中さんの映画レビュー・感想・評価

中

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親密さ(2012年製作の映画)

3.5

言葉で魂に触れられることを証明できひんなら、行動とその結果で示すしかないことを逆説的に思い知らされた。

登場人物があんま好きじゃなかったな。
彼らの言葉は自分にしか向いてなくて身勝手で稚拙な印象が常
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.0

「変わるだけが旅じゃない。歩んできた人生を確かめる旅もある」

整えられた綺麗な映像で、肌の自然な皮膚感がめっちゃ魅力的やった。代表を解任されるときの青白い肌、カラオケ屋でバイトしてるときの汗ばんだ健
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.4

クーリンチェを観たあとの2本目やったから、メリハリの乏しい展開に疲労感があった。何を観せられてるんやろって感じ。
やけど物語が進むほどに心地よくなってきて登場人物が愛おしくなってくる。人生とか生命が素
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.0

理不尽に対する虚無感と、妙な納得感が残った。

青春。
醜くてみっともないのに憧れる。
自分勝手でどうしようもないのに輝いてる。
かけがえのない恋。

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.5

ラストシーンに全てが詰まってるように感じた。
今世での別れをきっぱり告げるヘソン、ヘソンとの別れを嘆いてアーサーの前で泣いてしまえるノラ、そんなノラを抱きしめるアーサー。
登場人物みんなええやつやねん
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

パート1より壮大な展開でIMAXの良さをめちゃめちゃ感じられる。
ていうかあの砂漠と砂虫の表現はシネスコでは不可能やと思うな。ティモシーシャラメとレベッカファーガソンの親子は美し過ぎるし。
あと、劇判
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

孤独。
誰とも共有できひん、伝えられへん、自分だけの自分。
友達や恋人、家族がいても彼らが心のよりどころになるとは限らへんくて、むしろ互いのエゴがぶつかって傷つけあうことの方が多いんかもしれへん。
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.5

愛憎まみれた2人。
アンビバレントな感情は彼女らを祝福するものであり同時に痛みも与える。

愛することも、憎むことも、相手を想ってることに変わりはないよな。
ただの友達やったらジヌの件で縁切れるもん。
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Happybirthday Raymond(2017年製作の映画)

4.0

「三月のライオン」みたいな2人。
毎日誕生日おめでとう電話をし続けるおじさん、レイモンド(鈴木)。レイモンドを主人公に小説を書く女、ハンナ(麻衣)。

現実から逃げてどうしようもなく未来がなさそうな2
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.4

「全体の一部」

裁判は客観的な要素のみを「真実」として扱うのであって、主観的な要素は「真実」ではないと判断される。
個人的な感情である動機でさえ客観性・合理性が求められる。

でも合理的に生きてない
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動乱(1980年製作の映画)

4.4

「私は幸せです。あなたの妻になって」

薫に普通の幸せを与えようとするんなら、普通の男と恋愛して普通の家庭を持つまで面倒見てやれよって思った。その場しのぎ的に仮面夫婦を続けたせいで、男女のこととか子供
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.0

世界で唯一の共産主義国である北朝鮮。
脱北者は概念上じゃない現実にある場所として「ここではないどこか」を目指してる。

現代で現実に起こってることやと理解できるのに、自分の世界と接してるっていまいち思
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芳華-Youth-(2017年製作の映画)

3.9

こじらせてるリウフォンをみるのがしんどかった。
上手くいかへんことが続いて、元来備えてた自己犠牲の精神が暴走し始める。自己犠牲が自己表現のひとつになって、自己犠牲を果たすために戦争で死を望んで英雄に憧
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

3.5

ジリ貧で飛んだだけって印象。
子供が嘘ついたり悪いことしてその場しのぎでさらに悪業を重ねてどツボにはまる感じ。

だから後戻りできひん旅の中で「本当の自分になれた」とか言ってるのが違和感で、やけっぱち
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ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

4.0

キラキラしてて自分の価値観を刷新してくれるもの、ドラッグカルチャー、そんなもので溢れてた時代。
ブルーライトに照らされて浮かび上がる白いシャツや下着が印象的やった。

破綻した恋愛はお互い辛いよな。
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.0

くだらへん会話劇が人物の性格を紹介することになって、そのあとの属性紹介に説得力と面白さを生んでる。
緻密な計算がされた肩の力が抜けた演出って感じ。

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

IMAXレーザーGTの効果を最高に味わえた。
画角の広さに感動してエッジが気になったりもしたけど、作品自体も面白くていつの間にか没入してた。

いろんなSF作品に影響を受けてる一方、ただのオマージュで
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老人Z(1991年製作の映画)

3.0

当時としてはテーマもデザインもよかったんかもしれんけど今観るときついかな。

七つの弾丸(1959年製作の映画)

3.5

真面目さと未熟さ・覚悟のなさは共存するし、善悪合わせ持ってるのが人間やな。
愚かやなとは思うけど矢崎を憎めへんわ。
三國連太郎かっこええし。

冒頭と結末に露骨な啓発感があって冷めた。

黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960年製作の映画)

4.4

仕事は真面目一辺倒の石野課長が、不倫のせいで事件に巻き込まれて人生ぶち壊しっていう流れ。
良心の呵責に苦しみながらも自分の人生を天秤にかけて悩んでる姿が笑える。
石野の困り顔がおかしくて、追い詰められ
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紅の豚(1992年製作の映画)

4.4

胸が熱くなる人間讃歌。

飛行艇乗りとしてしか生きようとせえへんポルコは人間として正しくはない。
でも自分の哲学を曲げへん姿にロマン(男気とか美学とも言えるかな)を強く感じるし、登場人物たちや俺たち観
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.5

「彼らにとって時は流れるものじゃない」

未来予知能力というより、その能力によって時間を超越して自分を俯瞰してみれることがネックやと思う。
過去現在未来を一本道(運命のように)のものとして受け入れて体
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エグザイル/絆(2006年製作の映画)

4.1

彼らの仲間になりたいなあ。
俺には様式美としか表現できひんわ。
めっちゃ良いエンタメ。

新幹線大爆破(1975年製作の映画)

4.0

大味な警察モノ。
ギラついてる高倉健かっこええなあ。
都電が走ってる東池袋に今も多少面影がある気がした。

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.1

今作のジャンルをまったく知らへんまま鑑賞した。
2曲目が始まってまさかなとは思ったけどライブ映画やった。

こういう作品に出会うたびに、世界には俺の知らん面白いことがいっぱいあって、それらが俺を楽しく
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燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

4.0

「自分で全部作るんだよ」
ーネオンも人生も。

LEDでもええからネオンで何かを作りたくてその参考も兼ねて鑑賞した。
物語としてはシンプルで可もなく不可もなくって感じ。
けど昨年旅行で行った香港の移り
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

4.0

古き良き平成の恋愛青春物語。

むずがゆくて、初々しくて、ちょっと痛々しい登場人物たち。
ファッションは当然として言葉遣いも今とちょっと違う感じがした。7年前の映画で、当時よりさらに10年くらい前を想
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.9

愛に狂った大人たち。
愛にしか興味がない女と、感情の嵐に晒されてたい男。

サラは上手くやるためにバランスを取らなあかんって理解してるけど、ほんまのところは上手くやることを重視してなんかなくて、なんで
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砂の器(1974年製作の映画)

3.9

旅好きおじさんのロードムービーの方が好みやったかも。
慌しい世の中にも肩肘張らへんほんのりとした余裕があった。列車に乗りながらやることが新聞とか週刊誌読んだり俳句書くことやもんな。携帯電話の影響は大き
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

声変わりの途中でかすれる高音で歌う紅、めっちゃ熱い。

「きれいなもんしかあかんかったらこの街ごと全滅や」
排他的な「ヤクザ」が放つすべてを包容するような言葉。
綾野剛はヤクザ役ってほんまハマるな。大
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