この世界には真実も、本当のことも、確かなことも何も分からないから、誰かに“君は僕の絶対だから”と言える強さがとにかく眩しくて切なかった。そして、大葉くんの衣装が、昔ののび太くんと同じ、黄色と紺色の上下>>続きを読む
もしも舞台上のスーパースターが客席にいる自分と恋に落ちたら…という、「マリー・ミー」(大傑作!)の設定を男女反対にして、24歳のボーイバンドのリーダーと40歳のシングルマザーのアン・ハサウェイの恋愛を>>続きを読む
学校という閉鎖的な空間だから起こりうる“特別な出来事”かと思いきや、いまや社会全体が閉鎖的であるが故に、どこでも起こりうる“ありふれた問題”に見えてくるところが怖かった。白黒つけられないグレーな問題に>>続きを読む
ときとしてを恋しているときの真っ直ぐな気持ちは、リアリズムを越えて、“本当の記憶”すら曖昧ものにしてしまう。その甘美でクレイジーな瞬間が、最初から最後の1カットまで満ちあふれた、とても幸せな映画でした>>続きを読む
ロマンチックのためならば、どんなにベタでバカバカしいことでも、真剣かつ完璧にやりきることが、最高のロマンチック・コメディなのだと思わせてくれる大好きな作品! クライマックスを盛り上げるために、“ありえ>>続きを読む
西部劇から「アバター」まで、ハリウッドが繰り返し描いてきた、侵略、支配、逆襲、そして再生の物語を、ポストアポカリプス的な世界観と壮大なスケールによって映し出す、まさに「日本よ、これがハリウッド映画だ」>>続きを読む
青春時代の後悔やコンプレックスは、他の誰かや何かによって忘れられるものではない。大切なのは、それらを克服しようとするのではなく、ただただ逃げることなく、過去と向き合うことなのだ。台南の生暖かくノスタル>>続きを読む
25年ぶりにスクリーンで観た「ファントム・メナス」は、すべてが愛おしく感じる作品だった。予告編でも冒頭で使われていた、霧の中からグンガン軍から現れるシーンと、ジョン・ウィリアムズが言っていたように、“>>続きを読む
事件の謎も、登場キャラの数も、函館の情報も、恋愛要素もてんこ盛りで、劇中で毛利小五郎が漏らしていた「あれやこれや、いっぺんに起こりすぎだろう…」というセリフに共感しつつも、最後はみんなで力を合わせて成>>続きを読む
恋人を事故で失った以来、彼との思い出の曲を聴くと、その曲を初めて一緒に聴いた過去へと強制的にタイムトラベルをしてしまう主人公を描いたラブストーリー。
サーチライト・ピクチャーズ作品なので、いわゆるラ>>続きを読む
冒頭に本作のリアリティ・ラインがきっちりと分かるアクションシーンが用意されているので、2.5次元的な世界観やキャラクターも全く違和感なく最後まで楽しむことができました。それにしても、実際に深夜の歌舞伎>>続きを読む
劇中の主人公のセリフで“バランス”と言う言葉が強調されていたように、善と悪、自然と人間、都会と地方、そして生と死の対立や分断を描くのではなく、その“バランスを保つこと”の大切さ(と難しさ)について考え>>続きを読む
人間も怪獣も、自分にとっての“本当の居場所”を探す物語。「魔宮の伝説」的なアドベンチャー感も良かったけど、とにもかくにも頭の中で「YAH YAH YAH」が鳴り響く怪獣バトルが楽しかった。今から一緒に>>続きを読む
吹替版で観たのもあって、小学校の夏休みの昼下がりに「ゴーストバスターズ」や「グレムリン」など、80年代のハリウッド映画を繰り返し観ていた頃を思い出して懐かしい気持ちに。いい意味でいろいろゆるいところが>>続きを読む
家族全員がそれぞれに“強くあること&勝ち続けること”という呪いを、自分自身にかけることによって起こる悲劇の連鎖。そういう意味で、ザック・エフロンが妻に対して「自分がそばにいると子供たちも呪われる」と言>>続きを読む
それぞれに不安や悩みを抱えたピーター・ディンクレイジ、アン・ハサウェイ、マリサ・トメイによる“大人のロマンス”と同時に、もう1つの“小さな恋のメロディ”が繰り広げられ、それらが予想外の展開で混じり合っ>>続きを読む
大切な人と別れる前のタクシーや電車を待つ2分くらいの時間が、一瞬にも永遠にも思えること、何を言えば良いか分からず何も言えなくなること、そしてこれが最後になるかもしれないという予感…。そんな気持ちがとて>>続きを読む
大切な人を失ってから初めて自分の弱さや愚かさに気づいたことは、ぼくの人生の中でも何度かあったことを思い出した。大事なのは、それらを美しく切ない思い出にするのではなく、現実を生きるために、そして目の前の>>続きを読む
あるひとりの“カリスマ”の栄光と挫折の日々を回想しながら、彼が抱えていた苦悩や葛藤、情熱と熱狂、弱さと愚かさ、ロマンチックかつナルシスティックな一面を立体的に描き出すところは、フィンチャー監督の「ソー>>続きを読む
村上春樹が「ノルウェイの森」で、“死は生の対極としてではなく、その一部として存在する”と書いていたように、日常と非日常も同じく対極ではないのだと気付かされる。そして、ぼくたちが日常だと思っているこの世>>続きを読む
大長編ドラえもんの原点であり、大きな魅力のひとつは、“こんなこといいな できたらいいな”という夢のような“もしもの世界”が観られることだと思う。本作は“もしも音楽がなかったら…?”という夢というよりは>>続きを読む
夫婦や親子で交わされる会話の本音と建前、相手のためを思って励ましたり褒めたりする“優しいウソ”の功罪について描いた作品。愛しているからこそ本当のことを言って欲しい。だけど、愛しているからこそ本当のこと>>続きを読む
冒頭10数分の間に3つの事件が次々と起こり、それらが運命的に絡み合いながら、クライマックスへ向けてグイグイ突き進んでいくスピード感がとても爽快で面白かった。また、切なさとやるせなさが入り混じった中学生>>続きを読む
心配性すぎる父親が、居心地の良い場所から飛び出して未知の世界を冒険をする設定が、渡り鳥版「ファインディング・ニモ」みたいで面白かった。とくにニューヨークの街に迷い込むシーンが好き。また、彼らにとって最>>続きを読む
IMAXレーザーGTでの鑑賞も相まって、SF映画を観ているというより、壮大な叙事詩や崇高な神話を次の世代へと伝承するべく、ダイレクトに目の前で語り掛けられているような不思議な体験だった。その昔、ある映>>続きを読む
ニューヨークを舞台に“結婚とは? 夫婦とは?”をテーマに、2組の中高年夫婦と結婚間近のカップルの姿をロマンチックかつコミカルに描く。ちょっとありえない設定でも、ちゃんとそれぞれにチャーミングに見えると>>続きを読む
亡き妻の願いを叶えるために、圧倒的な喪失感と後悔、そして追憶と呼ぶにはリアルすぎる記憶とともに、遺された夫が旅に出る物語に「カールじいさんの空飛ぶ家」を思い出した。リリー・フランキーさんの自分本位で頑>>続きを読む
良い意味で荒唐無稽なキャラクター、ケレン味あふれるアクション、そしてドンデン返しに次ぐドンデン返しの展開と、過剰なくらいエンターテイメントとしての満足度が高くて面白かった。新宿ミラノで会社帰りに缶ビー>>続きを読む
ときとして、どれほど多くの客観的な事実よりも、主観的な物語の方が本当らしく見えるし、人の心も動かすものだから、決して“真実はいつもひとつ”ではないことを教えてくれる作品だった。そして、カンヌでパルムド>>続きを読む
ニューヨークで救急救命士として働くダコタ・ジョンソン主演の“お仕事映画”としても、環境や性格の全く異なる高校生3人組の友情を描く“ティーンムービー”としても、そして“もしもスパイダーマンがヴィランだっ>>続きを読む
好きな人の好きなところを聞かれて、「全部」と答えるのではなく、次から次にスラスラと言えるシーンがとても良かった。そして、その答えの一つでもあった“急に振り返ったとき”と、別れ際の“見送る/見送られる”>>続きを読む
負け犬と呼ばれた人々が立ち上がり、やがて奇跡を起こす物語に惹かれるのは、きっと彼らがそれぞれの人生の中で大きな痛みや喪失感を抱えているからだと思う。オリジナル版ポスターにある、“Be Happy”とい>>続きを読む
映画よりも映画っぽい事件が現実に起こるのも、たった数年前の出来事を映画化してしまうのも、そして最後に長尺のスピーチで締めるところも「This is AMERICA」といった感じで面白かった。今やアメリ>>続きを読む
それそれがそれぞれに生きづらさを抱えながらも、誰かのために何かしたいと思うこと。そんな“思いやり”や“親切”こそ、社会をほんの少し良くする第一歩であり、また唯一の手段なのかもしれない。愛でも友情でもな>>続きを読む
すでに忘れてしまった記憶や、人生から消し去られた思い出があったとしても、かつて自分の中に大切なものがあったという感覚だけは、永遠に心に残り続けるものなのかもしれない。スクリーンを見つめるそれぞれの眼差>>続きを読む
原作コミックの持つキャラクターやストーリーの魅力を最大限に活かしつつ、実写映画ならではのケレン味あふれるアクションが組み合わされることで、まさに日本版「インディ・ジョーンズ」と言いたくなるような、見事>>続きを読む