優しくしてくれる人たちの顔は映るが誹謗中傷する者たちの顔はほとんど映らないため、またネットに噴出する短絡的な悪口は目新しくはないから、前評判ほど気持ちが重くなるような物語ではなかった。人間の最低な面を>>続きを読む
本作ではゴダールみが、「偶然と想像」ではロメールみがあるが、無邪気なオマージュに留まらずハマグチカラーにアウトプットできているのがすごい。オマージュとして作品から浮かずに文脈に組み込まれている。カメラ>>続きを読む
遥風が縦横無尽に暴れ回る商店の空間は主にフィックスカメラで捉えられるが、彼女がもはや動きをやめた時、商店を映すカメラはブレだす。あんな場所やこんな場所に置かれていたカメラが居場所を失なって動揺する様が>>続きを読む
イスタブリッシュメントショット多すぎるし、映像的快楽はあまり無いが、出てくる大人たちが魅力的。結婚式のシーンで流れるLet Love Flow Onがお気に入りの曲になった。
映画の時間に執着はあっても空間に対して鈍いノーランの作品が、相変わらず好きではないけれど、キリアン・マーフィーの演技を見る機会をくれてありがとう。
3回劇場で見た。音楽に巻き込まれる人間たちと、バンドメンバーの関係性をこんなにも生々しく映し出した映画、他にあるんですか…
三体の砂虫が砂影から出現する時、涙ぐんでしまった。映画のスペクタクル性に感動するのは、ちょっと久しぶりかもしれない。デザインのセンスと美術の細やかさ、IMAXを前提とした撮影・音響のパワーが、映画館の>>続きを読む
息子が最後の証言をした後、テレビに映る母の姿を見る時の表情に、涙腺が緩くなった。自分のアクションによって物事を大きく動かすことができたのだということを自覚できたと思って。
細やかな演出や撮影は流石。「亡くなってしまった人の穴を埋める」流れがメタ的にでもわかってしまうと興醒めするが、山添君が結果的に栗田社長の弟の跡に続くのはとても自然な帰着に感じられて良かった。山添君が初>>続きを読む
前3作ほどの凄み・キレはなかったけれど、最後の映画館のシーンには感動した。
登場人物たちの中流階級=つまらない価値観に共感できないけれど、オリバーの正体不明の原動力は面白く見た。オリバーの実家のような暮らしを、私はとても楽しんでいるけれども。
美術や色彩設計は派手だが、撮影・編集(カット割り)が平凡で映像の快楽はあまりない。エマ・ストーンは素敵。
シンボリックなモチーフと横に倒れる画面がくどい。構図の意味にも目新しさはなく、現代アメリカ社会の手軽な要約という感じ。フレンズの使い方と、ジュリア・ロバーツの演技は好き。
情報が手軽に手に入る現代で、わざわざ「名前を教えない」とか映画館でひたすら待つとかしてファスト恋愛させないことで、ロマンティシズムとノスタルジーが増す。だから、好きな女についに会いに行く男が車道で轢か>>続きを読む
会話のシーンで切り返しを使わず、2人を同じフレームに収めるが、門脇麦が必ずこちら側を向いている。誰かと対話をしている時の彼女のリアクションを見続けることになっても、それに耐えうる演技力。映画というアー>>続きを読む
会話のテンポや編集にもう少し軽快なリズムが欲しかったけど、RPGをするテンポに寄せているのかも。フクロウ熊に変身したコが魔女を殴るシーンで殴り過ぎで笑った。女同士だから遠慮ないのかなとも思った。
モノクロのパートに既視感のある構図のショットがいくつかあって、白黒時代のリアルな映画を見ているようだった。クーパーの模倣的な演技と対照的に、マリガンの演技が細やかで見ているこちらの気持ちもヒリヒリする>>続きを読む