.8

あらすじのとおり、道中での人間ドラマが展開されるわけだが、セリフで表現されない感情の起伏とか、どうしようもできない状況などが次々とやってきてやるせない気持ちになった。最後はあれしかなかったんだろう。ジ>>続きを読む

17歳の肖像(2009年製作の映画)

3.2

中年スケベおやじがとてつもなく気色悪い。それに気付かず背伸びして憧れて調子乗っていくヒロインが痛ましい。
キャリー・マリガンはすでに完成していて、泣きの演技も完璧。それだけにこんな役やってほしくなかっ
>>続きを読む

大逆転(1983年製作の映画)

3.7

キャストといい、設定といい、時代を感じないわけにはいかないけど、テーマは現代にも当てはまる普遍的なストーリーで好きだった。エディ・マーフィーのアドリブみたいな変装の場面、今ではできないんだろうな。娼婦>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

さすがカズオ・イシグロと唸らされる終盤の展開。ビル・ナイ演じるウィリアムズがバーでハリスに打ち明けて以降、吹っ切れたように輝いていく姿が印象的。スティーブ・ジョブズのスピーチにあったように、毎日今日が>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.8

回を追うごとに壮大になっていくワイスピもついに大団円に向かっていく流れか!なんてことも感じたけど、この映画の魂である車やレースなど前時代的でも、だからこそできることもあるっていう矜持も感じられた。そん>>続きを読む

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